雲と風と 改版 の商品レビュー
仏教の真髄 最澄と空海、日本の仏教の礎を築いた僧侶の人生は、国を司る桓武天皇、嵯峨天皇により左右されていたことを改めて知る。政治と宗教がどこかで頼り合い、ぶつかり合う姿を本書で詳しく知る事で人間の愚かさ、脆さを知ることが出来る。桓武天皇は「呪い・祟り」で悩まされ、もがき求め、嵯峨...
仏教の真髄 最澄と空海、日本の仏教の礎を築いた僧侶の人生は、国を司る桓武天皇、嵯峨天皇により左右されていたことを改めて知る。政治と宗教がどこかで頼り合い、ぶつかり合う姿を本書で詳しく知る事で人間の愚かさ、脆さを知ることが出来る。桓武天皇は「呪い・祟り」で悩まされ、もがき求め、嵯峨天皇は時代の仏教文化の素晴らしさを探し求めたと言う、それが「法華経」vs「密教」であり、時代とともに人々の求める仏教思想も変わるということ。
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生身としての最澄像の復元に精魂尽くして描かれているという印象。 そこには、「天台宗の開祖」という、歴史の授業で丸暗記させられたような無味乾燥な最澄という言葉からは想像もつかないような人生の奔流が凝縮されている。 真面目で一途、自分にはとても厳しいが他人には優しい人格者でありながら...
生身としての最澄像の復元に精魂尽くして描かれているという印象。 そこには、「天台宗の開祖」という、歴史の授業で丸暗記させられたような無味乾燥な最澄という言葉からは想像もつかないような人生の奔流が凝縮されている。 真面目で一途、自分にはとても厳しいが他人には優しい人格者でありながら、世情には疎く世渡りも不得手という等身大の天台宗開祖の姿を見れた気がします。 対照的な存在に弘法大師空海がおりますが、最澄と空海、どちらが好きかでその人の性格がわかるかも。
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苦悩する帝王桓武との魂の交わり、唐への求法の旅、空海との疎隔――。最澄の思想と人間像に迫った歴史長篇。吉川英治文学賞受賞作。〈解説〉末木文美士
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