猫はわかっている の商品レビュー
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To Kill Timeな短編集。 作家さんは、村山由佳、有栖川有栖くらいしか知らない。あとの作家さんはラノベ系? もとより軽い読書と思って読んだから、軽い話ばかりでよかったのだけど、やはり作家のネームバリューと作品の質は比例するものか? よう知らんけど。 となると、読む順も考えないと、だんだん尻つぼみになってもつまらんと、冒頭にある村山作品を読んだあとは、お尻のほうから読んで、最後に有栖川作品ということにした。 村山作品はさすがだね。登場人物がそれぞれ際立つ造形もだし、「猫は、一生に一度だけ、人間の言葉を喋るん」という獣医のなにげない一言が効いてくる。 巻末の最終話だった望月麻衣の「幸せなシモベ」も悪くない。猫の超然とした生きる姿勢から自分の魅力に気づいていく主人公。「自分を偽らずにいる存在は、どうであろうと、魅力がある」 真理だ。 以下、お尻から遡って読む・・・ 嶋津輝 「猫とビデオテープ」は悪くないけど、猫、なくても成立じゃね? オチのビデオテープも「それ?」と、なんだかなー。 カサツマセツコ 「名前がありすぎる」こそ、猫、ほとんど関係ない。 長岡弘樹「双胎の爪」は、女性の恐ろしさを描くが、猫は出汁使われた程度。 阿部智里「50万の猫と7センチ」は、割と作家の実録なの?と思わせる感じで悪くない。「オカマバーでぼったくられた気分だ・・・」と嘆く親父さんのひと言が笑えた。 有栖川有栖 「女か猫か」は、読み始めてすぐ、あぁ、「学生アリス」シリーズの一環なのね、と。それなりにしっかりした作品だけど、手練れの作家、こんなのチョチョイノチョイと朝飯前に書いちゃうんだろうな。ファンは楽しいのかもしれないけど、猫は、どうでもよい作品。 推理小説、探偵小説のシリーズものって、だから好きじゃない。 結果、ふつうに降順で読んだので良かったかな。どうでもいいけど(苦笑)
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世界を取り戻す 村山由佳 女か猫か 有栖川有栖 50万の猫と7センチ 阿部智里 双胎の爪 長岡弘樹 名前がありすぎる カツセマサヒコ 猫とビデオテープ 嶋津輝 幸せなシモベ 望月麻衣
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―― 猫にもいろいろ居るように。 アリス目当てで珍しく猫短編集など読んでみたけれど(『猫は見ていた』に収録のエア・キャットを他で読んで気に入ったのもある)、猫好きにもいろいろ居ますなぁ。 にしても短編というのはどうにも、良いところも悪いところもはっきり出ちゃうよね...
―― 猫にもいろいろ居るように。 アリス目当てで珍しく猫短編集など読んでみたけれど(『猫は見ていた』に収録のエア・キャットを他で読んで気に入ったのもある)、猫好きにもいろいろ居ますなぁ。 にしても短編というのはどうにも、良いところも悪いところもはっきり出ちゃうよね。いまいちかなぁと思っていた作家さんのはやはりいまいちだし、反対に思わぬ出会いもあったりで、まぁほんとに肌が合うかどうかなんだけど… そうねぇ。結局のところキャラクタ、或いは物語そのものにさえ、生命性を感じてしまうタイプなのよね。極端に云うなら作家の仕事は、生まれてきた物語を伸びやかに世に放ってあげるブリーダー的なものなんじゃないかと思っていて、きっとその育て方? に好き嫌いが出てくるのだ。キミはこういう物語なんだよー、みたいのが嫌いで、だから登場人物Aくんはこんなふうに感じてこんなこと口に出しちゃおうねー、みたいなキャラクタが苦手になりがち(そんなこと云ってるから満足に書けないんだと云う思いもあり〼)。 その点、猫をキーワードに上手にテーマを定めた短編は楽しく読めましたね。なるほど猫っぽい物語、ということなのかもしれない。 なんでも猫派犬派、って分ける風潮をそこそこ面白がって居たけれど、遂に物語にまでその魔手が! 総合2.5ってとこかしら。にゃんにゃん。なら2.2か?
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【人気作家による猫アンソロジー。文庫オリジナル!】〈猫は一生に一度、人間の言葉を話す〉〈姉から預かった猫が私の人生観を変えて…〉愛しくもミステリアスな猫が大活躍の七編。
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