学術出版の来た道 の商品レビュー
タイトルがよく内容を表している一冊。 学術書の中でも、いわゆるジャーナル部分に焦点を当てて、その歴史的経緯から平易に叙述している。 出版社側を批判する論調が多い中、そのような議論だけでは見えてこない視点が多く、示唆に富む内容である。 特に、アカデミック側に対する厳しいコメントが...
タイトルがよく内容を表している一冊。 学術書の中でも、いわゆるジャーナル部分に焦点を当てて、その歴史的経緯から平易に叙述している。 出版社側を批判する論調が多い中、そのような議論だけでは見えてこない視点が多く、示唆に富む内容である。 特に、アカデミック側に対する厳しいコメントが多いが、要するに批判した先の学術界をどう機能させていくか、という視点で対案を示していると思う。 その覚悟があるかどうか、いくつかの先例が示している実践例をどう捉えていくのか、議論のボールを移す一冊になる内容である。
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学術出版の発達の歴史(機能の発達でもありビジネスモデルの発達でもある)が、近年のOA(や、一部オープンサイエンスも)の流れまで含めて書かれていた。 学術出版が、社会として捻出できる以上のコストを要するようになっているなら、量や質(論文の内容の質ではなく、学術出版の質)を社会が必...
学術出版の発達の歴史(機能の発達でもありビジネスモデルの発達でもある)が、近年のOA(や、一部オープンサイエンスも)の流れまで含めて書かれていた。 学術出版が、社会として捻出できる以上のコストを要するようになっているなら、量や質(論文の内容の質ではなく、学術出版の質)を社会が必要とする(コストを捻出できる)ところにまで適正化することも含めた検討が必要なんだろうかと思った。(もしくは量や質を落とさなくても対応できる仕組みを作れればその方がいいだろうけど・・) その過程では、現在学術出版社が提供してくれているもの(IFや便利なサービス)を自明としない意識や評価システムが重要で、大学運営側・研究者側の理解がないと進まないんだろうなと思った。
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