雪見酒 の商品レビュー
酔いどれ小藤次”も、はや二十一巻。長期シリーズの宿命とも言えるマンネリ感は、正直に言えばある。だがその「お約束」こそが、この物語の土台だ。読者は安心して暖簾をくぐり、いつもの顔ぶれに会い、いつもの調子に身を預ける。まるで馴染みの居酒屋のように。 前巻まで物語の軸にあった子次郎は...
酔いどれ小藤次”も、はや二十一巻。長期シリーズの宿命とも言えるマンネリ感は、正直に言えばある。だがその「お約束」こそが、この物語の土台だ。読者は安心して暖簾をくぐり、いつもの顔ぶれに会い、いつもの調子に身を預ける。まるで馴染みの居酒屋のように。 前巻まで物語の軸にあった子次郎は、薫子姫とともに三河へ移り、鼠小僧騒動も一応の決着を見た。平穏が戻ったかに思える。だが小説である以上、波風は立つ。今回の騒動は、二振りの名刀・井上真改をめぐる因縁だ。 ひとつは尼崎藩松平家伝来の菊紋井上真改。もうひとつは出羽米沢新田藩が騙し取られた上杉井上真改。名刀はそれだけで物語を呼ぶ。刀は人を斬る道具であると同時に、欲望を映す鏡でもある。 舞台は江戸・芝口橋近く。紙問屋・久慈屋の店先で研ぎ仕事に精を出す小藤次と駿太郎父子。穏やかな日常の光景に、ふいに影が差す。現れたのは相良大八こと野尻誠三郎。貧弱で頼りない風貌。だがその外見に油断した者は、妖剣の餌食となる。 この男、名刀に取り憑かれた蒐集家である。そして彼の狙いは、駿太郎が持つ名刀・孫六兼元。静かな研ぎ場に、ぴんと張り詰めた殺気が漂い始める。 本作の魅力は、派手な立ち回りよりも、その前段にある緊張の醸成にある。酒に酔い、ぼやき、飄々と暮らしているように見える小藤次だが、刃が絡むときの勘の鋭さは衰えない。日常と非日常の落差が、シリーズならではの滋味を生む。 確かに大きな構図は変わらない。だが名刀をめぐる欲と執念は、巻を重ねても色褪せぬ火種だ。安心の中に潜む一閃。その切れ味こそが、『雪見酒』の読みどころである。
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本書において数度の修羅場を切り抜けた駿太郎君が晴れて元服し、もはや父 小籐次と並び立つような立派な若武者になりました。 ということで、このシリーズも終わりが近いことを実感します。 それにしても久慈屋の奉公人は皆気が効く人ばかりで、さりげない気遣いが自然にできて素晴らしい。
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駿太郎へと世代交代を促す巻のようです 駿太郎の背後に空也がちらほら浮かぶのは仕方なしですよね。道場を継ぐのかなぁという将来、将軍から拝領の刀。最強の兄弟になりますね〜
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通算だと40巻目かな。駿太郎、数え14歳になり元服。中1ね。そろそろこのシリーズも終わらせるかしら、佐伯さん。もういいんじゃないかと思います
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年の瀬降り続く大雪の江戸。駿太郎の剣を狙った男が番屋へ。仲間を殺し逃亡した男の狙いは。元服する駿太郎と老いを実感する小籐次。次巻は旅に出るみたいですね。しかしまぁ14歳にして強すぎる。大雪の江戸を見てみたくなりました。
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【名刀・井上真改はどこにある? 900万部人気シリーズ最新刊】仲間を殺し逃げた浪人が残したのは、伝説の名刀・井上真改。どこから盗んだのか? 真相に迫りつつも、息子の元服が気になる小籐次。
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旧シリーズで19作、新シリーズで21作目、遂に40冊となり、内容も老いてきた主人公から義理の息子の駿太郎に移ってきた。今回も戦いは小藤次では無く、息子のあっけない戦いだけだった。13才での戦いが、年を明けての14才の元服騒ぎ。そろそろシリーズも終わりに近づいたと思ったら、最後に次...
旧シリーズで19作、新シリーズで21作目、遂に40冊となり、内容も老いてきた主人公から義理の息子の駿太郎に移ってきた。今回も戦いは小藤次では無く、息子のあっけない戦いだけだった。13才での戦いが、年を明けての14才の元服騒ぎ。そろそろシリーズも終わりに近づいたと思ったら、最後に次への新展開が起きてしまった。簡単には終わらせてくれないようだ。
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