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残月記 の商品レビュー

3.4

226件のお客様レビュー

  1. 5つ

    37

  2. 4つ

    71

  3. 3つ

    60

  4. 2つ

    35

  5. 1つ

    9

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2024/04/24

小田雅久仁の残月記を読みました。 月に纏わる三部作で、最後の本のタイトルの残月記が五分の三を占めています。 未来の話で、月昂と言う病気が広がります。 月昂にかかると満月の日に異常に欲情して力もみなぎります。 発症すると、三年くらいで亡くなってしまいます。 政府は、捕らえて収容所に...

小田雅久仁の残月記を読みました。 月に纏わる三部作で、最後の本のタイトルの残月記が五分の三を占めています。 未来の話で、月昂と言う病気が広がります。 月昂にかかると満月の日に異常に欲情して力もみなぎります。 発症すると、三年くらいで亡くなってしまいます。 政府は、捕らえて収容所に隔離します。 主人公の冬芽は、捉えられますが、剣道をしていたのを見込まれ、コロセウムのような悪趣味な競技場で剣闘士として戦います。 なかなか面白かったです。 映画になりそうですが、かなりCGを駆使しないと大変そう

Posted byブクログ

2024/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語に引き込まれて、本を閉じることができませんでした。 短編集でよかった…長編やったら終わりでした。 そして月がふりかえる 途中で絶望して、なんとか状況変わらないかと願ったけれど変わらないまま、でも最後にぼんやりとした希望が…… こんな悪夢ある? という話でした。自分の居場所が別の誰かに奪われてしまうってあんまりじゃない? そして何よりもやるせないのが、ただの運命の悪戯みたいに意味もなく奪われてしまったこと。 天災とかよりももっとやるせないんだけど…… こんな夢を見たことがある気がする。つらたん。 月景石 【そして月がふりかえる】の余韻が残っていたのも数ページ、またあっさりと引き込まれてしまいました。 女の主人公もこんなに上手に書くのか‥天才。 夢の中で、今まで知っていたはずのことがわからなくなって不安になることがたまにあるんだけど、そんな不安をうまく表現していて引き込まれてしまった。 現代の話と大月桂樹が月にあるイシダキ達の話が交差しながら進んでいき…… 最後はどうなったの? これはハッピーエンドなの? ただ一つ言えることは、澄香は全力で生きている。 残月記 月昂という感染症が蔓延している世界の話。 月昂者は満月の時に体力的・精神的に充実し、常人の何倍もの活力を得るが、新月の時には瀕死状態になり、何%かは死に至る。 体液などからも感染するようで、月昂者は隔離施設に移され、死ぬまでその中で管理される。 これはそんな月昂者となった宇野冬芽のお話。 世界観が素晴らしすぎて、その中で冬芽と瑠香の愛が切なくて胸を打った。 最後に冬芽が「瑠芽ニ捧グ」彫刻ばかりの洞窟で瑠香を抱いて死んでいるのが発見された時、泣いちゃった。 世界をまるごと一つ彫りあげて、瑠香にそっくりあげる その約束のために、ずっと作り続けてたんだね。そのために生きてたんだね。 最後に瑠香と再会し、抱き合いながらのハッピーエンド、それはただの死ぬ前の夢だと冬芽がどこかで感じていたけど…… でも私は本当に会えたんだと思ったよ。 全部「月」以外に共通点のない話。 それなのに書き切るこの筆力はなんなんだ。 すごすぎる本当に。

Posted byブクログ

2024/04/20

初めて読んだ作家さん 月がテーマ ・そして月がふりかえる 月×パラレルワールド的な。どことなく村上春樹の1Q84を彷彿とさせる気持ち悪さ。後味がスッキリするわけでもなく。 ・月景石 パラレルワールドが融合していくのが気持ち悪かった… 急にファンタジー要素が強くて、入り込むのが...

初めて読んだ作家さん 月がテーマ ・そして月がふりかえる 月×パラレルワールド的な。どことなく村上春樹の1Q84を彷彿とさせる気持ち悪さ。後味がスッキリするわけでもなく。 ・月景石 パラレルワールドが融合していくのが気持ち悪かった… 急にファンタジー要素が強くて、入り込むのがちょっと大変だった。

Posted byブクログ

2024/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

グラディエーターとアジアの某国の情勢を足して2で割ってファンタジー風味もつけた印象の表題作。 こう書くとつまらなそうだが、情景も登場人物たちの心情もとてもイメージしやすい上に、入り込める。既存の映画作品のせいかとも思ったが、どの中編も同じなので、表現力が高いのだと思う。気がつくとムーンワールドに連れてかれている。 ファイトネームにユーモアを感じて毎度少し笑ってしまったが、ルカへのあまりに強い想いに涙腺が弛む。トウガの脳が作り出した今際の際の幻想ではなく、そこに確かにルカの魂があれば良いと願いながら聴了。 他の2編もイメージが強烈でとってもいいのだけれど、途中で終わる感じで勿体ない。 男性と女性でナレーションが別れていたのも良かったと思う。ジャスミンの香りの話はショックであった…

Posted byブクログ

2024/03/23

月にまつわる三つの話。(それぞれ別の話。)三つの話とも、その世界観に入り込むまでは、時間を要してしまったが、入り込むことができれば、とてもおもしろい。個人的には二話目の「月景石」が一番おもしろかった。

Posted byブクログ

2024/03/23

読む前と読んだあとで月に対するイメージがまるっきり変わってしまうような作品。 ちょっと自分には気持ち悪いというか怖くなってしまうような内容でした。

Posted byブクログ

2024/03/14

月にまつわるファンタジックなお話。 満月が裏返って孤独になった男、月景石を枕の下に入れて寝て異世界に迷い込む女性、ウイルスに感染して月昂者になった男、んで何の話?終始陰気で暗くて、エグくて、よう分からんくて、苦手な感じでした、、、あしからず、、、

Posted byブクログ

2024/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館にて。 「本には雄と雌があります」が大好きでずっと新刊を待っていた。 月にまつわる3作品。 連作なのかと思って読んだら全く別々の作品だった。 読み終わって、私は一体何を読んだのだろうという感想。 現実の世界に紛れている非現実というような小説は多々あるけれど、そんな生易しいものではなかった気がする。 1作目「そして月がふりかえる」の不条理な取り返しのつかないラストのぞっとする感覚。 2作目「月景石」の世界が反転し融合する感覚。 他の本では味わえない世界へ連れていかれて戻ってこれない不安を感じた。 3作目、表題作「残月記」はまた全く別の感覚。 全編から怒りを感じた。 未知の感染症、腐敗した政治、それこそ今を見ているようだ。 今の世界への怒りを置き換えて描いたものなのか。 その世界で生きた人々の緻密な描写は本当にあった出来事を記しているようだった。 ラスト、最後に行き着くのは過去に愛した女性の面影というのだけ不思議な気がした。 女性からしてみれば訳のわからない不治の病になって捕まり、娼婦にさせられて相手をさせられた客の一人というところから始まった相手、好きになってくれて大切にしてくれるのはありがたいけれど果たして冬芽と同じ思いだったのか。 こんな世界であっても女性は賞品として物のように扱われていて人としての地位は最低、ラストが美しく描かれている分ファンタジーさが際立ったし、現実的であって非現実、それまでの世界の残酷さまで浮き上がってくるようだった。 (2022.11.2電子書籍として登録)

Posted byブクログ

2024/03/08

何の本か分からずに読んだら、とんだ名作と出会ってしまった。 まず、テーマの妙。 月を題材にすること自体は珍しくないだろうが、月を美しいものではなく得体の知れない不気味さを持つものとして描いた点で逆転の発想が面白いと思った。 次に物語の妙。 終始どこかすっきりとさせない描写...

何の本か分からずに読んだら、とんだ名作と出会ってしまった。 まず、テーマの妙。 月を題材にすること自体は珍しくないだろうが、月を美しいものではなく得体の知れない不気味さを持つものとして描いた点で逆転の発想が面白いと思った。 次に物語の妙。 終始どこかすっきりとさせない描写も質量も上手いと思った。物語の影があるからこそ人間の希望や愛が色濃く浮き出すというような具合だ。 主人公らは陥った境遇に対して、幸運を発揮するものの、決して事態を覆すことはできない。その姿に心臓を掴まれる思いがする。

Posted byブクログ

2024/03/04

好きな雰囲気の作品のはずなのだが、なんだか読みにくかった。没入できず何度も途中で休憩した。 高級なホテルのラウンジで、香り高い紅茶を飲みながら、繊細で上品な男性が柔らかな口調で読み聞かせしてくれるのを聞いてるような気分になってしまった。 文章はとても丁寧で美しく、表現や言い回し...

好きな雰囲気の作品のはずなのだが、なんだか読みにくかった。没入できず何度も途中で休憩した。 高級なホテルのラウンジで、香り高い紅茶を飲みながら、繊細で上品な男性が柔らかな口調で読み聞かせしてくれるのを聞いてるような気分になってしまった。 文章はとても丁寧で美しく、表現や言い回しが素敵な為、メモを取った箇所が何箇所もあった。にも関わらずイマイチ感情移入が出来なかったのは、私には少し上品すぎるからかも知れない。 確認するために、今から同じ作者の「禍」を読むことにする。

Posted byブクログ