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平場の月 の商品レビュー

3.9

68件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

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2024/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

静かに人を思う大人の恋愛。 寂しいから、辛いからとすぐに人に寄りかからない2人のなかなか進まない感じも、50代の大人同士ならでは。 結末が分かって始まってるのに胸がきゅうきゅうと苦しくて切ない。でもどこか暖かくてとても良かった。 人は誰でもいつか死ぬ。そんな当たり前のことをあらためて考えずにはいられない。 安易にドラマチックな展開にしないのも良し。もう一冊読んでみたくなる作家さんでした。

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2024/10/02

胃の検査の為に行った病院の売店で中学の同級生で当時ちょっと気になる存在だった須藤と再会した青砥。互いに離婚や死別を経験し今は独り身の50歳。 焼き鳥屋さんで久々に飲んでる時の会話がいかにも地元に帰ってきた同級生同士て感じ。最初はぎこちなくて、でも同級生の話になると一気にその当時...

胃の検査の為に行った病院の売店で中学の同級生で当時ちょっと気になる存在だった須藤と再会した青砥。互いに離婚や死別を経験し今は独り身の50歳。 焼き鳥屋さんで久々に飲んでる時の会話がいかにも地元に帰ってきた同級生同士て感じ。最初はぎこちなくて、でも同級生の話になると一気にその当時に戻ってしまい、そのうちお互いにこれまで経験して来たあれこれを話してるとそんな苦労があったのか…なんて空白を埋めていくような…。 須藤が進行性の大腸癌だと発覚してからの青砥はすごく優しかった。「須藤一緒にならないか?」と言われて「それ言っちゃあかんやつ」と答えた須藤の気持ちはわからないでもないけど切ないな〜。きっとね、また1人ぼっちにさせてしまうかもしれないって思ったんだよね(泣) でも青砥はそこまで状態が悪いと思ってないからひたすら須藤を待ってるわけで…。そんな青砥にも泣けてしまって…。 2人とは年齢も近いし、出てくる場所もすぐ近く。なので何だか自分の同級生の切ない恋物語を見ているようでした。

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2024/09/28

大人のそれぞれに歴史のある同級生2人のひっそりとしただけどしっかりとした恋。 いい感じで、お互いを気遣っていた。 ほのぼのいい本だった。

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2024/09/16

2019年第32回山本周五郎賞 2019年北海道ゆかりの本大賞 映画化決定で良いのかな 小中学校の同級生が 50歳を超えて  それまでのそれぞれの人生を過ごしてきた後 地元で再会する 男は離婚して 実母の介護の為 地元に帰る 女は 夫を亡くした後 若い男に貢ぎ込み 地元へ帰っ...

2019年第32回山本周五郎賞 2019年北海道ゆかりの本大賞 映画化決定で良いのかな 小中学校の同級生が 50歳を超えて  それまでのそれぞれの人生を過ごしてきた後 地元で再会する 男は離婚して 実母の介護の為 地元に帰る 女は 夫を亡くした後 若い男に貢ぎ込み 地元へ帰っていた 二人の再会のきっかけは 病院での検査 50歳のリアリティ 思い出せば、中学の頃から気になる存在 二人は 恋愛ということでもなく そばにいて欲しい存在となりつつあった 人生の平場での拠り所 この男性の関わり方は、素敵でここまで苦労してきたのかもねと思わせる この寄り添いすぎない女性の気持ちはよくわかる 誰かに心配されたりするのが苦手 居て欲しい時にいてくれる 話したい事を聞いてくれる ありそうでなかなかこんな出会いはないですね

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2024/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつもの自分なら絶対読まなかったであろう本。 難病モノで、作者自身も言っているらしいが、片山恭一原作を行定勲監督が映画化した「世界の中心で、愛をさけぶ」の中年版。 興味を持ったのは、大森望・豊﨑由美の「文学賞メッタ斬り!」で、冒頭部が朗読されていて。 〈病院だったんだ。昼過ぎだったんだ。おれ腹がすいて、おにぎり喰おうと思ったんだ。おにぎりか、菓子パンか、助六か、なんかそういうのを買おうと売店に寄ったら、あいつがいたんだ。おれすぐ気づいちゃったんだ。あれ? 須藤? って言ったら、あいつ、首から提げた名札をちらっと見て、いかにも、みたいな顔してうなずいたんだ。いかにもわたしは須藤だが、それがなにか? みたいな。〉 という出だし。 この冒頭の文体は作中でも珍しい水準で青砥に寄り添っている。 さらに第1章の須藤の台詞、 〈「あそこの駐車場のあのあたりをわたしの領土としたんだ」〉 で、読み続ける決意をした。 さらに、第2章の冒頭、 〈病院だった。昼過ぎだった。青砥は腹がすいていた。そういうことにしたかった。〉 という文で、時間軸が前後しており、記憶と回想を巡る小説でもあるとわかった。 こういう企みがあって、小説として機能しているからこそ、陳腐な物語に魔法がかかったのだと思う……小説の勝利。 また、なぜ須藤がそこまで「かたくな」だったのか? をめぐる謎を巡る小説でもあり、巧み。(ブクログでは省略するが、須藤の親への屈託が後半に語られる。) さて映画化が決まっているというが、どうなるか。 入院のお見舞いとして、サンカクヘッドの漫画「干物妹!うまるちゃん」が選ばれているのが、ピンポイントに謎セレクトで笑った。

Posted byブクログ

2024/08/20

一気に読み進めてしまった。悲しい、切ない感情だけが残る。朝倉かすみさんは、初めて読んだけど、表現がとてもリアルで、目の前にその状況が浮かんでくる。とても面白かった。

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2024/07/11

中学卒業以来、50歳を過ぎた二人が再会します。どこにでもいそうないい大人の二人の物語です。題名どうりにほんとに平場の生活がそこにありますが、失って初めて思いが次から次へと溢れることになります。読み終わった後、もう一度一章二章を読み返しました。

Posted byブクログ

2024/06/29

50代のリアルな生活、人生。そこには50代ならではの体力の衰え、病気、介護、親の死、セックス、などリアルな日常が描かれている。青砥と須藤の2人の物語。読了後にじわじわ沁みました。大人の事情で辛いですね。相手を思いやるが故にだけど、もっと互いに熱く生きてもいいのではと思ったり。

Posted byブクログ

2024/06/25

作者 朝倉かすみ氏のご母堂が、膵臓ガンだったと,最後の解説に掲載されていた。 早期発見で、ガンは治ると言われるが,寿命が延びて,50、60代、仕事も充実期。 痛みもなく、忍び寄る病魔は、発見される時には、既に遅しとなる。 この小説で、「大人の恋」のように書いてあるが、……中...

作者 朝倉かすみ氏のご母堂が、膵臓ガンだったと,最後の解説に掲載されていた。 早期発見で、ガンは治ると言われるが,寿命が延びて,50、60代、仕事も充実期。 痛みもなく、忍び寄る病魔は、発見される時には、既に遅しとなる。 この小説で、「大人の恋」のように書いてあるが、……中学の同級生だった時に、ほのかな恋心を抱いた2人。 もう、共に50歳になり、バツイチで独身! 若かった時には、色々あってやっと、自分の本音で、恋愛出来るようになった矢先、ガンが発見! 若き日のほのかな思いが蘇り、居なくてはいけない存在になって行く。 ストーマという人工肛門も、ガン摘出手術で、しなければいけない。 成功だけでなく、その設置や処理の難しさも、描かれている。 精神的なものはもっと、深いと、思う。 私も、50代であったが、癌では無かったが、手術をした。 3回目の手術の時には、同室の老齢の女性が,糖尿病悪化などで、足を切断されていた。 切断されたのに、その足が,痛い!!!と、ベルを慣らして、看護師と、主治医を呼ぶのには、驚きを感じた。 足があるという幻覚に、痛みが重なりあって、夜中に目覚めるらしい。 結局、部屋は変わられたが、私の描いたヒマワリの絵が欲しいと、言われ、拙い絵を差し上げた。 本の登場人物は、ガンになっても、思ってくれる友人や恋人が、傍にに居てくれるだけでも、安心感が違うだろう。 自分が、病気で、終末を迎えるなら、やはり、悔いのように、須藤葉子さんも、青砥さんに会うべきだったのでは……。 自分も、手術や入院を体験しただけに、ちょっと切なく、辛い話の小説だった。

Posted byブクログ

2024/03/16

五十歳で再会した小中学校の同級生の男女の物語 この年齢だからこその、気持ちの動き、関わり方。 相手の気持ちを思いやるということの難しさ。 言葉の裏の気持ち。 淡々と進む2人の関係に切なくなります。

Posted byブクログ