八甲田山 消された真実 の商品レビュー
公の報告が、あきらかに軍隊の 都合のいいように作られたことは、 よくわかりました。 それでは、実際どんなことが起きて このような悲惨な結果になったのか? もっとシンプルに事実だけを追ったものが あれば、読んでみたいと思います。
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この本を読んでかえって『ストーリーの強さ』を実感した。 これだけの資料・証言をもって史実の八甲田事件を語られてもなお、映画や小説の八甲田を信じたくなる。「ウチらの健さんを悪く言うな!」とさえ。人はつくづく信じたいものしか信じない。真実は異なることをわきまえた上で「こうだったらい...
この本を読んでかえって『ストーリーの強さ』を実感した。 これだけの資料・証言をもって史実の八甲田事件を語られてもなお、映画や小説の八甲田を信じたくなる。「ウチらの健さんを悪く言うな!」とさえ。人はつくづく信じたいものしか信じない。真実は異なることをわきまえた上で「こうだったらいいな」のストーリーを持つのが読者の務めだ。 本書は現実を知るという意味では非常に役立ったが、そのためだけに読むには堅く長くちょっと労力がいる。 ご本人が自衛隊出身とのことで、軍に対する厳しい批評的な目線を感じる。 特に第五連隊がパニック離散したところは、一般人の私からすると自分の命第一優先な状況で当然、むしろそれまで数日耐えただけで偉い、と思うが筆者はそれを言語道断と斬り捨てる。 特に津川中佐へはねちねちと怒り心頭の様子。 軍人はいつの世も、危ういほどの独自の精神世界で、人を守るべく戦っているので頭が下がる思い。 映画では年嵩で落ち着き、頼もしく見えた倉石大尉(倉田大尉)が金成大尉より年下なのに驚き。また印象がガラリと変わる。
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映画「八甲田山」は観たことはなかったが内容はなんとなく知っていた。やはり映画と同じように成功したほうの隊のトップはちゃんとした人なんだろうなと軽い気持ちで読んだら全く違っていたので驚いた。どちらの隊でもこんな上司の下で働くのは嫌だ。ましては生死が関わる場所でのところとなると・・・。部下を人と思わず、道案内人の恩を仇で返すような態度をとる上司って本当にどこの時代でもいるんだな。こういう人たちがいなくなればもっと日本が、世界が変わっていくんだろうな。 本当に備えあれば患いなしです。 防げたであろう事故だったのにと思うと亡くなった人たちが可哀そうです。
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こういうテーマの映画があった、ということで『八甲田山で雪中行軍して遭難し大量の死者を出した』と知ってはいても、映画は見てないし、ましてや原作という小説を読んでもないので具体的なことはさっぱり知らなかった。だから真相と真実に迫ると言われても、はあそうなんだ~、やっぱりの隠蔽体質~、...
こういうテーマの映画があった、ということで『八甲田山で雪中行軍して遭難し大量の死者を出した』と知ってはいても、映画は見てないし、ましてや原作という小説を読んでもないので具体的なことはさっぱり知らなかった。だから真相と真実に迫ると言われても、はあそうなんだ~、やっぱりの隠蔽体質~、真面目な軍人ももちろんいたんだろうけど、陸軍って組織は明治のころからなんかこうお粗末なのね、というのが一番の感想。
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伊藤薫『八甲田山 消された真実』ヤマケイ文庫。 『八甲田山の雪中行軍事件』の驚愕の新事実を描いたノンフィクション。 全くの期待外れ。確かに199名の尊い命が失われた事件は痛ましいことである。事実が新田次郎の『八甲田山死の彷徨』と余りにも乖離していることが本書の執筆の動機らしい...
伊藤薫『八甲田山 消された真実』ヤマケイ文庫。 『八甲田山の雪中行軍事件』の驚愕の新事実を描いたノンフィクション。 全くの期待外れ。確かに199名の尊い命が失われた事件は痛ましいことである。事実が新田次郎の『八甲田山死の彷徨』と余りにも乖離していることが本書の執筆の動機らしいが、事実に創作が混じる小説が事実と乖離しているのは当たり前のように思う。 事件の起きた1902年当時は雪山装備が貧弱であったこと、急造した雪中行軍計画にかなりの無理があったこと、その後の事実報告に誤謬や歪曲があったことなど、誰もが知るところではなかろうか。また、何よりも様々な文献ばかりを引用し、最後の生き証人である小原元伍長が証言には余り触れていないという点に納得出来ないのだ。 自分が『八甲田山の雪中行軍事件』のことを知ったのは、映画『八甲田山』だった。当時は話題の映画ということで地元テレビ局主催の試写会に応募したところ見事当選し、いち早く映画を鑑賞することが出来た。その後、映画の原作が新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』と知り、さっそく新潮文庫で読んだ。小説も映画も雪中行軍自体を美化し、如何に屈強な軍人も自然の猛威には敵わなかったのだ、というような描き方をしていたのだが…… 1902年1月。青森の屯営を出発した歩兵第5連隊は雪中行軍に出向いた八甲田山の山中で遭難し、将兵199名が死亡するという歴史上未曾有の山岳遭難事故を引き起こした。日本陸軍は事故を顛末書などで、猛烈な寒波と猛吹雪による不慮の事故として葬り去ろうとする。 しかし、その事故から62年後、最後の生き証人である小原元伍長が証言し、真実の一端が明らかになる。この証言に基づいて執筆されたのが新田次郎の『八甲田山死の彷徨』であるが、事件には消された真実があった……らしい。 これまで質の高い作品ばかりを刊行してきたヤマケイ文庫で★★を付けたのは初めてではなかろうか。 定価1,100円 ★★
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