地下鉄のザジ 新版 の商品レビュー
ずっと前から中公文庫に入っていたのは知っていたのだが、新版が出たことから購入、読んでみた。 母親と共にパリを訪れたザジ。母は恋人に会うためにパリに来たため、ザジは伯父のガブリエルに預けられる。彼女は地下鉄に乗ることを楽しみにしていたのだが、あいにくストのため地下鉄は動いておら...
ずっと前から中公文庫に入っていたのは知っていたのだが、新版が出たことから購入、読んでみた。 母親と共にパリを訪れたザジ。母は恋人に会うためにパリに来たため、ザジは伯父のガブリエルに預けられる。彼女は地下鉄に乗ることを楽しみにしていたのだが、あいにくストのため地下鉄は動いておらず、仕方なく車で伯父の家に行く。しかし、おとなしくしていないザジは家を抜け出してしまうのだった。 「けつ喰らえ」が口癖のように、ザジはちょっと下品でおしゃまな女の子。そして彼女の周りに現れる大人たちは、伯父のガブリエルを始め皆かなりおかしな連中ばかりで、ザジに負けず劣らず口汚い。始めのうちは人物の関係性などが分かりづらかったが、ほとんど会話で進んでいくので、途中からは展開にのれるようになってきた。 奇妙な冒険を乗り越えて母と再会したザジは、母から「何をしたの?」と聞かれ、「年をとったわ」と答える。いい終わり方だ! 本書には、植草甚一のルイ・マルの映画「地下鉄のザジ」についての映画評が付されている。実に魅力的な紹介で、映画も是非観たくなった。
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昔からそうなのだけど、こういう小説を面白いと言える人になりたいと願っています。そして、昔も今も、面白いと言えない私です。 この小説の良さの分かる人になりたいと願うばかりです。
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地下鉄に乗ることを楽しみにパリを訪れた少女ザジ。ストで念願かなわず、街で奇妙な二日間を過ごす。文学に新地平を拓いた前衛小説。〈新版解説〉千野帽子
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