ドイツ・ナショナリズム の商品レビュー
ドイツの政治と思想の歴史が凝縮して整理されており、現在に至るまでの流れがよくわかった。ナチ政権の反省から、過去を忘れようという動きだけでないとか、西欧の普遍とドイツの固有との狭間で、今もドイツは(実は)悩んでいるということも知ることができた。 ただ、史的事実に忠実に描かれ、著者...
ドイツの政治と思想の歴史が凝縮して整理されており、現在に至るまでの流れがよくわかった。ナチ政権の反省から、過去を忘れようという動きだけでないとか、西欧の普遍とドイツの固有との狭間で、今もドイツは(実は)悩んでいるということも知ることができた。 ただ、史的事実に忠実に描かれ、著者の意見はほとんど書かれていないので、読むのに少し退屈した面がある。著者撮影のものも含めて写真も多いのだが、各年代ごとの地図(一部しかない)や年表などの資料もあるとよかったかなと思う。
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かなり独特のわかりにくい文章で辟易した。結局言いたことは「おわりに」と「後記」に書かれている程度のこと。どんな義理で出版することになったのかはしらないが中公新書の編集部にも責はあると思う。 なんなんだこの人?と思って検索していくと著者のマックス・ウェーバーについての既出版物に対...
かなり独特のわかりにくい文章で辟易した。結局言いたことは「おわりに」と「後記」に書かれている程度のこと。どんな義理で出版することになったのかはしらないが中公新書の編集部にも責はあると思う。 なんなんだこの人?と思って検索していくと著者のマックス・ウェーバーについての既出版物に対する論評が見つかった。本書で私もこの論評者とまったく同じ感想を持ったので参照しておきたい。 (引用)以上、総じていえば、今野書は、その自負の大きさにもかかわらず、得意なはずの史実の発掘という点でも先行のマリアンネ『伝』およびモムゼン『伝』を大きく超えるものとはいえず、また、その史実、つまりウェーバーの政治的発言・政治思想の「分析」・解釈という点では、結局皮相で突っ込み不足が目立ち、しばしば一面的な解釈に陥っている。(引用終わり)
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「普遍」と「固有」の対立は近代日本、そして昨今ではロシアが直面している問題ではあるが、その先輩格?としてのドイツ史を辿る内容。所謂「戦後史」が半分を占めており、昨今の欧州事情まで言及されている点が特徴的で、東西分裂やその後の統合等については殆ど知らなかったので勉強になった。また著...
「普遍」と「固有」の対立は近代日本、そして昨今ではロシアが直面している問題ではあるが、その先輩格?としてのドイツ史を辿る内容。所謂「戦後史」が半分を占めており、昨今の欧州事情まで言及されている点が特徴的で、東西分裂やその後の統合等については殆ど知らなかったので勉強になった。また著者のある種相対化されたドイツ愛?も随所に感じられる点も面白い。時には批判され、時には模範となる、評価が定まらない印象のあるドイツだが、本書を通読するとその理由がなんとなくわかるような気がしてくる。題名から社会科学的な内容を期待したのだが、基本的には通史的な叙述でかなり細かいし、特に前半は西洋史の前提知識がないと結構読むのが大変(ちなみに後半は思想史的要素もある)。とはいえ、非西欧の日本や準?西欧のロシアが直面する「普遍」と「固有」の対立を理解する上で、ある種の「モデルケース」としてのドイツ史を把握しておくことは有益かつ重要であると言えるだろう(まとめ部分に相当する「おわりに」と「後記」は必読)。
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読みごたえがあった。「ドイツ的なもの」を考察するために2000年史になるとは思わなかったが、ドイツ史って、英仏と違い、国としての形が時代によってずいぶん変わるから、いまひとつピンと来ていなかった。メルケル後のドイツはどうなるのだろう、注目したい。 サブタイトルの「「普遍(=西欧的...
読みごたえがあった。「ドイツ的なもの」を考察するために2000年史になるとは思わなかったが、ドイツ史って、英仏と違い、国としての形が時代によってずいぶん変わるから、いまひとつピンと来ていなかった。メルケル後のドイツはどうなるのだろう、注目したい。 サブタイトルの「「普遍(=西欧的)」対「固有」の二千年史」の通り、歴史を紐解きながら丁寧にナショナリズムはどのようなものなのかを検討している。考えたらドイツ=ドイツ語を話す人、ではないのだよなー
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西欧の一体化と普遍の追求。 「68年世代」・・・ドイツ人が自らの過去を積極的に否定する「破壊からの再出発」が活発になり、1968年に学生叛乱が最高潮となる。このような「破壊による再出発」の唱道者を本書では「68年世代」と定義している。
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ドイツは欧州で主導権を握り影響力を高めるが、他国にも「正しい」行動を求める姿勢には反発も強い。メルケル後の欧州はどうなるのか
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