ヌマヌマ はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ロシアの文学史の流れは全然分からないけど、ペレストロイカが契機になって文学が自由化し、ザミャーチンの「われら」やナボコフの「ロリータ」がソ連国内で読めるようになり、その延長線上に今回取り上げられている小説群がある、というのは納得がいった。言われてみれば「われら」もロシア的にダメだよな…とも思うけど、今回訳されてるのはもっとアウトだと思う。レーニンをこんなに揶揄してて大丈夫なのか(「馬鹿と暮らして」)とか、表現奔放すぎないかとか心配になる。全体的に、寓話的な話が多くて難しかったのと、それを読み解くにはロシアの歴史とか思想とかをちゃんと知っている必要があるのだろう。 沼野先生ご夫妻の仲の良さが本全体から伝わってきてむしろそれが一番ほっこりした。 ヌマヌマ:「一九八一年三月十五日に結成された、ヌマ1(沼野充義)とヌマ2(沼野恭子)の二人組ユニット。いつもいっしょに仕事をしていたわけではなく、好みもかなり異なるが、だいたいにおいてほぼ同じ方向を向いて一緒に走ってきた。」
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現代ロシア文学の短編をまとめたアンソロジー。 収録されている話の中だと『聖夜のサイバーパンク』が一番好きかな 以前読んだソローキンやПепперштейнも含めて、現代ロシア文学の特徴って何なのだろうと思う。 暴力性や風刺が強いように思えるのと、ソビエト時代を下敷きにしている...
現代ロシア文学の短編をまとめたアンソロジー。 収録されている話の中だと『聖夜のサイバーパンク』が一番好きかな 以前読んだソローキンやПепперштейнも含めて、現代ロシア文学の特徴って何なのだろうと思う。 暴力性や風刺が強いように思えるのと、ソビエト時代を下敷きにしていることが多い。
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「読み終わった」とは言えませんが登録。 ロシア文学がお好きで大学教授もなさっているご夫婦の趣味のような印象がぬぐえませんでした。
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知られざる作家の知られざる作品を追う。 古典でないものでも面白いものはありました。 合う、合わないはあると思いますが、いずれも既読のロシア文学とは一線を画すものばかりでした。
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過去に文芸雑誌に掲載されたものを編集したようで、自分には合わなかった。もっと国土が狭い国であってもトップが政策を打ち出してなんとかして行こうにも、やれ「民族的に」やれ「過去のしがらみ」やら、国民からしたら「上はなんんもわかっちゃいねえ」ってなるのに、広大すぎ遠すぎ物理的に皆がバラ...
過去に文芸雑誌に掲載されたものを編集したようで、自分には合わなかった。もっと国土が狭い国であってもトップが政策を打ち出してなんとかして行こうにも、やれ「民族的に」やれ「過去のしがらみ」やら、国民からしたら「上はなんんもわかっちゃいねえ」ってなるのに、広大すぎ遠すぎ物理的に皆がバラバラしてるんだから、そりゃー、ビールだってね、アルコールに認められたのがごく最近ってね、一概に批判できないよねーみたいな。そんな中でも遠回しに体制批判より、「ぶっ飛ぶ時はおもいきし」という作品が数点あって、それは好感もてた。
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2022.9.25市立図書館 沼野充義&恭子セレクションの現代ロシア小説アンソロジー、ソ連が崩壊していく1980年代末から2013年までに文芸誌に翻訳を掲載した12人分の短編が楽しめる。そのうち半分はヌマヌマによるこの翻訳紹介が唯一という作家。出版は1年前(2021年秋)なので、...
2022.9.25市立図書館 沼野充義&恭子セレクションの現代ロシア小説アンソロジー、ソ連が崩壊していく1980年代末から2013年までに文芸誌に翻訳を掲載した12人分の短編が楽しめる。そのうち半分はヌマヌマによるこの翻訳紹介が唯一という作家。出版は1年前(2021年秋)なので、現在進行形のウクライナ侵攻はまだ予想もされていなかったとき。 表紙はくまさん&マトリョーシカちゃんのピクニックで、装丁もポップで可愛らしい雰囲気。 全部読む時間はなかったけれど、ニーナ・サドゥール「空のかなたの坊や」とオリガ・スラヴニコワ「超特急「ロシアの弾丸」」だけ読めた。
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はまったら抜け出せない沼の本と思っていたら、その意味に加えて編訳が沼野充義と沼野恭子のお二人のため、このタイトルだった。ペレストロイカの最中から二〇一〇年代のロシア文学を翻訳し、文芸誌に掲載していきたものを集めた翻訳集。冒頭引き込まれるような感じで、その後、ぶっ飛ぶような混乱する...
はまったら抜け出せない沼の本と思っていたら、その意味に加えて編訳が沼野充義と沼野恭子のお二人のため、このタイトルだった。ペレストロイカの最中から二〇一〇年代のロシア文学を翻訳し、文芸誌に掲載していきたものを集めた翻訳集。冒頭引き込まれるような感じで、その後、ぶっ飛ぶような混乱するような内容が多く、少々難しかった…。
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印象的な言い回しや、繊細な感性。 ロシアの文学って面白いなと思える作品集だった。 しかし訳が読みにくい…。 元々そう言う文章なのか、日本人の感覚にない感性だからか。 もしくは、訳者の知的レベルにこちらがついていけないのか…。 表現は面白いし、耽美的とさえ言える作家の細やかな感性...
印象的な言い回しや、繊細な感性。 ロシアの文学って面白いなと思える作品集だった。 しかし訳が読みにくい…。 元々そう言う文章なのか、日本人の感覚にない感性だからか。 もしくは、訳者の知的レベルにこちらがついていけないのか…。 表現は面白いし、耽美的とさえ言える作家の細やかな感性も興味深いが、日本語の言葉選びがどうも個人的にあまり好きではなかった。
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ユーモラスな響きの書名、赤、白、緑、青に金色を散りばめた表紙には、ほのぼのとしたクマと可愛らしいマトリョーシカの絵。 これは、きっと沼野先生ご夫妻からのクリスマスプレゼントに違いない。 すべての読みかけ本をすっ飛ばして、さっそくかぶりつこう! やはり、僕の感性は昭和なのか、ポス...
ユーモラスな響きの書名、赤、白、緑、青に金色を散りばめた表紙には、ほのぼのとしたクマと可愛らしいマトリョーシカの絵。 これは、きっと沼野先生ご夫妻からのクリスマスプレゼントに違いない。 すべての読みかけ本をすっ飛ばして、さっそくかぶりつこう! やはり、僕の感性は昭和なのか、ポストモダン風の物語は、いつもどおりあまりピンと来ない。 というわけで、お気に入りの物語だけを、挙げてみたい。 ミハイル・シーシキン「バックベルトの付いたコート」: 校長の地位につきながらも、学生たちが企画した、当局から睨まれていた詩人の追悼の夕べに許可を与えたことによって、職場から追い出されてしまった母を描く、哀切な物語。 【イザベラは歌うこと以外まったく何もしなかったーーまるで寓話に出てくるトンボのように。※2 ただ現実の社会を考えると、バビロンの塔のように雑多なものを天まで積みあげながら収容所の塵と化したアリたちにとって、トンボの歌は冬用の蓄えに負けず劣らず、生き延びるのに大切なものだったろうと思う。トンボはまさしく、たとえほんのわずかでもアリたちの闇を照らしたあの蠟燭だった。トンボは奴隷たちのために愛の歌を歌い、彼らが人間としての尊厳を保てるようにしたのだ。 ※2:イワン・クルィロフの寓話『トンボとアリ』より。夏じゅう歌ってばかりいたトンボは冬に食べるものがなくなってしまう。】/ マリーナ・ヴィシネヴェツカヤ「庭の経験」: 私は、夏の間、四歳の女の子の家庭教師兼留守番として雇われる。 年配の家庭教師の私と少女ダーシャとのふれあいを描いた佳品。 トルストイ『幼年時代』のみずみずしい描写を髣髴とさせる。 【この庭で、私は生まれて初めてケシの花が咲くところを見た。かっきり二十分間の出来事だった。蕾がはじけ、それも下からはじけると、しわくちゃになったシガレットペーパーの塊のようなものが姿を現す。そして、みるみるうちにこの塊が少しずつ起きあがり、しわを伸ばしていき、最後にとうとう、開花の邪魔をしている黄緑色のちくちくした苞葉を振り落とす。生まれたばかりのケシの花はまだしっとり濡れている。何の変哲もないケシなのに、生後一日しか経っていない牛の赤ちゃんのように、すっくと立って体を軽く揺らしている。生まれたてなのだ。こんな様子を目にしたら、ケシを摘もうなどとはぜったいに思えなくなるだろう。】/ 昔育てていたアゲハの幼虫のことを思い出した。 彼女は、バリバリ、バリバリ、ものすごい勢いで葉っぱを食べ尽くした。 お陰で庭の小さな柑橘系の樹(ユズだったかスダチだったか)は、じきに丸裸になってしまった。 そして、ある朝、彼女は見事に羽化して、青い空へと旅立って行った。 その決定的瞬間を見逃してしまった寝坊の僕を置き去りにして。 いやぁ、ロシア文学って、本当にいいもんですね〜
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詩的表現の比喩が日本のそれとは違って面白い…荘厳というか、壮大というか。厳しい自然(と社会)の中で闘いながら生きている人々ならではなのかな。 と思う反面、表紙の可愛らしさと裏腹なこの…自分の欲と感情を、醜い部分まで余さず曝け出そうというある種露出狂的小説?あまり読まないタイプで...
詩的表現の比喩が日本のそれとは違って面白い…荘厳というか、壮大というか。厳しい自然(と社会)の中で闘いながら生きている人々ならではなのかな。 と思う反面、表紙の可愛らしさと裏腹なこの…自分の欲と感情を、醜い部分まで余さず曝け出そうというある種露出狂的小説?あまり読まないタイプで面白かった。登場人物の心情が何一つ理解できなかったが、それで良いと思う。
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