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逃げる女 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/05/31

警察がマヌケなのか、逃亡犯が冴えすぎているのか。札幌でフリージャーナリスト殺人事件発生。現場にいたらしい麻美という女性が指名手配される。警察が総動員して麻美を追うも、麻美は必死で逃げて逃げ切る。麻美が逃亡する真の理由とは。麻美があっちこっち移動するせいか、ロードノベルの風情が漂う...

警察がマヌケなのか、逃亡犯が冴えすぎているのか。札幌でフリージャーナリスト殺人事件発生。現場にいたらしい麻美という女性が指名手配される。警察が総動員して麻美を追うも、麻美は必死で逃げて逃げ切る。麻美が逃亡する真の理由とは。麻美があっちこっち移動するせいか、ロードノベルの風情が漂うなかなかスリリングな物語だった。麻美サイドと警察サイドの両視点があるので飽きずに読めた。キャラとしては警官の直子が良かった。たどり着いた真相は歯ぎしりして壁を殴りたくなるようなやるせない思いで胸がいっぱい。

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2022/05/05

まずタイトルがいい。最後に女は逃げるのではなく追っていたとわかるが、1章の逃亡劇は、道警とはいえ探偵事務所で働いていただけの一般女性が逃げ切るという部分が噓くさいといえば噓くさいが、その逃亡の疾走感でまずグッと惹きつけられる。どのような展開になるかハラハラドキドキしながら最後に巨...

まずタイトルがいい。最後に女は逃げるのではなく追っていたとわかるが、1章の逃亡劇は、道警とはいえ探偵事務所で働いていただけの一般女性が逃げ切るという部分が噓くさいといえば噓くさいが、その逃亡の疾走感でまずグッと惹きつけられる。どのような展開になるかハラハラドキドキしながら最後に巨悪の正体がわかるストーリだが、そこに各警察の確執、先輩後輩刑事の確執と執念、勿論逃げる女の求めていたもの、種明かしになるので割愛するが長らくタブーとされている巨悪の正体、それらの要素をうまくまとめて料理した極上のフルコースミステリーに仕立て上げている。テレ東で報道や海外支局長の来歴のある著者らしい一級の政治ミステリでもある。他の著作も読んでみたい。

Posted byブクログ

2022/04/16

ただの逃走劇に終わらず、日本という国の弱い、曖昧な部分を明るみにした小説だった。最後の「ジャーナリズムが脆弱なこの日本では」の部分は著者の諦めを感じる。

Posted byブクログ

2022/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2004年に起きた轢き逃げ事件、犯人がわからないまま捜査も中途半端に打ち切られた。 2023年、元記者で翻訳家の名倉が殺害された。 現場にいた久野麻美に逮捕状が出る寸前、逃げられる。 そこから凄まじいほどの逃走劇が始まる。 執拗に追う警察と必死で逃げる久野麻美。 彼女は、逃げていたのではなく、絶対に捕まらない男を追いかけていた。 冤罪からの逃避、父との再会を果たすべく…。 スピード感もあり、ここまでの逃亡と追跡に圧倒され、隠された事件に驚愕した。 緊迫感ある、一気読み必至のサスペンス。

Posted byブクログ

2022/02/27

一気に完読。 逃げる女を追う警察、ここまで徹底して捜査するのかと驚いた。ただの殺人事件ではなく、大きな背景があった。殺された男性が以前に友人に何気に渡したお土産から、警察が主要人物の関係性を見つけるのも凄かった。最後の方の展開も凄くて、よくできている作品だなと感心した。 日米...

一気に完読。 逃げる女を追う警察、ここまで徹底して捜査するのかと驚いた。ただの殺人事件ではなく、大きな背景があった。殺された男性が以前に友人に何気に渡したお土産から、警察が主要人物の関係性を見つけるのも凄かった。最後の方の展開も凄くて、よくできている作品だなと感心した。 日米合同委員会の存在は以前に聞いたことがあったが、改めて日本は独立国家に見えて、いまだにアメリカの属国のようなものなんだなと虚しく思った。生方や桐山のような矜持のある刑事も簡単に処理されてしまうのが恐ろしい。

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2022/01/31

逮捕状を執行される直前に逃亡してしまった殺人事件の被疑者と、それを追う警察。捜査の網をかいくぐり逃げ続ける彼女は、いったい何をしようとしているのか。息もつかせぬサスペンス感が溢れるミステリ。 現代の顔認証システムってそんなに凄いのか……ということにまず愕然。それなのにそのシステム...

逮捕状を執行される直前に逃亡してしまった殺人事件の被疑者と、それを追う警察。捜査の網をかいくぐり逃げ続ける彼女は、いったい何をしようとしているのか。息もつかせぬサスペンス感が溢れるミステリ。 現代の顔認証システムってそんなに凄いのか……ということにまず愕然。それなのにそのシステムすらを抜けて逃亡する彼女の姿が見事というほかありません。機知と機転に溢れたその姿、そして何かしら確固たる目的がありそうな彼女には、ぜひとも逃げ切ってほしいという気にもなりました。 一方で追う警察の方も、現場はともかくとして上層部の動きが嫌だなあ。そしていかにも何か裏事情がありそうな雰囲気が見えてくるにつれ、これはただの殺人事件ではなかったのかも、と。冒頭に語られるとある事件の経緯とも関係がありそうなのは分かっていたけれど。終盤の展開は圧巻でした。

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2021/12/18

翻訳作家殺人の容疑のかかっている第一発見者の女。逮捕直前で取り逃がした北海道警のベテラン刑事と新米女性刑事。警察上層部の怪しい動き。警察組織の不合理。19年前の親子ひき逃げ事件。本当に女は犯人なのか。女の逃避行と刑事の追跡がスリリングに展開されつつ、謎が徐々に明らかにされていく。...

翻訳作家殺人の容疑のかかっている第一発見者の女。逮捕直前で取り逃がした北海道警のベテラン刑事と新米女性刑事。警察上層部の怪しい動き。警察組織の不合理。19年前の親子ひき逃げ事件。本当に女は犯人なのか。女の逃避行と刑事の追跡がスリリングに展開されつつ、謎が徐々に明らかにされていく。あっと驚くような謎とか突拍子もないような展開があるという程ではないが、読みやすく飽きさせず社会派警察ミステリーとしてかなりの良作と言って良いであろう。映画化するかな。

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2021/12/07

札幌で起きたフリーライターが殺害される事件。現場の状況や警察に通報するまでの空白の時間があったことから、警察は第一発見者の麻美を疑い、逮捕にこじつけようとした。しかし、逮捕目前というところで、麻美に逃げられてしまった。鉄道や空港などあらゆる所を包囲しては逃げられる連続で、結局は道...

札幌で起きたフリーライターが殺害される事件。現場の状況や警察に通報するまでの空白の時間があったことから、警察は第一発見者の麻美を疑い、逮捕にこじつけようとした。しかし、逮捕目前というところで、麻美に逃げられてしまった。鉄道や空港などあらゆる所を包囲しては逃げられる連続で、結局は道内から逃げられてしまった。 ベテラン刑事・生方らの失態により、麻美はどこへ消えたのか?そもそも、ただの殺人事件なのになぜ、上からの圧力や公安が入ってくるのか?その謎は、19年前のひき逃げ事件が関係していた。 タイトルの通り、逃げる女と追う刑事の逃走劇でしたが、その描写が手に汗握る緊張感でした。 捕まえそうで捕まえられない連続で、イライラ感はありましたが、ずっと緊張感が漂っていたので、ページを捲るのが止まりませんでした。不謹慎ですが、麻美はよく逃げ切れるなと感心してしまいました。 刑事の視点だけでなく、麻美の視点も時折登場します。そこから浮かび上がる事件の真相。一筋縄ではいかない展開で、同時に憤りを感じました。 ひき逃げ事件も明らかになるのですが、その事件の背景にある大きな「闇」の存在が、それってアリ?と思うくらい、呆れと共に怒りもありました。実際に類似した事件もあるかと思いますが、それにしても酷すぎるなと思いました。 一つのフリーライター殺人事件から、逃走劇、19年前のひき逃げ事件、大きな闇の存在に至るまで、まさかここまで話が拡がるとは・・・。 それぞれの主要人物の描写が、よく描かれていました。今何を思っているのか?単に行動を描くだけでなく、気持ちも上乗せしているのが印象深かったので、リアル感がありました。 ちなみに最後には協力いただいた方たちが載せられています。その中には、元北海道警の名前もあって、よりリアル感が増しました。道警と他の都府県の警察とのしがらみ、道警内の事情といったものが詳細でしたので、色んな意味でよくOKしたなと思ってしまいました。

Posted byブクログ

2021/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とある殺人事件の容疑者として逮捕寸前だった女が逃げた。そこから始まる手に汗握る逃亡劇。 ぎりぎりのところで追手をかわし続ける女。追い続ける刑事二人。 一見、ただ罪から逃れようとしている女。だけど彼女には逃げ続けなければならなかった。とある目的のために。 って、読みながらどんどん逃げる女に惹かれていく。彼女が抱える秘密にとらわれていく自分がいる。 追う意味と追われる理由。最後に示される真実、それでも終わらない事件。 もやもやとした苦みが残る。最後のページを読んだ後、やり場のない怒りに震えた。

Posted byブクログ