君の名前の横顔 の商品レビュー
河野さんっぽいファンタジー。 最初はファンタジー要素なしかと思ってたらいつも通り異世界出てくる。 まあ、読後感は悪くない。読みやすい。
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読み始めのと途中からの雰囲気がガラッと変わります。読み進めるにつれ、哲学的でファンタジー要素有りの、どこか純文学風だったので、あやうく脱落しそうになりました。登場人物の感情や思想の表現が、え?つまりどいういこと??と、ついていけない部分があり、それが数ページ続くとイライラしました...
読み始めのと途中からの雰囲気がガラッと変わります。読み進めるにつれ、哲学的でファンタジー要素有りの、どこか純文学風だったので、あやうく脱落しそうになりました。登場人物の感情や思想の表現が、え?つまりどいういこと??と、ついていけない部分があり、それが数ページ続くとイライラしました。 村上春樹のような小説が好きな人なら好きかもしれません。
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小学生のころ、自分の考えていることが言葉にできなくて、無性に腹が立って悔しくて泣いた涙を、大人が違う意味に捉えて更に苦しくなる。 そんな経験を思い出した。 河野裕の小説は、小学生だったり、中学生高校生、大学生だった時の、かつて経験したもどかしい感情が言語化されていて、ふと懐...
小学生のころ、自分の考えていることが言葉にできなくて、無性に腹が立って悔しくて泣いた涙を、大人が違う意味に捉えて更に苦しくなる。 そんな経験を思い出した。 河野裕の小説は、小学生だったり、中学生高校生、大学生だった時の、かつて経験したもどかしい感情が言語化されていて、ふと懐かしくて心に痛い感情を思い出させる。 小学校から帰ってきた息子が、クラスになじめないのか、時折頭痛がするといって早退すると、自分も会社を早退せざるを得なくなる。 「ジャバウォックが絵の具を一本、取っていったんだ。」 「その絵の具は、もともと12本入りだったでしょう」 子どもは思い込んだ自分の作り上げた世界と現実との違いのどちらが正しいのかの判断がまだできないのだ。 世の中にある現象についての語彙が足りないから、それを何なのかの説明がまだできない。 いつか私にも息子の言っていることが一般的な用語になって理解できる日が来るはずだ。 「今日もジャバウォックが絵の具を取って行っちゃった」 「もともと、11本入りの絵の具セットだったでしょう」 工務店の営業として働く三好愛には、息子の冬明がいる。 冬明の話し相手になってくれる牧野楓は、もともとは再婚相手の連れ子だった。 しかし五年前、その再婚相手が自殺したことから、それぞれ名字が戻ることになった。 子どもにとって息苦しいこの世界を、大人が分ってくれないことは分かっている。 その苦しさを忘れるために、ジャバウォックが世界からその概念を消し去ってしまえば、世界のだれもが忘れてしまう。 ジャバウォックに悩む冬明は真面目に聞いてくれる楓に相談する。 ちょうどそのころ、冬明はアリスに出会う。 彼女はジャバウォックに名前を奪われて、この世界と捨てられたモノの世界を行き来しているという。 「可能性を失い続けることこそが時間の本質といってよい」 成長とは何だろう。 自分ができる領域が広がる半面、本当はできた可能性を切り捨てるという両面を、成長という言葉は含有しているのではないか。
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歪んだ正義・常識という、積もり積もった偏見の塊、孤独な怒りなどによって生み出され、大きくなった化け物、「昂揚した議論のたまもの」ジャバウォックに、時に抗い、時に受け入れ、自己を受け入れていく物語。 価値観のスクラップアンドビルド、ジャバウォックの退治を彼らは「家族」というキーワ...
歪んだ正義・常識という、積もり積もった偏見の塊、孤独な怒りなどによって生み出され、大きくなった化け物、「昂揚した議論のたまもの」ジャバウォックに、時に抗い、時に受け入れ、自己を受け入れていく物語。 価値観のスクラップアンドビルド、ジャバウォックの退治を彼らは「家族」というキーワードで図った。 翻って、僕にとってのスクラップアンドビルドとなる 作中でいう「バールのようなようなもの」とはなんだろうか。 そんなことを考えさせられた。
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哲学的な話。 人間の記憶がどうして忘れるのか、忘れた記憶はどこに行くのか 的なことを「鏡の国のアリス」を題材にパラレルワールドで表現してる感じ?? PTSDやトラウマを怪物を用いて表現してる??
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❇︎ 横顔 1. 横から見た顔。横向きの顔。 2. 意図的に横に顔をそむけること。その顔。 3. ある人物の日常的な、あるいは、 あまり人に知られていないような一面 (新語新知識) 10歳の少年で弟 冬明 20歳の青年で兄 楓 冬明の母で楓の義母 愛 愛の夫、冬明と楓の...
❇︎ 横顔 1. 横から見た顔。横向きの顔。 2. 意図的に横に顔をそむけること。その顔。 3. ある人物の日常的な、あるいは、 あまり人に知られていないような一面 (新語新知識) 10歳の少年で弟 冬明 20歳の青年で兄 楓 冬明の母で楓の義母 愛 愛の夫、冬明と楓の亡くなった父 英哉 父はSNSの過激で執拗な誹謗中傷が原因になり 5年前に亡くなった。 変わってしまった世界の中で、 シングルマザーになった愛は工務店で営業の 仕事をしながら一人で冬明を育てる。 不調を訴え徐々に学校に行けなくなる冬明。 原因を訪ねる楓に冬明はジャバウォックがいて 騒ぐと頭が痛くなるからと説明する。 ジャバウォックは、得体の知れない怪物で 楓が教えてくれたと告げる。 ジャバウォックの正体を調べる楓は、 5年前に何かが欠けてしまった事が原因では ないかと考え始める。 見えない世界から突きつけられる理不尽な力、 自分本意な正義をかさにした大きな唸り。 家族に感じること、親子の愛情、子と親の関係、 友情や恋、想像力に欠けた無自覚な悪意の矢は、 時に大きく世界を歪めて変えてしまう。 楓、冬明、愛の感情が交差する中、大切なことが 欠けてしまった世界は元の姿をとり戻せるのか。
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常識とは何か。例え周りの人よりも何かが欠けていようとも、受け入れ新しいものを獲得していくことが大切なのかなと思った。
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不思議なお話だけれど、現実的でもある。 文体は好きだけれど、ちょっと中たるみした部分もあった。 パラレルワールドに入り込んだみたいでちょっとこんがらがった。。。 大沢夫妻と有住梓がいい仕事してる
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哲学的な小説で、ちょっと何言ってるか分からない的な表現が多いのがイラっと来る。 若干、いや大いにファンタジーの世界観で不思議の国のアリス、いや鏡の国のアリスのモチーフがベースとなっており、ずーっとジャバウォックが登場する。完全なファンタジーとして読んでいる分にはそういう話なんだと...
哲学的な小説で、ちょっと何言ってるか分からない的な表現が多いのがイラっと来る。 若干、いや大いにファンタジーの世界観で不思議の国のアリス、いや鏡の国のアリスのモチーフがベースとなっており、ずーっとジャバウォックが登場する。完全なファンタジーとして読んでいる分にはそういう話なんだと理解できるが、一般小説として読むにはあまりに荒唐無稽でローカルな話なのかワールドワイドな話なのか作者はどこまでの影響を考えているのかよくわからない仕様を押し付けられた感で不満が残る。 発想や着眼点は面白いのだが、やってることは目の前のことだけしか見てはいけない物語なので相当頭をフレキシブルにして読まないと挫折してしまう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「読」 ファンタジーが苦手。 事前情報なしに手に取った本。いや、出版社のレビューくらいは読んだかも。 だから「普通の」小説だと思っていたのに、途中でファンタジー?っぽくなって放り出したくなった。 『鏡の国のアリス』に出てくる怪物「ジャヴァウォック」からして、この子はどうしちゃったの?としか思えない。途中、延々と続く説明部分では、めったにないことだけど放棄しようかと思った。帯にあるように、「現実と空想が織り交ざったような世界観が儚く優しく美しい」とか全然思えずに、自分の感覚を嘆いたり。 ただ後半、キササゲの正体がわかってからは一気に読めた。 テーマは「受け入れる」ってことなのかな? 「ある事象を受け入れることで自分の中に取り込んでフラットな状態にする」という感覚は、よくある。フラットにしすぎて、その痕跡を忘れてしまったりするけれど。 p50 フェアな姿勢ってのは、知性が生むものだと、オレは思っている。 p165 「そんなの、できますか? 夫婦での、不安の分割なんか」 p181 体形をあだ名にしちゃいけないってのは、正しいことのような気がする。それで傷続く人を想像できるから。でも「太っている人への偏見」みたいなものをそのままにして、あだ名だけ規制するっていうのは、たしかに臭いものにふたをしているだけなのかもしれない。 ↑ これ朝井リョウの『正欲』に通じる。 ・唐突に中学時代を思い出した。 私は美術が好きで、校内の写生大会では入賞していたのだけれど、当時の美術の先生が「黒い絵の具を使うな」とよく言っていた。なのに私は電線の色に黒を使う。結果、注意を受けてその一点で(先生がそう言った)入賞できなかった。 そんなことを思い出した。 p245 「すべての色は、赤と、青と、黄色と、あとは白の絵具だけあれば作れます。できるだけこの四つだけを混ぜて表現しなさいと、私はいつも言っているよね?でもここには、紫の絵具を使ったでしょう」 p260 「ジャヴァウォックのルールに逆らうのを諦めて、受け入れてしまうと、私もあちら側に立つことになる。実際、私があの奇妙な音と頭痛から解放されたのは、はっきりとジャヴァウォックの仲間になったときだった。つまり私はあるとき、自分の意思で--正義感みたいなもので、あることを非難して、ジャヴァウォックを呼び寄せたんだ。~」 p341 「まるで楓は僕自身みたいだ。あの子が怪我をしたときに、僕の身体から血が流れないのが不思議なくらいだ。なんだか僕は、あの子に僕のすべてを押しつける権利を持っているような気がするんだよ。あの子の価値観だとか、善悪の基準だとか、そういうものを自分のことみたいに、みんな決めてしまっていいような気がする」 「うん、そんなわけがない。まるで自分みたいなあの子を、自分とは違う人間として愛さなければいけない。その愛の獲得が、つまり親になるってことなんじゃないかな」 p345 「愛情を解体しないといけないんだよ。それは新しい家を建てる前に、古い家を更地に戻すようなことなんだ。バールで壁や柱を打ち壊すようなことなんだ。その場所に正常な愛情を築くために、知らないうちに生まれていた歪な愛情を解体しないといけないんだ」 p352 「貴方も冬明も、どちらも大切で、順番なんてつけられない」 「本当に、できるなら、私はそう言いたい」 「でも、ただ言いたいだけだ」 p361 「オレが本当に受け入れないといけなかったのは、あの人が嫌いだって気持ちの方だったじゃないかと思うよ。オレは別に、血の繋がる母親が本当に大嫌いで、心底恨んでいたってよかったんだ」
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