君の顔では泣けない の商品レビュー
野性時代新人賞。 冲方丁、辻村深月、森見登美彦の選評が載っているだけでお得感。 男女入れ替わりというよくある設定ながら、元に戻らずに何年も過ごす2人を描いてくれているのは新しい。 性に関する場面も逃げずに、しかし生々しさは極力避けてあっさりめに書いてくれていたのも良かった。 すご...
野性時代新人賞。 冲方丁、辻村深月、森見登美彦の選評が載っているだけでお得感。 男女入れ替わりというよくある設定ながら、元に戻らずに何年も過ごす2人を描いてくれているのは新しい。 性に関する場面も逃げずに、しかし生々しさは極力避けてあっさりめに書いてくれていたのも良かった。 すごく読みやすく、感情移入もしやすかった。 水村さんがすごく落ち着いていて、大人で、好感が持てたし、坂平くんの夫となった涼くんもすごく穏やかで優しい人だなと感じて、坂平くんの近くにいてくれて本当に良かったと思えた。
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久々に一気読みしちゃうくらい引き込まれる本だった。 よくある入れ替わりネタではなくて、予想ができない展開でワクワクした。ファンタジーなのに妙にリアルで読んでて楽しかった
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一年に一度、7月に会う約束をしている男女、坂村と水村。 序盤、どっちが話してるのか混乱しだすのは作者からの最初の仕掛け。 『 君の顔では泣けない 』は、この身体と顔では泣けないという責任感か。 この人生を生きようと諦めたり、戻るという願いを捨て切れなかったり。 自分が他人で...
一年に一度、7月に会う約束をしている男女、坂村と水村。 序盤、どっちが話してるのか混乱しだすのは作者からの最初の仕掛け。 『 君の顔では泣けない 』は、この身体と顔では泣けないという責任感か。 この人生を生きようと諦めたり、戻るという願いを捨て切れなかったり。 自分が他人であることに、違和感を持ってくれてた弟や友人に、心動かされたり。 また、受け入れざるをえなかった性差についても、しっかり描かれている。 映画やドラマでありがちな設定ながら、 高校時代から15年という歳月を、行きつ戻りつ、巧緻な筆力で描いていて、読まされた。 ラストは、もっと深い余韻が残る表現にしてほしかったけど。 15年を経た二人が、夜の高校校舎にもぐりこみプールにダイブして…そしてどうなったか。 その後を書かずに留めたことは、最良の選択にも思えた。 『 水平線は回転する 』というタイトルで、野生時代新人賞を受賞した時の、 沖方丁 / 辻村深月 / 森見登美彦による選評が、巻末に収められており、それも興味深く読んだ。 #君の顔では泣けない #君嶋彼方 #読了
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男女が入れ替わる、よくある物語かと思ったら全く違った。 高校1年のとある出来事から入れ替わってしまい、 その後15年経っても元に戻らない。 その間に恋愛、進路、仕事、結婚、出産と様々な出来事が起こる。。 〝あんな人に生まれ変われたらな〜”なんて脳天気な事考えたことも多々あった...
男女が入れ替わる、よくある物語かと思ったら全く違った。 高校1年のとある出来事から入れ替わってしまい、 その後15年経っても元に戻らない。 その間に恋愛、進路、仕事、結婚、出産と様々な出来事が起こる。。 〝あんな人に生まれ変われたらな〜”なんて脳天気な事考えたことも多々あったけれど、 冷静に、現実的に考えてみたら、ある日を境に全く違う人間として生きていくということは、家族や友達、これまで関わってきた全ての人たちとの関係も無くなってしまうということ、男になってどう生きていけばいいのか全く想像がつかない自分が居て、ゾッとした。 辻村深月さんが最後に選評で書いていた言葉が、とっても共感できた。 この物語の続きも気になるところです。 2022年読了、7冊目。
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高校1年のとき、坂平陸は同じクラスの水村まなみと体が入れ替わってしまった。他の誰にも打ち明けられず、元に戻る方法もわからないまま、二人は別人、別の性として生きることになる。進学、就職、恋愛、結婚、親の老い。次々にやってくるライフイベントに戸惑いながらも15年が過ぎ…。 男女の入れ...
高校1年のとき、坂平陸は同じクラスの水村まなみと体が入れ替わってしまった。他の誰にも打ち明けられず、元に戻る方法もわからないまま、二人は別人、別の性として生きることになる。進学、就職、恋愛、結婚、親の老い。次々にやってくるライフイベントに戸惑いながらも15年が過ぎ…。 男女の入れ替わりは青春物の定番だが、戻れないまま別の人生を生きなければならないという設定が斬新。女性として生きることになった陸の戸惑いに焦点が置かれるが、一見異常な状況に見えて実は「誰もがままならない人生を懸命に生きているのだ」という普遍的な真実を浮かび上がらせる仕組みに唸らされる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
着物顔では泣けないってそういうことか!! と思いました。 タイトルだけで読むことを決めたのでそういう内容だとは思わなかったのですよね。 内容は男女の身体と心の入れ替わりもの。 よく書かれる内容ではありますが、この本の中ではしれが戻らない。 15年も。 ジェンダー的なものに触れつつ お互いの人生や人格を尊重しつつ・・・ という描写に現代を感じました。 この作品で新人賞を獲得した方らしいので別の作品も楽しみにしたい。 でも、巻末の新人賞の書評は個人的にはいらなかったかなぁと。 当然新人賞の書評ですから他の作品にも言及していて「この本」の話だけじゃないんだよね。 書籍はその作品で完結してほしい・・・。
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うわー。 すごい作品に出会った… 最後にある書評、特に辻村深月さんのが素晴らしく頷きながら読みました。 ほんと、その通りなのです。 文章力のないわたしからはそんな感想は出てこないのですが、その通りなのです。 なので、私からは、すごいの一言で…笑 これは、読むべき。 だれのネタ...
うわー。 すごい作品に出会った… 最後にある書評、特に辻村深月さんのが素晴らしく頷きながら読みました。 ほんと、その通りなのです。 文章力のないわたしからはそんな感想は出てこないのですが、その通りなのです。 なので、私からは、すごいの一言で…笑 これは、読むべき。 だれのネタバレも踏まずに、読むべき。 何も知らずに。 ネタバレ大好きな私なのに、そう思ってしまった御本。 本作がデビュー作とのこと。これからの作品が楽しみです!
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入れ替わりもの、ということで、よくある設定なのだけれど元に戻らないのはあまり読んだことがなかったな。話が男性目線で進んでいくのも新鮮だった。水村さん視点も見てみたいなぁと思った。 自分の見た目をした人間が目の前にいるってどんな感じなんだろう。入れ替わることでわかること、感じ方はき...
入れ替わりもの、ということで、よくある設定なのだけれど元に戻らないのはあまり読んだことがなかったな。話が男性目線で進んでいくのも新鮮だった。水村さん視点も見てみたいなぁと思った。 自分の見た目をした人間が目の前にいるってどんな感じなんだろう。入れ替わることでわかること、感じ方はきっと様々なんだろうけど、その場の環境とかで生き方って変わっていくのだろうな。
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最初の一行を読んだ時とは全然違う話の方向にいったので、ハッとさせられました。しかし、男女の身体が入れ替わってしまう、よくあるファンタジーなストーリーで、このまま飽きずに読了できるだろか、と心配でしたが最後までページを捲るテンポが落ちませんでした。ファンタジー要素より、現実的に考え...
最初の一行を読んだ時とは全然違う話の方向にいったので、ハッとさせられました。しかし、男女の身体が入れ替わってしまう、よくあるファンタジーなストーリーで、このまま飽きずに読了できるだろか、と心配でしたが最後までページを捲るテンポが落ちませんでした。ファンタジー要素より、現実的に考えさせられる部分が多々ありました。この作品は違うタイトルだったみたですが、改題したみたいですね。今のタイトルだからこそ、良い意味で最後まで話の展開を引っ張れたと思いますが、私的には選考に出した時の「水平線は回転する」の方が好きです。
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「転校生」に代表される男女入れ替わりをテーマにした一作。 ただし、この物語は入れ替わったまま15年元に戻れない2人を描く。 読んだ人と感想を語り合うと面白そう。
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