オリンピックにふれる の商品レビュー
オリンピックがお話のどこかを一瞬よぎったりする短編集。 周回遅れ、パリオリンピックの最中に読むのもいとをかし。 今のパリの祝祭めいた会場の様子と、東京を扱った最後の一編との落差(そうそうそんな感じだったよ、と思い出した)に、東京オリンピックとは、つくづくとことんどこまでも運に見放...
オリンピックがお話のどこかを一瞬よぎったりする短編集。 周回遅れ、パリオリンピックの最中に読むのもいとをかし。 今のパリの祝祭めいた会場の様子と、東京を扱った最後の一編との落差(そうそうそんな感じだったよ、と思い出した)に、東京オリンピックとは、つくづくとことんどこまでも運に見放された大会だったとの感慨を新たにした。
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スポーツがテーマの短編4篇。 タイトルの「オリンピックにふれる」は「東京花火」に直接関わってくる。 コロナ禍で無観客で行われた2021年のオリンピック東京大会。 もしコロナがなかったとしても実際に競技場まで足を運んだかは怪しいものだが、参加できそうでできなかったという不全感は抱...
スポーツがテーマの短編4篇。 タイトルの「オリンピックにふれる」は「東京花火」に直接関わってくる。 コロナ禍で無観客で行われた2021年のオリンピック東京大会。 もしコロナがなかったとしても実際に競技場まで足を運んだかは怪しいものだが、参加できそうでできなかったという不全感は抱えている。 「東京花火」を読んだ時、だから藤井がなぜあんなにくだらないトライをしてまで、オリンピックにふれようとしたのか、なんだか痛切に共感できた。 そもそも、東京という街自体が、ふれられそうでふれられない街だ。 生まれてこの方、ずっと東京に住んでいて、ほとんどの時間を都内で過ごしているけれど、この街の一員であると思えたことはほとんどない。 ♪Paprika/Japanese Breakfast(2021)
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東京花火 吉田修一さんは、国立競技場周辺に住まれていた認識。 何より物理的に近い場所に住んでいたことがある、もしくは住まれているから、人一倍、いや人十倍くらいオリンピックを自分ごとのように楽しみにしていたのではないか。 この小説の臨場感は、テーマと文章力の組み合わせで大優勝。...
東京花火 吉田修一さんは、国立競技場周辺に住まれていた認識。 何より物理的に近い場所に住んでいたことがある、もしくは住まれているから、人一倍、いや人十倍くらいオリンピックを自分ごとのように楽しみにしていたのではないか。 この小説の臨場感は、テーマと文章力の組み合わせで大優勝。私としても最高にすきなテイストだった。 ちなみに私も、東京オリンピックの開会式のときは外苑前にいた。 お昼には五輪飛行を行う「ブルーインパルス」が空を舞ったため通行人みんなが空を見上げたり、 オリンピック関係者用の顔つきストラップを首から下げる外国人が行き来する光景に非日常を感じて興奮するなどしたっけ。 私も藤井も、それからあの日外苑前にいた人はみんな、コロナ禍ではあるが外出しあの場に行って、生きてる間にもう二度とないであろう「東京オリンピックが開催された年に東京に住んでいる」という事実を、優越感を、語り継げるくらいの経験に落とし込みたかったんだ。
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各国のアスリートの話 海外ものは苦手だけど、さらりと読めた 1番好きだったのは最後の章 コロナ禍での東京オリンピックについて
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香港、上海、ソウル、東京を舞台にスポーツ選手の光と翳が描かれた短篇集。4つの都市が舞台であり、どの作品も、その土地の情景や人々の息遣いが目に浮かんでくる。ラストの短編「東京花火」は東京オリンピックを描いた作品で、一番面白かった。最近の吉田(修一)さんの作品はエンタメ系が多かったが...
香港、上海、ソウル、東京を舞台にスポーツ選手の光と翳が描かれた短篇集。4つの都市が舞台であり、どの作品も、その土地の情景や人々の息遣いが目に浮かんでくる。ラストの短編「東京花火」は東京オリンピックを描いた作品で、一番面白かった。最近の吉田(修一)さんの作品はエンタメ系が多かったが、この作品は純文学っぽいというか純文学(そういえば吉田さんは芥川賞作家だった)。「怒り」や「悪人」ではない純文学路線の吉田さんの作品が読みたい方はぜひ。
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短編集であるのだが、物語全体を通して、登場人物を取り巻く背景や生活の息づかいが感じられる。 躍動感であり静寂であり、絶妙なさじ加減は作者の才能なんだろう。 設定もごく普通で、登場人物はたいして特徴もないけれどコロナ禍をおり混ぜて描かれた《東京編》が自分は好き。 文中より。...
短編集であるのだが、物語全体を通して、登場人物を取り巻く背景や生活の息づかいが感じられる。 躍動感であり静寂であり、絶妙なさじ加減は作者の才能なんだろう。 設定もごく普通で、登場人物はたいして特徴もないけれどコロナ禍をおり混ぜて描かれた《東京編》が自分は好き。 文中より。 スポーツが教えてくれるのは勝つことじゃない。 負けてもいいってことだ。 負けることが、決してかっこ悪いことじゃないってことをスポーツは教えてくれるんだ。
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『パレード』から吉田修一さんを追いかけているけど、この本もやっぱり吉田さんの匂いがする。 文章や行間や、なんと表現したら良いか、登場人物の淡々とした感じや、どことなく近未来的な流れが吉田修一だなぁと思う。 最後の『東京花火』に出てくる、「東京とは、一体どこにあるのだろうか」とい...
『パレード』から吉田修一さんを追いかけているけど、この本もやっぱり吉田さんの匂いがする。 文章や行間や、なんと表現したら良いか、登場人物の淡々とした感じや、どことなく近未来的な流れが吉田修一だなぁと思う。 最後の『東京花火』に出てくる、「東京とは、一体どこにあるのだろうか」という問いは、上京した18歳の頃から私も考えている。 新宿でも池袋でも渋谷でもなく、でもそのどれでもあり、実在するようなしないような、東京に憧れる人達が作り上げる東京のようなもの。 同じようなことを吉田さんも考えていたとしたら、嬉しい。 「何かが駄目になったからといって、すべてを諦めることもないのだ」97ページ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まずもってビックリしたのが、内容を一切知らずに読み始めましたのでね、エッセイだと思って読み始めたんですよ。吉田修一さんが、オリンピックに関するあれこれの思いを綴ったエッセイだとばっかり思って、読み始めたんですよ。 小説やんか! というね。そこにビックリした。本題と全然ちゃいますけど、とりあえず、マジでビックリしました。 で、四作の短編を読み終えて思ったことは、まずもってタイトルが見事だな、と。 オリンピックにふれる 収められた四つの短編集は、最後の一作品は、ガッツリと新型コロナウイルス禍の2021年開催の2020東京オリンピックとガッツリ絡めての作品なんですが、 他の3作品は、凄くサラッと、ほのかに、オリンピックがでてくる。それぞれの登場人物にそれぞれの人生があって、それが、その人が生きている時代の、オリンピックと、ちょっとだけ絡まる。まさに、オリンピックに「ふれる」なんですよね。 がっつり関わる訳ではない。がっちりオリンピックと向き合ってるのではない。その人の人生に、オリンピックが、ちょっと関わる。その感じが、まさに「オリンピックにふれる」なんですよね。いやあ、上手いタイトルだなあ、ってね、思いました。 ま、最後の2020東京オリンピックの短編は、がっつりオリンピックに関わってる絡み合ってる作品ですけどね。だってまさにオリンピック(会場)に触れようとする話ですもん笑。そっちがメインかい!という気もしますが、個人的には、最後の短編以外の3編の登場人物の、オリンピックの関わり方、触れ合いかた。そちらに、この作品の題名の面白さを感じちゃった次第ですね。 あと、単行本の表紙のデザインが素晴らしい。写真とCG?を組み合わせた、コラージュ作品?らしいのですが、途轍もなく不穏で、何とも素晴らしい。「omi」さんというグラフィックデザイナー?のかたの作品らしいのですが、いやあ、素晴らしい。思わずネット検索かけて、ツイッターをフォローしてしまいました。できれば、数年後に文庫化される際も、この表紙のデザインで行って欲しいです。と、余計なことまで思ってしまいました笑。それほど、この単行本の表紙のデザインは、好きです。
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変貌をとげるアジアの街で、人生の岐路に揺れる若者たち。コロナ下の東京に、オリンピックの幕が上がる。2021年東京オリンピックと同時進行で『読売新聞』に連載された作品ほか3作品を収録。 佳作とそうでない作品の落差が大きいというのが私の吉田修一に対する評価。残念ながら本作は… (D...
変貌をとげるアジアの街で、人生の岐路に揺れる若者たち。コロナ下の東京に、オリンピックの幕が上がる。2021年東京オリンピックと同時進行で『読売新聞』に連載された作品ほか3作品を収録。 佳作とそうでない作品の落差が大きいというのが私の吉田修一に対する評価。残念ながら本作は… (D)
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22/02/11 らしくないテーマ選びな気がしたけど、短編はどれも吉田修一らしいものだった。タイトル変えたほうがいいのでは。。
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