言の葉の森 の商品レビュー
韓国の翻訳家・作家のチョン・スユンさんによる、『万葉集』や『古今和歌集』などの和歌65首をめぐるエッセイ。 百人一首や学校の授業で習った有名な和歌ばかりですが、今まで持っていた和歌のイメージと違い、とても透明感があって時空を超えて現代にやってきたように感じるのがとっても不思議!...
韓国の翻訳家・作家のチョン・スユンさんによる、『万葉集』や『古今和歌集』などの和歌65首をめぐるエッセイ。 百人一首や学校の授業で習った有名な和歌ばかりですが、今まで持っていた和歌のイメージと違い、とても透明感があって時空を超えて現代にやってきたように感じるのがとっても不思議! まず最初にハングル訳と共に和歌が横書きに書かれているのもとても新鮮で、言葉がより今に近く感じられます。 チョン・スユンさんの韓国での生活の中でこの和歌から感じられる想いはとても興味深く、チョン・スユンさんの感想は何となく授業で教えこまれたような日本人の私たちの感想とは違ってキラキラして新鮮に感じました。 ハングル訳の朗読をぜひ聴いてみたいなと思いました。
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韓国人翻訳者が日本の萬葉集や古今和歌集などから取り上げた和歌と自身のエッセイを交えた読み物。 まず、外国人が日本の古い和歌に興味を持っていること。とて嬉しい。 「ながらへば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ 今は恋しき」P74 辛いことがあっても、生きていればいずれ過...
韓国人翻訳者が日本の萬葉集や古今和歌集などから取り上げた和歌と自身のエッセイを交えた読み物。 まず、外国人が日本の古い和歌に興味を持っていること。とて嬉しい。 「ながらへば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ 今は恋しき」P74 辛いことがあっても、生きていればいずれ過去になる。そんな時、振り返ってみれば、懐かしく思えるようになっている。いつの間にか。 これは好きな歌。 P110 「はるかなる 岩のまざまに ひとりいて 人目思はで もの思はばや」 里から遠く離れた岩の間で身を隠し、人目気にせず物思いにふけりたい。 とても分かる。この気持ち。 ドキドキした恋ごころを1人でこっそり、しかしダイナミックに感じたいのだ。 P143 「いけるもの 遂にも死ぬる ものにあらば この世なる間は 楽しくあらな」 この気持ちも分かる。生まれてきたものは必ずいつか死ぬ。遅いか早いかで。 有限の命なのだから、せめてこの世では楽しく過ごしたいものだ。 人生を達観しているな。その俯瞰した目線、仏らしさを感じる。 P224 「世の中は なにか常なる あすか河 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる」 平家物語の序章 祇園精舎の鐘の声〜 でもあった。諸行無常。の理が和歌でも歌われている。 人も物も変わっていく、留まっていられない。 不可能に思えるものでも、着手さえしてしまえば先へ先へ進んでいく。 淵に渦巻いていた水がいずれ急流になって川を下るように。 最後の一首は応援歌のようだな。 夢に向かって努力しよう。努力は人を裏切らない! ဗီူဗီူ ဗီူဗီူ
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一気に読みきれなくて、積読を繰り返していた。今日訪れた敏馬(みるめ)神社に柿本人麻呂の句碑があり万葉集ゆかりの地と記されていた。道中のバスの中で、この本のページをめくりながら、家で腰を落ち着けて読めなかった理由がなんとなくわかったような気がする。 ここに登場するのは古の恋の歌が大...
一気に読みきれなくて、積読を繰り返していた。今日訪れた敏馬(みるめ)神社に柿本人麻呂の句碑があり万葉集ゆかりの地と記されていた。道中のバスの中で、この本のページをめくりながら、家で腰を落ち着けて読めなかった理由がなんとなくわかったような気がする。 ここに登場するのは古の恋の歌が大半を占める。居ても立っても居られないような心情やら、人に見られては恥ずかしいやら、こっそり涙を流す寂しさについてやら、、、どれもこれも落ち着いた雰囲気ではないのである。勿論中にはゆったりとした気分にさせられる句もあるにはあるが、人の心の移ろいを見事に切り取って歌にしたものばかり。それに短文エッセイを組み合わせ、訳された和歌がハングルで書かれているのも新鮮である。 自分の心を瞬時に和歌として吐露できることに脱帽。そして一人の相手を想って書かれた言葉は、後世にここまで「拡散」されていることにもビックリである。
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日本の小説や詩を韓国で翻訳する著者が、和歌を訳してそれにまつわるエッセイを添えた本を日本で翻訳したもの。そこに翻訳の面白さがあります。 歌から想起されるものは時代や国を超えるのか。それとも個々の人の心によるものなのか。
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1000年前のどこかの誰かも、今日の私と同じ気持ちだったのだと知るあの瞬間がとても感慨深い。和歌の醍醐味だと思う。 31音の言葉の裏側に溢れんばかりの思いがあって、それを時代や国を越えて作者に届いているということがなぜか嬉しく感じてしまった。 一見和歌の中身とは関係がないような作...
1000年前のどこかの誰かも、今日の私と同じ気持ちだったのだと知るあの瞬間がとても感慨深い。和歌の醍醐味だと思う。 31音の言葉の裏側に溢れんばかりの思いがあって、それを時代や国を越えて作者に届いているということがなぜか嬉しく感じてしまった。 一見和歌の中身とは関係がないような作者のエッセイは、独自の視点で和歌を日常に重ねていてその世界に引き込まれた。 読むのが楽しい1冊だった。
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読んでいて印象に残ったところのメモ。 「日本人は愛してると言うことは少ないけど、どうやって愛を伝えているの?」の答えが「一緒にカレーを食べると美味しいとか、今度天気のいい日にツーリングに行こうとかって言うよ」と。 私の「愛してる」は「気をつけて来てね・帰ってね」だなぁと思った。...
読んでいて印象に残ったところのメモ。 「日本人は愛してると言うことは少ないけど、どうやって愛を伝えているの?」の答えが「一緒にカレーを食べると美味しいとか、今度天気のいい日にツーリングに行こうとかって言うよ」と。 私の「愛してる」は「気をつけて来てね・帰ってね」だなぁと思った。 平安時代、女性は名前を公表しなかった。神聖なものだから。とあって、今はそんなことないやろ〜と思っていたら、そんなこと大有りであった。 大人になってから、下の名前を呼ばれることってそんなにないもんね。自分の名前をとても気に入っているので、積極的に呼んでもらおう。 装丁もすごくかわいい。 1000年前の言葉なのに、国の違う私たちをつなげてくれるなんてすごいな。同じ言葉が1000年も続いているのもすごいな。 この本は、「歌?なにそれ?」な人にもぜひ読んで欲しい。 31文字に込められた想いを自分の心に置き換えてみて欲しい。今までは気づけなかったこと、あの時の自分のこと、何か共通点を見つけられるはず。
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和歌から連想する作者の思い出や景色があたたかくて優しかった。 日本文学の翻訳を始めたきっかけなどが興味深かった。私が韓国文学に惹かれるようにやっぱり良い作品や作者は国を問わず誰の心にも響くのだな〜。
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