雨やどり の商品レビュー
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岡本さとる「雨やどり」、駕籠屋春秋 新三よ太十シリーズ№3、2021.9発行。不死身の男、帰ってきた男、雨やどりの連作3話。不死身の男が見事でした。
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このシリーズも抜群にお気に入り! 貧乏な百姓の子供で、飢饉で親を亡くした二人、 新三と太十。二人は子供ながらに力を合わせて生き抜いてきた。あるとき拾ってくれた武士から剣術を学び仕事を得る。 その大恩ある武士とその上司を藩の内紛で亡くし、仇を打とうと江戸に出る。 そんな事情がやっ...
このシリーズも抜群にお気に入り! 貧乏な百姓の子供で、飢饉で親を亡くした二人、 新三と太十。二人は子供ながらに力を合わせて生き抜いてきた。あるとき拾ってくれた武士から剣術を学び仕事を得る。 その大恩ある武士とその上司を藩の内紛で亡くし、仇を打とうと江戸に出る。 そんな事情がやっと見えてきた第2巻に続き第3巻目。 人柄も腕っ節も(これは隠している)籠かきとしての腕もいい二人には指名されての仕事も多数。 あるとき大店の手代を乗せての仕事を頼まれる。 そこにはその手代の父親との因縁があり。。。 不思議な御仁をカゴに乗せることになった二人。 駕籠代金を踏み倒す心配はないものの、客の望み通りに各所を回るが客が言っていた店や屋敷は跡形もなく、不思議なその人生の話を聞くが半信半疑のふたり。 どうも体の様子が悪そうな客。 不思議な仕事の結末は? あるときあるとき、身投げをしそうな女を見た太十は。 毎回、二人の人を見つめる観察眼や、登場人物たちの必死で生きる人生を共に垣間見てほろりと涙を誘われる。 心がスッとする爽やかな読後感が魅力なシリーズ。
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202109/シリーズ3作目。一話目「不死身の男」のラスト(駕籠内の宗兵衛の涙声、かきけす新三と太十の掛け声)、こういうドラマのエンディングのような情景が浮かぶ描写がうまいな~。二話目「帰ってきた男」はおとぎ昔話のようなほら吹き爺さんの話。作者の筆ものってる道中話で笑わせて泣かせる展開、そしてゾクっとさせる余韻あるラスト、という構成のお手本のような物語だった。表題作でもある三話目「雨やどり」、身投げしようとしていた訳あり女性・おそのを助けた太十。おそのを守り救うべく、新三や駕籠留の面々も協力して…という話。今回はエピソード的にも、新三と太十の性格の違いがより際立って描写された印象。このおその、やたら「苛々する女」「困った女」と評されるキャラなんだけど、駕籠留のお龍お鷹姉妹もなんだかんだ彼女に気遣い、二人の人の好さが出てるのも良かったし、周囲の人達による優しい結末も良かった。
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