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怖い家 の商品レビュー

3.9

9件のお客様レビュー

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2024/03/03

西欧の「家(館や屋敷を含む)」にまつわる短編小説を集めたホラー小説です。 怖くて恐ろしいものから切なく悲しいものがメインですが、中には心温まるものや、思わず笑ってしまいたくなるものもあります。 自分としてはブラム・ストーカーの「判事の家」とギ・ド・モーパッサンの「オルラ」が一二を...

西欧の「家(館や屋敷を含む)」にまつわる短編小説を集めたホラー小説です。 怖くて恐ろしいものから切なく悲しいものがメインですが、中には心温まるものや、思わず笑ってしまいたくなるものもあります。 自分としてはブラム・ストーカーの「判事の家」とギ・ド・モーパッサンの「オルラ」が一二を争う恐怖ストーリーで、ゾクゾクしました。

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2024/01/04

ちょうど、併読していた村上春樹の「レキシントンの幽霊」にアッシャー家の崩壊にかけたジョークが出てきて、タイミングよく楽しむことができました。 怖さ、ということについて言うと、日本独特の、おどろおどろしい怨霊といった感じとは異なり、ホラーにファンタジー要素を含ませたような雰囲気の...

ちょうど、併読していた村上春樹の「レキシントンの幽霊」にアッシャー家の崩壊にかけたジョークが出てきて、タイミングよく楽しむことができました。 怖さ、ということについて言うと、日本独特の、おどろおどろしい怨霊といった感じとは異なり、ホラーにファンタジー要素を含ませたような雰囲気の作品が多いかも。 とくに、オスカーワイルドのカンタヴィルの幽霊は怖さというより、コミカルさと悲哀が漂う物語でした。 「怖い家」という、家を主題にしているのに、私が海外知識に乏しく、地名や建築様式がわからず、間取りもパッとは想像できずに、検索しながらの読了。 海外古典作品は、当時の時代背景が自然と物語の中に滲んでいて学びも多く、19世紀のアメリカ社会の風潮や、女性蔑視などが本作の短編にも窺え、ホラー以外の側面でも読み応え充分です。

Posted byブクログ

2022/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家・屋敷にちなんだ怪談話を集めたアンソロジー。 トップバッターが、ポーの『アッシャー家の崩壊』。このジャンルにおいて、いかに大ポーが世に与えた影響が大きいのか……。 O.ワイルドの作品が、このジャンルにしては珍しく、コメディ+ハッピーエンドで、面白かった。おすすめ。

Posted byブクログ

2022/12/07

家が舞台のホラー小説です。海外の作品ということでじわじわ来るような恐さというよりかは、背筋がゾクリとするような怖さがあったように思います。

Posted byブクログ

2022/05/26

幽霊屋敷を中心とした、「家」が舞台のホラー小説アンソロジー。 序章 開けてはいけない扉がある ジョン・ランディス 「アッシャー家の崩壊」エドガー・アラン・ポー 「幽霊屋敷と幽霊屋敷ハンター」エドワード・ブルワー=リットン 「空き家」アルジャーノン・ブラックウッド 「赤の間」H. ...

幽霊屋敷を中心とした、「家」が舞台のホラー小説アンソロジー。 序章 開けてはいけない扉がある ジョン・ランディス 「アッシャー家の崩壊」エドガー・アラン・ポー 「幽霊屋敷と幽霊屋敷ハンター」エドワード・ブルワー=リットン 「空き家」アルジャーノン・ブラックウッド 「赤の間」H. G. ウェルズ 「忌み嫌われた家」H. P. ラヴクラフト 「幽霊屋敷」アンブローズ・ビアス 「カンタヴィルの幽霊」オスカー・ワイルド 「サーンリー・アビー」パーシヴァル・ランドン 「判事の家」ブラム・ストーカー 「黄色い壁紙」シャーロット・パーキンス・ギルマン 「呪われた人形の家」M. R. ジェイムズ 「オルラ」ギ・ド・モーパッサン 「和解」小泉八雲 「開けっぱなしの窓」サキ 収録作家略歴・補遺、有り。 開けてはいけない扉があるが、あえて先に進みたいなら、 ページをめくり扉を開けよう。そこにあるのは・・・。 と、選者の「ブルース・ブラザーズ」の映画監督、 ジョン・ランディスが誘うホラー小説アンソロジー。 行かねばならぬ。確かめたい。興味がある。幽霊を見てみたい。 退治したい。幽霊に話しかけたい。壁紙が気になる。 結末が知りたい。住み着いたその存在の正体が知りたい。 彼女が待っているかが知りたい。 何故なら、そこに“家”があるから。 不条理な死、明かされない真相の不気味さ。 ゾクゾクするシチュエーションと真相までが迷宮の如くの語り。 「赤の間」の次から次へと消える蝋燭の怖さ。 幕間のような「カンタヴィルの幽霊」の可笑しさ。 精神を蝕む「黄色い壁紙」の狂気ともとれる気味の悪さ。 既読の作品も多いけど、新訳なので新鮮味があります。 ブルワー=リットンの作品は、平井呈一の翻訳では 後日談が加えられた版なので、比べてみるのも良いでしょう。

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2022/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「幽霊屋敷」テーマ(一部変種もあるが)のアンソロジー。テーマ別に限らず各種アンソロジーで頻出の定番作品が殆どで、収録14編中自分が未読だったのは2編(A.ビアス「幽霊屋敷」とPランドン「サーンリー・アビー」)。 本邦初訳で今回の目玉の一つでもあったはずの「サーンリー・アビー」は“英語で書かれた最も恐ろしい小説”ってな評もあるらしいが、そんなに怖いか、これ? その一方で(既読のハズなのに忘れてた)ワイルド「カンタベリーの幽霊」は、御伽話的な雰囲気を装いつつ、この手のテーマ話を茶化していて案外に面白い。 そしてギルマン「黄色い壁紙」は何度読んでも、怖い。

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2022/04/05

収録作家のラインナップが豪華。それ故、既に他の単行本やアンソロジーで既読の作品が半分ぐらい入ってましたが、手堅く面白い「家」に纏わるホラーを集めたアンソロジーでした。 流石上手いなと思ったのはワイルドの『カンタヴィルの亡霊』(幽霊噺についての諧謔味に溢れてて最高だった)と、ギルマ...

収録作家のラインナップが豪華。それ故、既に他の単行本やアンソロジーで既読の作品が半分ぐらい入ってましたが、手堅く面白い「家」に纏わるホラーを集めたアンソロジーでした。 流石上手いなと思ったのはワイルドの『カンタヴィルの亡霊』(幽霊噺についての諧謔味に溢れてて最高だった)と、ギルマンの『黄色い壁紙』(サイコホラーとして楽しめました)の2作。

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2022/02/06

歴史的な作品をまとめて読めるのはとても有り難かったけど、黎明期ゆえどうしても雰囲気が似てくる。前半は「またこのパターンか」と難儀したので日に一編としてゆっくり楽しんだ。そんな中でもギルマンの『黄色い壁紙』は時を超える不気味さを兼ね備え、決して映像化できない文字ならではの恐怖を堪能...

歴史的な作品をまとめて読めるのはとても有り難かったけど、黎明期ゆえどうしても雰囲気が似てくる。前半は「またこのパターンか」と難儀したので日に一編としてゆっくり楽しんだ。そんな中でもギルマンの『黄色い壁紙』は時を超える不気味さを兼ね備え、決して映像化できない文字ならではの恐怖を堪能させてくれた。

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2022/01/09

『幽霊屋敷』をテーマとする、英米古典中心の、なかなかに豪華なアンソロジー。有名作家・作品を押さえていて既読も多くなりますが、こういうテーマでまとまって読めるのは嬉しい。新訳なのも嬉しいです。かなり読みやすくて既読作品も新鮮。 ポー『アッシャー家の崩壊』は、こういう話だったっけと思...

『幽霊屋敷』をテーマとする、英米古典中心の、なかなかに豪華なアンソロジー。有名作家・作品を押さえていて既読も多くなりますが、こういうテーマでまとまって読めるのは嬉しい。新訳なのも嬉しいです。かなり読みやすくて既読作品も新鮮。 ポー『アッシャー家の崩壊』は、こういう話だったっけと思い出したり。 ブラム・ストーカー『判事の家』は好きな作品ですがやっぱいいね。なんと不吉な話。 シャーロット・パーキンス・ギルマン『黄色い壁紙』はすごく怖いし、解釈を考えさせられる。医師である夫が、精神的に疲れた妻の療養のため、安静に過ごせる屋敷に引っ越すが、妻は決め付けられた家庭内役割や周りからの安静の強制に強く抑圧を感じている。そんな妻の手記として物語は語られるが、語り手が妙に惹きつけられる黄色い壁紙の不気味な存在感。これはどう解釈すればよいのか。語り手をどこまで信用してよいのか。今回のアンソロジーの中でも特に記憶に残る逸品。 サキ『開けっ放しの窓』もよいですが、いったい何冊のアンソロジーに入っているんだ。少し変わり種でちょっとした驚きもあり、アンソロジーに多様性が出て使いやすいのかな。

Posted byブクログ