私のおばあちゃんへ の商品レビュー
六人の女性作家が「私のおばあちゃん」を描く。自分の将来の姿や娘の目を通した姿など、年を取るってどんなことなのかを垣間見せる。나의 할머니에게(私のおばあちゃんへ)
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※このレビューにはネタバレを含みます
おばあちゃん子の私はこのタイトルに所謂「おばあちゃん」的なものを求めて手にとった。 おばあちゃん的なものとは、世間一般に「おばあちゃん」という呼び名から連想されるような、孫を慈しむとか、重ねた年月の数だけ刻まれた皺が人生を語るみたいな典型的おばあちゃん像。 韓国でいう「ハルモニ(おばあちゃん)」も大体同じニュアンスだと思われる。 しかしこのタイトルは罠だ。 なぜなら内容が見事にこういったイメージを裏切っているから。 「私のおばあちゃんへ」とは、懐かしいおばあちゃんの面影を求めて感傷的にこの本を選ぶ私のような人間に「おばあちゃんとは30年後のお前のことだ!」と、残酷な現実を突きつけるためにつけられためちゃめちゃ意地悪なタイトルだと思う。 でもその効果は絶大。 「おばあちゃん」という言葉が、いかに人間としての個を鑑みない残酷な言葉であることか。 「子供」「若者」「お母さん」しかり。 すべて1人の人間の通過点に過ぎないということを痛感させられる。 「おばあちゃん」という生き物はいない。 私自身が「孫」と「おばあちゃん」の中間の年齢であり、老いの兆しが見えはじめたこともあってか、ちょっとしんどい部分もあったが目からウロコの思いで読みました。
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自分の祖母のこと、母の老いのこと、祖母と母の違うところ、自分の近い将来などに思いを馳せながら読んだ。特に後半の四篇はそれぞれに余韻とインパクトがあった。
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