福祉国家 の商品レビュー

デイヴィッド・ガーランド(著者),小田透(訳者)

2023/04/25

　発展の可能性と引き換えに人間性を喪失させかねない資本主義経済の危険性、それへの一種のブレーキ、安全弁として編み出された福祉国家の理念や重要性を再確認したうえで、それが現代に至るまでにどのような形でどのような成果を挙げ、そして今いかなる攻勢に晒されているかを論じた著作。
　現代の国家システムにとって不可欠のものとなったはずの「福祉国家プログラム」がなぜ危機に瀕しているか、またそれ自体がもつ限界はどこにあるかといったところまで、眼前の現実に即した論述が展開されている。