塞王の楯 の商品レビュー
著者らしい、優しさと爽やかさと…。
2023年9月読了。 避けていた訳では無いのだが、しばらく積ん読状態だったので、手を延ばしました。 著者特有の爽やかで、思い遣りの有る優しい気風が、読んでいて本当に読書の醍醐味を教えてくれる、本当に直木賞に相応しい傑作だと思います。 徳川幕府に成ってからの綺麗な...
2023年9月読了。 避けていた訳では無いのだが、しばらく積ん読状態だったので、手を延ばしました。 著者特有の爽やかで、思い遣りの有る優しい気風が、読んでいて本当に読書の醍醐味を教えてくれる、本当に直木賞に相応しい傑作だと思います。 徳川幕府に成ってからの綺麗な並びの石垣よりも、豊臣時代のいわゆる「野積み」の石垣の方が、強度も強く、難易度も高かったのは知りませんでした。 てっきり「「綺麗な積み方」の方が強いんだと思い込んでいたのですが、世の中が平和に成り、「強さよりも見た目の良さ」にシフトしていったから、後世の石垣は綺麗なのだと思うと、目からウロコでした。 一方「矛方」である国友衆ですが、「そんなに素晴らしい精度の」鉄砲や大砲が作れていたのか、ちょっと疑問でしたが、このお話にはこれで丁度良いのかも知れませんね。 こんなに精緻な大砲が作れたんだったら、「大坂の陣」の時、どうして家康は南蛮の大砲(仏狼機)を使ったのかなぁ~?って、ちょっと意地悪なことも考えちゃいましたww。 なんて御託はここまでにして、読後感の爽やかさと、「人の生死については、どんな時代も関係無い」と云う、著者の信念も伝わって、大変面白く読み終えました。素晴らしい作品です。
左衛門佐
検品作業に疑問
作品自体は間違いなく秀作。ただ、髪の毛が4本挟まっていたのがとても不愉快でした。検品作業に疑問が残ります。
ちゃんもちゃんも
第166回直木賞受賞作品。 死が近くにある戦国時代なだけに、ぎりぎりの状況がすぐに顔を見せる。石を積み、守るものたちとしての気概で挑むが、その敵は人であって人ではない。 因果応報とはよく言ったもので、やったことはやりかえされる。守っても攻めても、その営みは無限に続く修羅の道な...
第166回直木賞受賞作品。 死が近くにある戦国時代なだけに、ぎりぎりの状況がすぐに顔を見せる。石を積み、守るものたちとしての気概で挑むが、その敵は人であって人ではない。 因果応報とはよく言ったもので、やったことはやりかえされる。守っても攻めても、その営みは無限に続く修羅の道なのかもしれない。 本当は高みなどを目指す必要はないのかもしれない。上を見るのではなく、同じ高さの、近くの、周りを見渡せば、そこにある大切なものに気づけるのかもしれない。 以下抜粋 - 匡介は先に握り飯だけを貰うと、皆から離れた木陰に腰を下ろした。明sの時などは互いの関係が顕著に出るもの。誰と誰の仲が良いのか。反対に孤立しているものはいないか。こうして皆を見渡すのも積方の頭の役目である。職人や人夫の関係を円滑に保つことで、事故も少なくなり、仕事も早くなると現像に教えられた。(P.187-188) - 掲げた高い志と、戦の現実の狭間で葛藤した故か。 「悪と呼ぶならば呼べ」 小声で漏らした相手は匡介ではない。戦というものから目を逸らして漫然と生き、大層に避難だけを浴びせる世間という化け物にである。(P.479)
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鉄砲の矛と石垣の盾をベースに様々な視点から矛盾を描き出した戦国時代の石工達の話。矛盾がテーマで「塞王」という響きから中国の話かなと思っていたので、まず戦国(安土桃山)時代の話ということに驚いた。 小学生の頃、図書館にあった学習漫画「淀君」が好きで何度も読み返していたので浅井三姉妹...
鉄砲の矛と石垣の盾をベースに様々な視点から矛盾を描き出した戦国時代の石工達の話。矛盾がテーマで「塞王」という響きから中国の話かなと思っていたので、まず戦国(安土桃山)時代の話ということに驚いた。 小学生の頃、図書館にあった学習漫画「淀君」が好きで何度も読み返していたので浅井三姉妹は記憶によく残っていた。お茶々とお江は天下人の妻となりよく取り沙汰されるが、お初は敵味方に分かれた姉妹の間に挟まれて橋渡し役になっていたという話以外はよく知らず、影が薄いような印象だったので、本作でスポットが当たっていたのが嬉しかった。夫の京極氏と揃って人が良く、主人公や家臣達が守りたいという気持ちが伝わって来たのも良い。 話を読み終えて思うのはどこまでがフィクションなのかというところ。作者のインタビュー記事には「かかり」という言葉は創作したが、職人達が戦場で石垣を築くという事実はあったとのこと。本作では派手に誇張されて書かれているには違いないだろうが、合戦ではこうした職人達がしのぎを削っていたシーンもあったのだと新たな知見を得た。 また武田信玄の「人は城、人は石垣、人は堀」という言葉も本作を読みながら思い起こされた。矛盾を人の心に見た本作に通じるかなと思う。
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歴史に超疎い私。 でもお城廻りは好きでお城に行くと一番注目してたのは穴太積みの石垣だった。 それが本になってたとは知らなかったので この本をくれてた義理弟に感謝だ。 それにしても今村翔吾は天才だ。 文字にして記録を残さない穴太衆を、 目に浮かぶような見事な描写力で表し、 読んでい...
歴史に超疎い私。 でもお城廻りは好きでお城に行くと一番注目してたのは穴太積みの石垣だった。 それが本になってたとは知らなかったので この本をくれてた義理弟に感謝だ。 それにしても今村翔吾は天才だ。 文字にして記録を残さない穴太衆を、 目に浮かぶような見事な描写力で表し、 読んでいる時から、これは読み終えたらロスになる、と思わせるくらいで、早よ読んだら勿体無いと思わされる本だった。
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安定のおもしろさだな〜!歴史小説にある堅苦しいイメージをぶち壊すような読みやすさ、展開の王道さと疾走感、常にわくわくさせてくれるところがとてもすきだぜ今村翔吾。そもそも、主人公を武士ではなく城を作る石垣職人にするところや、好敵手の鉄砲職人とぶつけて最強の矛盾を繰り広げる展開もコア...
安定のおもしろさだな〜!歴史小説にある堅苦しいイメージをぶち壊すような読みやすさ、展開の王道さと疾走感、常にわくわくさせてくれるところがとてもすきだぜ今村翔吾。そもそも、主人公を武士ではなく城を作る石垣職人にするところや、好敵手の鉄砲職人とぶつけて最強の矛盾を繰り広げる展開もコアでおもしろい。あとは、京極家がキュートすぎてノックアウト。絶対京極家を守ってほしいと思いながら読んじゃったし、それはきっと主人公を始めとする穴太衆のみんなも同じ気持ちで、読者と主人公の気持ちがいっしょになるような構成が巧いな〜いいな〜って思った。にしても、本が分厚くてさすがに腕が疲れたワ(絶対500ページちょいの重さではない)
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戦国時代の戦いを石垣という盾と鉄砲・大砲という矛の視点で描いた意欲作。 石垣がどの程度重要で戦の勝敗にどの程度影響を与えたのか考えさせられる作品。
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すばらしいっっっ!! めっっっっっちゃ!! すごかった!!!!!! 時代小説という枠におさまりきらない、壮大で圧巻の歴史ロマンでした!! 読みながら、図書室のお城の本とか関ヶ原の戦いの本とか、縄張りとか歴史人物図鑑とか、歴史学習マンガとか、色々いっぱい並行読みしながら楽しんだ。...
すばらしいっっっ!! めっっっっっちゃ!! すごかった!!!!!! 時代小説という枠におさまりきらない、壮大で圧巻の歴史ロマンでした!! 読みながら、図書室のお城の本とか関ヶ原の戦いの本とか、縄張りとか歴史人物図鑑とか、歴史学習マンガとか、色々いっぱい並行読みしながら楽しんだ。時代小説を読むたびに、もっと歴史勉強しとけばよかった!!とか、後悔するんだなぁ。。。
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非常にすごい時代小説でした。戦国時代の日本における石垣職人集団が関わる城攻めを描いた作品であるが、見事なまでの詳細な石垣における技術描写、情熱と心理描写、人物の過去追求による人物描写、見事な物語全体における対立構造が素晴らしかったです。
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【要約】 「塞王」とは、石垣を作る集団である穴太衆(あのうしゅう)の中で、最も優れた技を持つ者のことを指す。主人公はその塞王のもとで働く二番手の職人であり、「最強の石垣を築けば戦いは起きない」と信じている。主人公は自分の仕事に誇りを持ち、黙々と石垣作りに打ち込み続ける。 【感想...
【要約】 「塞王」とは、石垣を作る集団である穴太衆(あのうしゅう)の中で、最も優れた技を持つ者のことを指す。主人公はその塞王のもとで働く二番手の職人であり、「最強の石垣を築けば戦いは起きない」と信じている。主人公は自分の仕事に誇りを持ち、黙々と石垣作りに打ち込み続ける。 【感想】 歴史物をあまり読まない私にとって、本作は背景知識が十分になくても、テンポよく読み進めることができた。石垣の積み方や職人の技に強い興味を持つきっかけとなった点が印象的である。特に、歴史に疎い自分でも京極高次(※高槻ではなく高次が一般的表記です)の人柄に惹かれた。身分の高い人物でありながら、当時としては珍しいほど物腰が柔らかく、他人に優しく接する姿は理想的な統治者のように感じられた。ただし、この作品での描かれ方は一つの見方にすぎず、他の歴史作品を読めば異なる人物像が示される可能性もあると感じた。そうした違いを比べるためにも、今後ほかの作品でも京極高次を描いた物語を読んでみたいと思った。
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