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喉の奥なら傷ついてもばれない の商品レビュー

4.2

11件のお客様レビュー

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2024/09/12

「ろくでなし」の物語がもの凄くすきでした。 読み終わったあと涙がたくさん出てました。 どうか彼女の元にかえってきてほしい。

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2024/06/05

宮木あや子先生の短編集 相変わらず毒々しく美しい世界。 生々しくてそれでいて美しい文章で大変読みやすかったです。 物語それぞれの主人公が歪んでいて「人間ってこうだよなぁ」っておもいました。 表紙と挿絵も素晴らしく、物語の世界観にピッタリだと思いました。 個人的に『金色』が好きかな...

宮木あや子先生の短編集 相変わらず毒々しく美しい世界。 生々しくてそれでいて美しい文章で大変読みやすかったです。 物語それぞれの主人公が歪んでいて「人間ってこうだよなぁ」っておもいました。 表紙と挿絵も素晴らしく、物語の世界観にピッタリだと思いました。 個人的に『金色』が好きかな。

Posted byブクログ

2024/03/23

ヒグチユウコのイラストが可愛いすぎて読んだ。 "喉の奥なら傷ついてもばれない" 少しジーンとするものがあった。 鬱鬱とした女たちの話おもしろかった。知らないだけで案外近くにこういう世界ってあるのかも。 美和子が1番いやだったな…

Posted byブクログ

2024/01/11

毒親に育てられた女性の歪な愛情を描いた短編集。躾と称した加虐、偏食の強要、売春の看過、精神錯乱による暴力、徹底的な管理支配等……本書の毒親バリエーションとその描写の緻密さには、読んでいてかなり辛い気持ちになるシーンもあった。感受性の強い人はある意味注意した方がいいかもしれない。 ...

毒親に育てられた女性の歪な愛情を描いた短編集。躾と称した加虐、偏食の強要、売春の看過、精神錯乱による暴力、徹底的な管理支配等……本書の毒親バリエーションとその描写の緻密さには、読んでいてかなり辛い気持ちになるシーンもあった。感受性の強い人はある意味注意した方がいいかもしれない。 それが肉体的なものであれ精神的なものであれ、日常的に虐げられていた子供は感性、とりわけ痛覚に関する部分が鈍るようだ。それゆえにどの話の主人公も結局自身が妻、あるいは母親という立場になった際、無自覚に親と同じ道筋を辿ってしまっている。第三者から見たらどんなに醜悪な毒親であっても、子供にとっては唯一の「親」であり、それ以外のモデルケースを知らないからだろう。だから彼女達がいくら良き妻、良き母親であろうと熱心に努力しても、そもそも知らない、理解していないものを再現などできまい。そうして築かれた不器用な夫婦関係や親子関係は、些細なきっかけで砂上の楼閣の如く崩れていく。この錆びついた歯車を無理矢理回しているような不快さ、あるいは不毛さがリアルにありそうな感じで、より薄暗い気持ちになる。 個人的には「泥梨の天使」が一番グロテスクに感じてしまった。高校生の娘の携帯の履歴を監視して動向を逐一把握したり、通話履歴に異性の影が見られれば憤慨し、服や下着、アクセサリーに関しても気に入らなければ「売女のようだ」と決め付けて本人の意思は無視して処分する母親・美和子。本人は七歳の時に母親を亡くしており、母親と過ごした記憶は殆ど残っていない。ゆえに、子供から常に目を離さず、理想的な食事や生活をさせることが真っ当な子育てであり、母親の義務であると思っている。そこに全く悪意はないのだが、その愛情から起因する行動こそがジワジワと娘を苦しめ、衰弱させていることは分からないし、気付けない。親に愛された記憶がない女性が、自身は娘に精一杯の愛情を注いでいるつもりが、破綻した家族関係を生んでいる。残酷な話だとも思う。 やはり、毒親の居る劣悪な環境で生まれたけれど、なんだかんだ理解のある彼氏や旦那を捕まえてハッピー人生大逆転!的なエッセイをインターネットで発表している人ってほんの一握りで、現実的には幼少期に負った古傷に苦しみながら生きている人々の方が大多数なんじゃないだろうか。そういう上手く立ち行かない現実から逃れるために不倫という横道に逸れるヒロインも居るが、彼女達にも当然のことながらハッピーエンドは訪れやしない。不倫とはその時に作った都合のいい理由(言い訳)で衝動的に成り立つ関係だ。お互いがお互いに都合よく利用されるような関係性で理想的な幸せがつかめる訳もなく、それは束の間の現実逃避以上の意味を持たない。 もう、親と子供の関係と言うのはどう足掻いても逃れられない呪縛なんだろう。愛情という名のもとに与えられる支配や暴力は、まさに毒だ。長年にわたって心身に染み込んでいき、子供の人生を蝕み続ける。親ガチャ、子ガチャなんて言葉をよく耳にするようになった昨今だが、個人的には親ガチャの方が深刻だと思う。ある程度成長して抵抗できるようになるまで、非力な子供は親から与えられるどんな仕打ちも一身に受け続けなければならない。その果てに命が奪われてしまうという、悼ましい事件のニュースが流れることもしばしばある。読了後はやるせなさで一気に虚脱感が押し寄せてきた。辛い。

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2022/07/15

『the 宮木あやこさん』な一冊。 校閲ガールではなく、春狂いの宮木あやこさん。 最後の泥梨の天使は、ホラーかと思うぐらいにゾッとした。 フィクションとは言い切れない、親の子に対する愛という名の束縛の強さ。 私も娘を持つ母なので、将来こんなふうになってしまうのでは…と恐怖を感じ...

『the 宮木あやこさん』な一冊。 校閲ガールではなく、春狂いの宮木あやこさん。 最後の泥梨の天使は、ホラーかと思うぐらいにゾッとした。 フィクションとは言い切れない、親の子に対する愛という名の束縛の強さ。 私も娘を持つ母なので、将来こんなふうになってしまうのでは…と恐怖を感じた。 愛は伝え方によっては、檻になってしまうのだ。 解説にもあったが、本当に文章が濃密。

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2022/06/04

母の呪縛。愛とはいったい何なのか。 女は料理上手で清楚で貞淑。そうすれば良い相手と結婚できて幸せになれる。その価値観の中で生きてきた女たち。 女の呪縛と、田舎ではないが大都会でもない街の密度が相まって、息苦しさが増加する。 時々無性に毒々しい女の話を読みたくなる。 所詮は他人事な...

母の呪縛。愛とはいったい何なのか。 女は料理上手で清楚で貞淑。そうすれば良い相手と結婚できて幸せになれる。その価値観の中で生きてきた女たち。 女の呪縛と、田舎ではないが大都会でもない街の密度が相まって、息苦しさが増加する。 時々無性に毒々しい女の話を読みたくなる。 所詮は他人事なのだから。 村山由佳氏の解説が秀逸。

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2022/02/20

どこまで読んでも、ずっと苦しい本でした。 絶対なりたくなくて、でも この世界に沢山いそうで、なりうる可能性もある、嫌な女の集まりでした。 第4篇のろくでなし、一見 この本の中だと まともな話の方に見えますが、 恋愛というフィルターを通した男達の名前を 最後まで呼ばなかったことから...

どこまで読んでも、ずっと苦しい本でした。 絶対なりたくなくて、でも この世界に沢山いそうで、なりうる可能性もある、嫌な女の集まりでした。 第4篇のろくでなし、一見 この本の中だと まともな話の方に見えますが、 恋愛というフィルターを通した男達の名前を 最後まで呼ばなかったことから、 結局求めていたのは特別な誰かでは無くて 自分を愛してくれる誰かなんだろうなと思いました。 寂しい人たちの話で、やるせない気持ちがどうやっても拭えない、そんな感じです。

Posted byブクログ

2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編6作 「傷」をわざわざアピールするのと違って、ひたすらに押しとどめる 決壊して暴れる感情に反して、意外なのはどの女も焦っているようで冷静で落ち着いている 音がないみたいに静かで色が薄い情景を思い浮かべるのは文脈と、表紙と挿絵の効果か

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2021/12/27

6編からなる短編集。 冒頭の「天国の鬼」からして胸が痛い。 どこまで読んだらほっとできるのだろうと思いながら次々と読んでもつらいばかりで呆然とする一冊だ。 愛人業で富を得た若く美しい女が無垢な少女に恋焦がれる「金色」。 娘が女になるのを許さない母親を描いた「泥梨の天使」。 どれも...

6編からなる短編集。 冒頭の「天国の鬼」からして胸が痛い。 どこまで読んだらほっとできるのだろうと思いながら次々と読んでもつらいばかりで呆然とする一冊だ。 愛人業で富を得た若く美しい女が無垢な少女に恋焦がれる「金色」。 娘が女になるのを許さない母親を描いた「泥梨の天使」。 どれもふとしたきっかけで狂気じみていく女たちを、目を逸らすなとばかり突きつけてくる。

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2021/12/16

愛の水準と生活の水準は、不思議な関係を持っている。自分にしかわからない水準に縋りついて生きている女性たちにとって、全てを崩壊させるのは、愛のようなもの。 愛と生活が崩れ去った後、何が残るのか。それは、極めて純粋な意味での「自分」ではないだろうか。

Posted byブクログ