君の名前の横顔 の商品レビュー
ファンタジーだった。 急に無くなってしまうものがある。 ジャバウォックが盗むから。 ジャバウォックって何だろう?と楓(冬明の義理の兄)が探る。 探り方がとても優しい。 境遇の複雑な家族。 SNSの悪意に追い詰められ自殺した父親。 ジャバウォックは、昂揚した議論のたまもの。 この世...
ファンタジーだった。 急に無くなってしまうものがある。 ジャバウォックが盗むから。 ジャバウォックって何だろう?と楓(冬明の義理の兄)が探る。 探り方がとても優しい。 境遇の複雑な家族。 SNSの悪意に追い詰められ自殺した父親。 ジャバウォックは、昂揚した議論のたまもの。 この世界に実在する怪物を言い表している。SNSで、大勢の人たちが昂揚した議論を交わし、そして誰かを攻撃する。巨大だけれど実態がない。怖しい怪物。 アリスが出てきてますますファンタジー色が強くなりびっくりした。 ジャバウォックは、鏡の国のアリスに出てくる怪物。 千守がとても良い友人で良かった。 冬明の話かと思ったが、この本は楓の話だった。 産みの母親のことは、本当にショックすぎて辛い。 乗り越え方が大人ですごい。 家族の愛を感じた。良書。
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内容はともかく、ここまで空想の世界を広げられる、その創造力にびっくり。ジャバウォック、確かにいる。誰もが、簡単に自分だけの正義・常識を振りかざし、手にしたSMSという武器で世界を壊している。
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「刷り込まれた常識」が「正義」に化けるとき、世界から何かが喪失する 奪われた大切なものを取り戻す兄弟を描くローファンタジー 愛して壊したくないが故に、お互い慎重なスタンスを保とうとする彼らの純粋さが胸を打つ良作品です 果たして本当にファンタジーと言い切れるのか? 自分もロ...
「刷り込まれた常識」が「正義」に化けるとき、世界から何かが喪失する 奪われた大切なものを取り戻す兄弟を描くローファンタジー 愛して壊したくないが故に、お互い慎重なスタンスを保とうとする彼らの純粋さが胸を打つ良作品です 果たして本当にファンタジーと言い切れるのか? 自分もロストして全く解らない側の人間かも知れない 怪物(ジャバウォック)の定義が長い それ以外は推しです
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河野裕さんの新刊! 名前がある事で視点が定まる でも、視点が定まりはするけどその名前がついてるものの全てを表現してる訳じゃ無い だから横顔もある スピッツの歌詞の話すごい好き
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
家族とは、血のつながりとは、そして捨てるべきものとは。 SNSによる中傷で追い詰められた父親が自死したあと、義母と弟と距離をとって生きる大学生の楓。 それなりにうまくいっていた「家族」。だけどそこには向き合わねばならないある現実があった。 誰にでもある、見たくないもの消してしまいたいもの。 でもある日突然、何かが無くなり、世界が少し変わっていたら…足元が揺らぐような、腕に鳥肌が立つような、得体のしれない恐怖を感じるこの設定。 半分血のつながった弟と、義母。少し欠けた家族の中で、楓が立ち向かうべき「敵」。 ニュースを見ていてよく耳にする「バールのようなもの」。よく聞くけれど、その実態は見たことがない。知っているのに知らないもの。そのバールのようなものがこんな壮大な一つの物語になるなんて。 何かを手に入れるためには何かを捨てなければならない。受け取るためにはその手をカラにしなければならない。そして私たちはいつも、新しい何かを築くために、壊していくのだろう。バールのようなもので。 楓の決断を、その勇気を、私は確かに受け取った。
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家族の絆を描いたとても良い作品でした。ファンタジー的な要素もあり『鏡の国のアリス』のジャバウォックも出てきたり、図書館での幻想的な世界観もあり家族とはもう一度考えさせる感動作でした。
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