悪党の裔 新装版(上) の商品レビュー
楠木正成の名前は聞いたことあるなぁ、という程度の知識しかなかったのでどのような展開になっていくのか楽しみ。 上巻では、近畿の悪党である赤松円心が機を見てようやく討幕のため動き出したところ。 楠木正成らとは今後どう絡んでいくのか、幕府はどうなるのか… ここから一気に動き出しそうで下...
楠木正成の名前は聞いたことあるなぁ、という程度の知識しかなかったのでどのような展開になっていくのか楽しみ。 上巻では、近畿の悪党である赤松円心が機を見てようやく討幕のため動き出したところ。 楠木正成らとは今後どう絡んでいくのか、幕府はどうなるのか… ここから一気に動き出しそうで下巻が楽しみ。
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北方謙三の小説が無性に読みたくなった。思い立ったらすぐにだった。すぐさま購入して、ただひたすら読み進めた。北方氏の物語に没入した。 『悪党の裔』は、鎌倉時代後期〜南北朝時代が描かれる。本作では、播磨の悪党である赤松円心が、高田庄の代官の館から出発した荷駄を襲う場面から始まり...
北方謙三の小説が無性に読みたくなった。思い立ったらすぐにだった。すぐさま購入して、ただひたすら読み進めた。北方氏の物語に没入した。 『悪党の裔』は、鎌倉時代後期〜南北朝時代が描かれる。本作では、播磨の悪党である赤松円心が、高田庄の代官の館から出発した荷駄を襲う場面から始まり、京都の蓮華王院での戦いで退却を余儀なくされるまでが描かれる。 この時代についての知識はほとんどなかった。それもこの本を読もうと思った理由の1つだ。現時点で61作も放送されている大河ドラマだが、南北朝時代を題材にしたものはたったの1作しかない。1991年放送の『太平記』のみである。そういった点でもあまり認知されていないと言えるだろう。 しかし、そんな南北町時代も北方氏の物語を通してみると魅力的に映る。主人公の赤松円心は50歳を超えているが、おのが手で天下を決したいという大きな夢を持っていた。楠木正成と出会がキッカケとなり、この大望を果たすべく、ひたすら機を待ち続ける。銭を集め、兵糧を蓄え、兵を鍛えて…。そして、時は来たる。元弘の乱である。 赤松円心、楠木正成、護良親王などの生き様を是非見届けて欲しい。
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R4.9.18~9.24 (感想) 鎌倉時代末期(南北朝)から室町時代への革命を牽引した赤松円心の物語。 赤松円心とは何者か、「悪党」とは何だったのか、赤松円心から見た楠木正成とは、悪党から見た足利尊氏とは…。そのあたりがわかるといいなと思って読み始めました。 上巻を読んだ上で、まず、「悪党」を他人に説明できるほどは理解できていない。 悪党とは、幕府側が、地方で組織的に野党や盗賊のような活動を始めた豪族をそう呼び始めた、ということか。(そこには「反幕」という思想的な定義はあったか?おそらくなかった) 悪党と呼ばれる立場の彼らは、幕府とその領地運営システムに不満を持っていた。そこで賄賂・野党・盗賊のような活動で財をため込みながら、革命を願っていた?というところか。そのよりどころとして朝廷の存在があったと。 しかし、赤松円心は朝廷の力を利用して倒幕を目的とし、楠木正成は朝廷の権威復活までを目的としていた?そう読み取れる。気がする。 ではどちらのタイプが正統な?「悪党」なのかがまだ理解できていない。 下巻に続く。 ただ、物語、人物描写は結構好きなタイプの歴史小説です。 吉川英治の私本太平記を読んだだけでは、足利尊氏がどの程度赤松円心を意識していたかが分からなかったが、この本では二人の関係性がより近く描かれそうで、期待してます。
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所謂「『太平記』の時代」(=鎌倉幕府末期から建武新政、南北朝時代となる14世紀)に題材を求めた時代モノの小説である。 題名だが、「末裔」という語の「裔」の字を「すえ」と読ませる。『悪党の裔』で「あくとうのすえ」だ。 本作の主人公ということになるのは赤松円心という人物である。 “赤...
所謂「『太平記』の時代」(=鎌倉幕府末期から建武新政、南北朝時代となる14世紀)に題材を求めた時代モノの小説である。 題名だが、「末裔」という語の「裔」の字を「すえ」と読ませる。『悪党の裔』で「あくとうのすえ」だ。 本作の主人公ということになるのは赤松円心という人物である。 “赤松”という姓は、室町時代の歴史に登場する例を比較的頻繁に見掛ける。播磨国、現在の兵庫県の南西側に相当する姫路城が在る街等が知られる辺りとなり、現在でも「播州」と地名に関せられる場所が見受けられるが、その播磨国の西寄りな辺りを赤松家は本拠地としていた。赤松円心より以前の赤松家に関して、余り詳しいことは伝わっていないらしい。赤松円心以降、室町幕府で重きを為すようになって行くのだが、その赤松円心の動きが本作の筋になっている。 所謂「『太平記』の時代」(=鎌倉幕府末期から建武新政、南北朝時代となる14世紀)に「悪党」という用語が多用されている。本作の赤松円心もその「悪党」を号している。 正統派たる「主流」の武士が土地と農業を基礎として伝統に基づいた戦い方をする人達だとした場合、「悪党」は「非主流」ということになるのかもしれない。土地と農業に留まらず、商業や流通等にも経済基盤を求め、戦いとなれば可能な限りの手段で敵対陣営に抗うのが「悪党」である。赤松円心は自身をその「悪党」と規定している人物である。 その「悪党」たる生き様を如何貫こうとしたのかという辺りが、本作の物語であろう。
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目指すは京。悪党の誇りを胸に、倒幕を掲げた播磨の義軍は攻め上る! 寡兵を率いて敗北を知らず、建武騒乱の行方を決した赤松円心則村の鮮烈な生涯。
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