美徳のよろめき 新装版 の商品レビュー
同じような出来事があったわけではないけど、節子の絶妙な心理描写に、自分にも思い当たる感覚があるからもどかしくて節子には少しイライラした! 私はギャンブル出来ない質だから節子みたいな恋愛はできないけど、行き着く所まで行かないと冷静になれんよねー本人はって思った
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1957年昭和32年 30万部のベストセラー この年 “よろめき”が流行語となったらしい 所有している文庫は当然昭和のもの 令和三年の新版には 山田詠美さんの解説が追加されているので 図書館でお借りした 1951年 禁色 1954年 潮騒 1956年 金閣寺 そして 美徳の...
1957年昭和32年 30万部のベストセラー この年 “よろめき”が流行語となったらしい 所有している文庫は当然昭和のもの 令和三年の新版には 山田詠美さんの解説が追加されているので 図書館でお借りした 1951年 禁色 1954年 潮騒 1956年 金閣寺 そして 美徳のよろめきなのです まさか 三島由紀夫の息抜きでしょうか よろめきとは、不倫という言葉が世の中に流通する以前に 妻が夫以外の男性にときめきを感じたり浮気したりする事 一人の良家の人妻28歳節子が 同い年の青年土屋に よろめき 何処に辿り着いたかという一冊 三島由紀夫の無駄使いではありませんでした 道徳が美徳か 快楽が背徳か 自分の欲するまま行動した節子は 不義の子の妊娠という代償を払う 全編人妻節子の気持ちのみでストーリーが進み 谷崎潤一郎の「卍」の一人語りの愛憎劇を思い出させます 人妻のよろめく心情をあの金閣寺を書いた後で ハミングでもしながら書いているかのようです 三島由紀夫の艶やかな文章に装飾されたよろめき文学 そして不倫の原則 “相手が恋している以上に恋してはならない” 山田詠美さんも中学のガキ(本人書)の頃から三島通のつもりになる程読んでいたようです その中でも 美徳のよろめき推しです。
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初めての三島由紀夫ワールドを体感した。不倫している女性の心模様が描かれている事になかなか慣れませんでしたが、読み進めていく上で、旦那の位置付け、愛人との駆け引きや、勝手に相手の事を考えて、戦略を立てるなとの心模様はなかなか引き込まれました。 味わったことのない世界観。三島由紀夫の...
初めての三島由紀夫ワールドを体感した。不倫している女性の心模様が描かれている事になかなか慣れませんでしたが、読み進めていく上で、旦那の位置付け、愛人との駆け引きや、勝手に相手の事を考えて、戦略を立てるなとの心模様はなかなか引き込まれました。 味わったことのない世界観。三島由紀夫の文章はとても読みやすく引き込まれるモノでした。次もチャレンジしたいと思う。
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三島の文章の美しさが全編通して感じられる作品。題材としては不倫だが、良人や息子を省みるよりは、自分の愛や欲に飲み込まれている節子の葛藤を描いている。節子は愛していたのは自分だけ、全て一人相撲だったような感覚さえ抱いて最期の土屋への手紙さえ破り捨てるのであった。 ところで「よろめ...
三島の文章の美しさが全編通して感じられる作品。題材としては不倫だが、良人や息子を省みるよりは、自分の愛や欲に飲み込まれている節子の葛藤を描いている。節子は愛していたのは自分だけ、全て一人相撲だったような感覚さえ抱いて最期の土屋への手紙さえ破り捨てるのであった。 ところで「よろめき」というには、その美徳は捻じ曲がってしまっていないだろうか。
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良いとこの奥様節子が段々と不倫の深みに嵌っていく様。始めは揶揄うような駆け引きでも最後の手紙を見るに人の執着の深さを感じる。可愛らしい坊やがいても避妊無しでご性交されているのはよく分からん心理だが土屋の態度から見るにハマってしまったのだろう。 節子の自由奔放な友人の方が余程サッパ...
良いとこの奥様節子が段々と不倫の深みに嵌っていく様。始めは揶揄うような駆け引きでも最後の手紙を見るに人の執着の深さを感じる。可愛らしい坊やがいても避妊無しでご性交されているのはよく分からん心理だが土屋の態度から見るにハマってしまったのだろう。 節子の自由奔放な友人の方が余程サッパリした気性だが多分こういう人だと本作の主役には相応しくなかったのかもしれない。 それにしても良人たる夫は本当に何も知らなかったのか。全てを知った上での事だとするとかなり不気味な人物でジャンルがサスペンスになりかねないから多分違うだろうけど…。
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前半は面白かった。書き回しがひねりにひねっていて、訳された海外文学のような味わい。しかし、後半がより哲学味を帯びていて難解。よくわからなかった。不倫というスリルに対してあくまでもドライで居続ける土屋とハラハラを共有出来ないことに対する物足りなさを感じた主人公の暴走、というか、堕胎...
前半は面白かった。書き回しがひねりにひねっていて、訳された海外文学のような味わい。しかし、後半がより哲学味を帯びていて難解。よくわからなかった。不倫というスリルに対してあくまでもドライで居続ける土屋とハラハラを共有出来ないことに対する物足りなさを感じた主人公の暴走、というか、堕胎を経て尚そんな様子であってもうどうにもならんと見切りをつけたとこまでは。不倫の床や搔爬される屈辱が曖昧にぼかしを入れたような表現なのは敢えてなのかしら。直接表現が好ましいわけじゃないけどぼかしを入れられ過ぎてよく飲み込めないところがあった。 『禁色』や『仮面の告白』とはまた違うのか?もっと没入感があった気がする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女の本来なら知らぬが故に妖艶に見えるところを書き起すことで醜い葛藤や目的が見えていて女の美しさとは秀逸に醜い部分を隠すことで成り立つのだと思った。 最初は見知らぬ世界の感覚を知るために(遊ぶために)昔自分に好意を持ってくれた人に近づいたが、なかなか自分の思いのままに動いてくれない男に対して焦燥感に見舞われる。 女が一方的に不誠実な世界を味わい最終的に捨てるだけのつもりが、どちらがどちらを思いのままに動かせるか。というバトルに変わっていった。だが男の方が常に一枚うわてだった。 アドバイスをもらいに仙人のような男の元を尋ねた時に「この考えは男の考えだわ。」といいアドバイスを投げやりにした時、三島由紀夫の女への皮肉を感じた
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手紙を破り捨てるラストの勢いの良さが良かった。 三島由紀夫の美しい語彙にひたすら酔いしれることのできるお話だった。
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かなりヘビーに感じたのは私の身体が女であり、諸々の肉体的ダメージを強く感じてしまうからかもしれない。 結局、節子のことを好きになれなかった。 不倫したことあったら理解できるのか?!? 終わり方は非常に好みだった。
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面白いんだけど頭に入ってこないのはやっぱり文体が私にはまらないんだよなあ、どこがと聞かれるとわからない。谷崎は好きなんだけどなー、谷崎よりも俺の文章かっこいいだろう感が嫌なのかもしれない。これかなあ笑 ギザギザしてるんだよなあーーーーー 谷崎は胸が高揚するってのがまさに合ってるけ...
面白いんだけど頭に入ってこないのはやっぱり文体が私にはまらないんだよなあ、どこがと聞かれるとわからない。谷崎は好きなんだけどなー、谷崎よりも俺の文章かっこいいだろう感が嫌なのかもしれない。これかなあ笑 ギザギザしてるんだよなあーーーーー 谷崎は胸が高揚するってのがまさに合ってるけど、三島はギザギザしていつも不気味っていうか、健康的じゃないっていうか、谷崎は健康的じゃないことしてても楽しんでるんよな、
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