庭仕事の真髄 の商品レビュー
さまざまな研究や実例をもとに、庭仕事で自分を取り戻した人びとの物語を描いた全英ベストセラー。これまでに類を見ないガーデニングの本だ。資料あり、園芸あり、文学、歴史ありの本書は、各章で参考文献や素晴らしい着想を示し、魂に栄養を注いでくれる。 本書は庭を耕し、植物を育てる特別な喜びに...
さまざまな研究や実例をもとに、庭仕事で自分を取り戻した人びとの物語を描いた全英ベストセラー。これまでに類を見ないガーデニングの本だ。資料あり、園芸あり、文学、歴史ありの本書は、各章で参考文献や素晴らしい着想を示し、魂に栄養を注いでくれる。 本書は庭を耕し、植物を育てる特別な喜びに関する人生を肯定する研究だ。自然とガーデニングが精神の健康に与える影響を、著者が心からあふれ出る言葉で主張する。神経科学上の研究と園芸療法を通じて症状が回復に向かった患者の記録にもとづいている。ガーディアン 園芸が持っている癒しの効果を賢明で洞察力あふれる著者が雄弁に魂をこめて論じる。今日の不安な時代に求められている良書。不調の時にどう対処するのか、 読者一人ひとりに適切な展望を示してくれている。 科学としていまだに揺れている精神医学と、太古からあるガーデニングが魅力的に重なり合う。 スチュアート・スミスは科学に裏づけされた洞察力で 自然の持っている癒しの効果を見せてくれる。楽しく読めて、心安らかになる本。ウーマンズ・ワールド 心が躍る、刺激的で、非常に感動的な文章だ。著者は園芸療法の研究を通じて、私たちがどれほど自然と深い関係にあるのかを明らかにしていく。そして、自然と切り離されてしまうことが危険なことで、自然からいかに多くの回復力を得ているか、活気に満ちた思いやりのある言葉で語り、読者に土に触れようと忠告する。 イザベラ・トゥリー『英国貴族、領地を野生に戻す』
Posted by
「幻想の体験は、失望や現実の厳しさに耐えるための、将来必要になる能力をしっかり支え、自己信頼と希望の源となるということだ。庭においてもまた、「ほどほどの母親」のように、 母なる自然は人間に惜しみ なく与えてくれているにもかかわらず、人間の力には限界があることに気づかせるのを決して...
「幻想の体験は、失望や現実の厳しさに耐えるための、将来必要になる能力をしっかり支え、自己信頼と希望の源となるということだ。庭においてもまた、「ほどほどの母親」のように、 母なる自然は人間に惜しみ なく与えてくれているにもかかわらず、人間の力には限界があることに気づかせるのを決して怠らない。人間は幻想を持つことは許されているが、それは長期にわたるものではないし、庭仕事をすっかりだめにしてしまう害虫はもちろん、強い風や日照り、霜などの厳しい現実の中で何とかやっていくことができるだけの幻想だ。さまざまな物事の全体の計画の中のどこに人間がいるのかを、このようなつらい現実は知らせているのだが、確かに自尊心は庭師の感情面で大事なものだが、傲慢という雑草は庭師の心の中にそれほど普通にあるわけではない。」
Posted by
人と庭がどのように相互作用し、影響していくか、様々な事象やエビデンスを元に、この本は綴られる。個人的な体験が、一気に俯瞰へと変わり分析し、そしてまたクローズアップされる。終始、この本はそれを繰り返す。 そして、庭というものはなくてはならない存在であることを、遺伝子レベルで伝え...
人と庭がどのように相互作用し、影響していくか、様々な事象やエビデンスを元に、この本は綴られる。個人的な体験が、一気に俯瞰へと変わり分析し、そしてまたクローズアップされる。終始、この本はそれを繰り返す。 そして、庭というものはなくてはならない存在であることを、遺伝子レベルで伝えようとする。庭作りに全く興味のなかった私が、会社の昼休みに、ふと野に咲く花に意識を持つようになった。人間は、肉体と精神だけでなく、おそらく、自然もその、自分を形成するテリトリー内なのであろう。
Posted by
よく考えたら、著者が精神科医なんだから当然なんですが、もっと現代の地球環境問題への対処としてのガーデニングを説いているのかと思いきや、心理とか精神といったスピリチュアルな内容であった。地球環境問題に関与する仕事がしたい自分には、少し後回しでも良いかと思った。んが最終章はとても参考...
よく考えたら、著者が精神科医なんだから当然なんですが、もっと現代の地球環境問題への対処としてのガーデニングを説いているのかと思いきや、心理とか精神といったスピリチュアルな内容であった。地球環境問題に関与する仕事がしたい自分には、少し後回しでも良いかと思った。んが最終章はとても参考になった。ミニマムにスポットを当てることも大事だと。
Posted by
なぜ土に触れて癒されるのか。不安な時代、不調の時にどう対処するのか。心理学、精神科学を交えた記録の数々。「今年何を読むべきか2020年」に選出された1冊。S
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ガーデニングをとても幅広い視点から眺め、深い考察を加えた作品で、多くの示唆を受けました。読み応えがあり、静かな感動を覚えました。スー・スチュアート・スミス作、和田佐規子訳「庭仕事の真髄」、2021.11発行、368頁。塹壕ガーデン、刑務所でのガーデニング、病院の庭の役割・・・、自然と庭と人間の精神のつながり。庭仕事の深層を描いた全英ベストセラーだそうです。ガーデニングは自然との対話、五感のすべてが活性化する。庭の3つの効果は、太陽光、運動、土との触れ合い。そして、庭で起こる出来事は、何もかもがゆっくり。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
園芸の心理学的治療価値。園芸のままならなさがある意味いいのだろうな。ヴォルテールの楽観と悲観の極論を振れる話、「私たちは自分の庭を耕さなければならない」という実践、庭を休養の場を超えたものとして大切に行動すること。感覚的で身体的な園芸活動、その自分の感情性、精神性、認知性への刺激。 現代的なところは、庭が本質的に未来に目を向けるもので、庭師は常によりよい未来を目指していることだ。園芸は植物という他者の未来を信じての働きかけの活動であるということ。 自分の庭があるはなし。そうか、ベランダのプランタでも自分の庭ではあるのよね。
Posted by
- 1