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杉浦日向子ベスト・エッセイ の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/04/06

杉浦日向子さんをご存知だろうか。 私は全く知らずに読み始めたので、中盤までは馴染めないまま読んでいた気がする。 読んでいくごとに、人柄やその好きな得意な分野が現れてきて、目の付け所が面白いと共感しながらであった。 特に往復書簡こ中で、旅についての自論を展開していく部分、当たり前...

杉浦日向子さんをご存知だろうか。 私は全く知らずに読み始めたので、中盤までは馴染めないまま読んでいた気がする。 読んでいくごとに、人柄やその好きな得意な分野が現れてきて、目の付け所が面白いと共感しながらであった。 特に往復書簡こ中で、旅についての自論を展開していく部分、当たり前だがとても頷けるものでした。 旅とは歴史と付き合うこと。遠くへ行くばかりが旅ではない。という部分、私の思考の癖を考えさせられた一節だった。

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2022/05/14

発表順に並べられたエッセイを読み、筆致の凄みが増していくのを感じた。初期も晩年近くも、憧れを語る時の文が良い。 江戸に限らず現代でも俗なものを愛して楽しみ、病の平癒・生死をまっすぐ見据え、綴られる各篇は、読後の思索も豊かになる。

Posted byブクログ

2022/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

後書き松田哲夫氏 ほぼ発表順に並べた本作 『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『江戸アルキ帖』『一日江戸人』『大江戸風流さんぽ道』 『東京イワシ頭』からのスッポンポン 篇 『呑々草からの巷の七のトライバスロン 『入浴の女王』からの餐の三の四条木屋町 明石湯 そういえば他作品で好きだった年に5回美味しいもの食べて、いい人と会って、、の回は無かったな 原発への見解が興味深かった。 「今は、原発と住みたいと思っています。(原発はキライだけど)原発を「必要悪」だなんてヌカすベラボーがいます、世の中に必要な悪なんかあるわきゃーない。必要な以上は善じゃなくっちゃヘンです。でもって、原発がどーしても必要で全廃できないのなら、トーゼン使用量の多い東京に集中して築くべきです。必要で良いものだけれど、何かあるとコマルから、田舎のほーに置いとこうてのは心底アッタマに来る。」 タイトルは『東京とサイゴまで付き合うぜ!!』 入院や病院に関する回もちらほら。 美人絵の変遷や古川柳の紹介も面白い。 (小学生の時に触れたサラリーマン川柳好きだけれど 最近は哀愁漂う内容とペンネームになってきた) 港区芝出身との事。 高校生の時の話もあるが 個人的に都会と田舎の子は5歳くらい違うと思う。 今はSNSも発達しているが、経験値というものもある。 よって、彼女のこの性格は小さいころから東京のど真ん中で地方出身者なら大学生になってから、もしくは一生経験しない事を経てきた人生があったからかなぁ、との思った。

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2021/10/02

梨木香歩「不思議な羅針盤」で日向子さんの生き方を褒めていたなあ。 思い返せば、僕は闘病のことを知らなかったので、呑兵衛暮らししてないで漫画に復帰して欲しいと思っていたんだ。苦しさを見せず気楽さを装って去っていった人。 若い頃の文は威勢がいい。日向子節のタンカの切り方に惚れ惚れす...

梨木香歩「不思議な羅針盤」で日向子さんの生き方を褒めていたなあ。 思い返せば、僕は闘病のことを知らなかったので、呑兵衛暮らししてないで漫画に復帰して欲しいと思っていたんだ。苦しさを見せず気楽さを装って去っていった人。 若い頃の文は威勢がいい。日向子節のタンカの切り方に惚れ惚れする。若旦那や若隠居になることを願っている文に、「トンでもない奴」「花のお江戸の若旦那」を想い出す。役に立たなくて、面白おかしく生きている主人公たち。 「江戸のおんな」の浮世絵の美女の変遷は、流石「二つ枕」の作者による分析。「二つ枕」は高橋克彦「浮世絵ワンダーランド」のあとがきで絶賛されていたので手にしたんだが、あれ、これ春信か、じゃあこっちは歌麿で、こっちは英泉かと気付いた時の驚きを想い出す。 「東京いわし頭」「入浴の女王」などは当時に読んでいる。何で漫画描かないんだろ、漫画を描く気力とエッセイを書く気持ちは別なのかと思いながら読んだな。改めて読み返すと、やっぱり熱量の高い文章。 書評の病気や死に関するものや墓の話。自分に付き纏うモノをじっくり見据えていたんだなと思う。 惚れ直す気持ちと寂しい気持ちがない交ぜになった読書だった。

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2021/09/30

杉浦日向子さんのベスト・エッセイということで、20代から晩年までの作品が精選されている。私にとってはテレビ出演の時の印象が強かったので、こんなに弾けたり怒ったりする文章や、無茶な旅行記(東京-鹿児島0泊3日)を書いていたこと自体が発見だった。 帯の「生きて在るこの自分の時間をこ...

杉浦日向子さんのベスト・エッセイということで、20代から晩年までの作品が精選されている。私にとってはテレビ出演の時の印象が強かったので、こんなに弾けたり怒ったりする文章や、無茶な旅行記(東京-鹿児島0泊3日)を書いていたこと自体が発見だった。 帯の「生きて在るこの自分の時間をことほぐ」は、まさに杉浦さんを象徴する一文と思う。もっとも、これは本書には収録されておらず、松田哲夫氏の解説によると、『ソバ屋で憩う』のあとがきとのこと。

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2021/09/16

かつて編集者としてだけでなく路上観察学会設立メンバーとしても親しく交流があった松田哲夫さんによる編集。単行本未収録作も少なからず。 わたしの杉浦日向子との出会いは最晩年の読む漫画ともいうべき掌編集「四時のおやつ」「ごくらくちんみ」で、それから江戸関係のエッセイや「東のエデン」「...

かつて編集者としてだけでなく路上観察学会設立メンバーとしても親しく交流があった松田哲夫さんによる編集。単行本未収録作も少なからず。 わたしの杉浦日向子との出会いは最晩年の読む漫画ともいうべき掌編集「四時のおやつ」「ごくらくちんみ」で、それから江戸関係のエッセイや「東のエデン」「百日紅」といった漫画作品にさかのぼっていった感じだった。

Posted byブクログ