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麒麟児 の商品レビュー

3.9

22件のお客様レビュー

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2024/06/09

幕末から維新への時代の大きな変化の渦中に生きた勝海舟と西郷隆盛の漢っぷりが素晴らし過ぎて。 江戸城の無血開城までの互いの心理戦、時代が明治になっても自分の理想とする世の中とは程遠い現実に勝も西郷もそれぞれの立場でもがいている不条理さ。 何だか令和の現代になっても変わらぬ不条理さを...

幕末から維新への時代の大きな変化の渦中に生きた勝海舟と西郷隆盛の漢っぷりが素晴らし過ぎて。 江戸城の無血開城までの互いの心理戦、時代が明治になっても自分の理想とする世の中とは程遠い現実に勝も西郷もそれぞれの立場でもがいている不条理さ。 何だか令和の現代になっても変わらぬ不条理さを思い、憂いてしまうほどに感情移入をしてしまいました。 志半ばで命を落とした人達への思いの深さや敵であってもリスペクトする懐の深さには惚れます。 幕末維新に誰よりも漢気に溢れた生き様を見せつけられたような気がします。

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2024/04/05

江戸が東京になったのは最近なんだなと、歴史を辿ってくると実感。こないだまで平安鎌倉読んでたからなぁ。室町桃山あたりも探してみるかー。歴史苦手でも読める。

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2024/02/12

『天地明察』がとても面白かったので、冲方丁の他の歴史ものも読んでみようと手に取った一作。 幕末も幕末、江戸の無血開城直前における西郷と勝海舟の二人の、江戸での戦争を避けるための駆け引きが本筋。カバー画の荒々しい感じをよそに、血湧き肉躍るような戦いは一切出てこず、二人の心の動きや...

『天地明察』がとても面白かったので、冲方丁の他の歴史ものも読んでみようと手に取った一作。 幕末も幕末、江戸の無血開城直前における西郷と勝海舟の二人の、江戸での戦争を避けるための駆け引きが本筋。カバー画の荒々しい感じをよそに、血湧き肉躍るような戦いは一切出てこず、二人の心の動きや会話が繰り広げられる。 それが退屈かというとまったくそんなことはない。勝は、なんとかして主君の徳川慶喜に少しでも有利な条件を勝ち取りたい。西郷も、新政府軍には強硬派もいるものの、本人としてはなんとかして平和に主権交代を成し遂げたい。 その主張をストレートには表に出せず、それでもそれぞれの目的を達成するために交渉が繰り広げられる様を、読み手をはらはらさせながら展開していくのはお見事。 このあたりは題材としては手垢がつきすぎているし、冲方丁の筆致も一部司馬遼太郎っぽい感じになったりするが(これはもうどうしようもないね)、それでも独自の視点で切り込んだとても面白い作品だったと思う。

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2023/09/24

周りの人間の理不尽さや利己的な振る舞いに、何度も何度も悪態をつきながらも、決して大義を忘れずにやるべきことを粘り強くやり続ける麒麟児たちの姿には、ただただ畏敬の念を感じる。その一方で、こうも報われない、理解されない状況で行動を辞めない姿には、「なぜそうまでできるのか」「なにが彼ら...

周りの人間の理不尽さや利己的な振る舞いに、何度も何度も悪態をつきながらも、決して大義を忘れずにやるべきことを粘り強くやり続ける麒麟児たちの姿には、ただただ畏敬の念を感じる。その一方で、こうも報われない、理解されない状況で行動を辞めない姿には、「なぜそうまでできるのか」「なにが彼らをしてそうさせるのか」と、素直にはてなの気持ちが湧いてくる。そういう点も含め、常人には理解できない麒麟児なんだろうか。

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2023/04/05

混乱する時代、過激な行動や集団暴発を防ぐために自身に矛盾やジレンマを抱えつつ最善の行動を選択する。そういった生き方を勝海舟と西郷隆盛の2人の交渉の中で描いた作品。

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2023/03/20

冲方さんの筆の運びは、やっぱり上手。ぐいぐいと引き込む手腕はさすが。でも、歴史ものに興味の無い僕には、ちょっと分けわからない(涙) 大きな時代の流れを作る努力した人達より、その流れの中でもがく庶民の話は好きなんだけど・・

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2023/02/01

他の幕末関係の本を読んで勝海舟が好きになったが、この本を読んでさらに好きになった。 戦いというのは闘争だけを指すのではなく、目的を達成するあらゆる手段をいうのだなと思った。

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2022/12/29

勝さんおつかれさま。 西郷さん不憫;; 立場が変われば正義も変わるといえど 前クール大河の慶喜との違いよ・・

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2022/10/16

激動の幕末を駆け抜けた二人の麒麟児、勝海舟と西郷隆盛。 史実をもとにしたフィクションだと明記されているけれど、まるで本物のように手に汗握り、心を動かされる見事な人間ドラマでした。 最後のどうにもならずに巻き込まれた男の詩を刻んだ石碑の前に立つシーンがとても良い。

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2022/09/27

江戸城無血開城。勝海舟。西郷隆盛。 その単語だけが教科書に並んでいたのは記憶の奥深くにあった。 日本が公のもと真の意味での一国家となりうる為に、武力ではなく言葉で闘うことを願った麒麟児。妥協して譲歩を引き出して、寸分の違いでこれまでの努力が水の泡となりうる緊迫した状態での交渉。...

江戸城無血開城。勝海舟。西郷隆盛。 その単語だけが教科書に並んでいたのは記憶の奥深くにあった。 日本が公のもと真の意味での一国家となりうる為に、武力ではなく言葉で闘うことを願った麒麟児。妥協して譲歩を引き出して、寸分の違いでこれまでの努力が水の泡となりうる緊迫した状態での交渉。江戸の市民、街を守る為に、私利私欲なしで政治家としての姿勢を貫こうとした。 既にこの時から、明治政府は派閥政治をおこなっており、大義名分なんて皆無。やはり明治維新とは虚構なのだと思ってしまった。 勝海舟。勉強してみよ

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