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アンゲラ・メルケル の商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

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2023/02/05

フランス人ジャーナリストが、異国の宰相にここまで徹底的に取材して、ここまでの本に仕上げるなんて…。もちろん全てが成功だったわけではないが、それでもメルケルさんに16年も率いてもらったドイツを羨ましく思う。 もし、まだメルケルさんが在職だったら、このロシアとウクライナとの戦争は、...

フランス人ジャーナリストが、異国の宰相にここまで徹底的に取材して、ここまでの本に仕上げるなんて…。もちろん全てが成功だったわけではないが、それでもメルケルさんに16年も率いてもらったドイツを羨ましく思う。 もし、まだメルケルさんが在職だったら、このロシアとウクライナとの戦争は、何か変わっていただろうか…。

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2023/01/30

たまたまテレビでメルケル特集を見て、メルケルという人をもっと知りたいと思い手に取った本。 東ドイツ出身・科学者・女性という誰とも似ていないバックグラウンドを持つこと、論理的かつ慎重で、きっちり仕事をこなす性格であること、静かな野心を持ちコールやシュレーダーを追い落としてきたことな...

たまたまテレビでメルケル特集を見て、メルケルという人をもっと知りたいと思い手に取った本。 東ドイツ出身・科学者・女性という誰とも似ていないバックグラウンドを持つこと、論理的かつ慎重で、きっちり仕事をこなす性格であること、静かな野心を持ちコールやシュレーダーを追い落としてきたことなど、興味深く読むことができた。 在任16年の間にリーマンショック、ギリシャの財政破綻、ブレグジット、難民問題、新型コロナなど重大問題が多数あり、対峙した他国のリーダーも錚々たる顔ぶれで、よく任期を全うしたものだと素直に尊敬の気持ちが湧いてきた。

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2023/01/03

評伝は巨人であればあるほど対象ではなく書き手の政治歴史観が問われるとはよく言ったものでヴェイユ賞受賞の元ルモンドの女性記者の本書はひたすら尊敬とエピソードを並べるだけで全然あかん。

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2022/08/26

2022年8月 メルケルさんの半生に迫った本。有名な人、有名でない人、名前を出してくれる人、出さない人、いろんな方に取材していて、読み応えありだった。訳文は読みやすかったが、いかんせん無知でヨーロッパの歴代首脳たちとのエピソードは読んでいて時間軸が混乱しがち。政治家の名前をググり...

2022年8月 メルケルさんの半生に迫った本。有名な人、有名でない人、名前を出してくれる人、出さない人、いろんな方に取材していて、読み応えありだった。訳文は読みやすかったが、いかんせん無知でヨーロッパの歴代首脳たちとのエピソードは読んでいて時間軸が混乱しがち。政治家の名前をググりながら読んだ。 東ドイツの全体主義的な世界から西ヨーロッパの自由主義に解き放たれた才能ある女性のサクセスストーリーではあるはずなのだが、読後感としては愚直に任務を実行する辛抱強い人間の物語だった。

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2022/08/15

16年間の長きにわたってドイツの首相を務め、昨年政界を引退したメルケルさんの評伝本。 著者はフランスのジャーナリスト。 メルケルさんは東ドイツに生まれ、物理学者への道を歩んでいたが、ベルリンの壁崩壊後のドイツ統合を機に政治を目指す。 物理学者らしい論理的な思考と、人間関係の抜群の...

16年間の長きにわたってドイツの首相を務め、昨年政界を引退したメルケルさんの評伝本。 著者はフランスのジャーナリスト。 メルケルさんは東ドイツに生まれ、物理学者への道を歩んでいたが、ベルリンの壁崩壊後のドイツ統合を機に政治を目指す。 物理学者らしい論理的な思考と、人間関係の抜群の調整力で頭角を現し2006年に首相になる。 任期16年の間には、リーマンショックや原発問題、ギリシャ危機、移民問題、ポピュリズムの台頭など様々な問題があったが、うまく乗り切り任期を全うする。東ドイツ出身の女性で離婚経験有り等、自由主義社会の政治家から見ると大きなハンデと思われたが、彼女はそれを利点として考えていたように見える。 決断の遅さがウィークポイントだが、逆にそれが良かったこともある。彼女の一貫した政治姿勢が信頼を得ているのだろう。 メルケルさんについてはほとんど知らなかったけれど、この本を読んで、イギリスのサッチャー首相と並ぶ素晴らしい女性政治家だと思った。 ちなみに彼女が首相の間に、日本では小泉首相から岸田首相まで8人も政治家が変わった。 長かった故安倍首相でも任期は9年。 その2倍近くの長きにわたって首相であり、また任期途中で投げ出すこともなかった。 メルケルさんに比べると、日本の政治家はともかく、アメリカの大統領でさえも小粒な政治家に見えてしまった。

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2023/09/20

フランス人ジャーナリストによるメルケルの評伝。大統領制であるがゆえ強いリーダーが望まれるフランスと議院内閣制による合議を重んじるドイツ政治の対比が面白い。 こんにちのウクライナ戦争はメルケルが続投していたら防げていたかもしれないという意見がある一方、メルケルが脱原発に舵を切ったた...

フランス人ジャーナリストによるメルケルの評伝。大統領制であるがゆえ強いリーダーが望まれるフランスと議院内閣制による合議を重んじるドイツ政治の対比が面白い。 こんにちのウクライナ戦争はメルケルが続投していたら防げていたかもしれないという意見がある一方、メルケルが脱原発に舵を切ったためにエネルギーのロシア依存が進みロシアの強硬姿勢を生んだという意見もあり評価は定まらないが、プーチンがウクライナを狙っていたのはメルケル在任中の時から変わらないということは本書からもよくわかる。そして東ドイツ出身であるがゆえ西側諸国のどの首脳よりもEUと民主主義の価値を理解しているのはメルケルであった、ということもよくわかった。

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2022/04/30

フランス人ジャーナリストから見たドイツ首相。メルケルが東ドイツ出身ということも物理学専攻だったことも知らなかった。近しい人への取材をもとに構成されており、親しみを感じる人柄であるものの、著者の取材をなかなか受けてもらえなかったのが意外。

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2022/03/29

自他ともに認める「メルケル・ファン」のフランス人女性によるメルケルの評伝。メルケルの評伝としてはこれよりも後に出たハンガリー出身のジャーナリストによる本の方が話題になっているようだが、その本よりも先にこちらを読みたかった。なぜかというと、評伝・伝記というのは当たり前だが誰がどんな...

自他ともに認める「メルケル・ファン」のフランス人女性によるメルケルの評伝。メルケルの評伝としてはこれよりも後に出たハンガリー出身のジャーナリストによる本の方が話題になっているようだが、その本よりも先にこちらを読みたかった。なぜかというと、評伝・伝記というのは当たり前だが誰がどんな視点で書いたかというのが重要で、好意を持っている人が書いているものほど読みやすいからだ。 本書の最初と最後には「アンゲラ・メルケルがいなくなれば寂しくなるだろう」という言葉が繰り返し現れる。著者の態度はこれに尽きる。メルケルの足跡をたどれば、彼女がいわゆる『スーパーウーマン』タイプではなかったことはすぐに知れる。しかし同時に、分をわきまえ、倫理観をしっかり持ち、自分の強みを自覚して、それらを総動員することにより物事を前に進めることのできる人物であるということもわかる。筆者はそんなメルケルに心からの賞賛を送っており、その勇退を惜しむ気持ちに満ちた本なのである。 また、この本はヨーロッパのこの30年の現代史をドイツを中心にコンパクトにおさらいできる本でもある。今のウクライナ情勢ひとつとっても、日本から見ているだけでは実感できにくいヨーロッパの事情と背景を知ることができる。トランプ元大統領は、自分がいればプーチンはウクライナに攻め込まなかったと言ったそうだが、それよりもメルケルがいれば事情はまた違ったであろうと思わずにはいられない。東側の論理を肌で知っている彼女であればプーチン大統領は交渉の仕方をまた変えたのではないだろうか。侵攻前にマクロン仏大統領がプーチンと何度も会談していたが、あの場にメルケルがいれば……というのは歴史では言っても仕方ないことではあるのだが。 ともあれ、傑出した女性リーダーの本を読んだ、というよりも、抑制ある素晴らしい仕事人の本を読んだ、という印象の残る一冊であった。 残念なのは、メルケルのような人を好きな日本人は多いと思うが、メルケルの方は今の日本政界や日本社会を特に評価しないだろうと思われる点だ。ドイツと日本の風潮は似ているところがあると感じる。真面目で抑制的で勤勉だが悪いように出ると排他的で男尊女卑的で抑圧的。メルケルが苦労した部分をさらに煮詰めたような社会である日本に興味も関心もないだろう。

Posted byブクログ

2022/01/16

16年間ドイツを率いてきたアンゲラ・メルケルの評伝。ギリシャ危機、英国のEU離脱、難民問題、コロナパンデミックなど様々な問題に対峙したメルケルについて、生い立ち、周囲の人への取材をもとにその人物像を記している。東ドイツ出身、牧師の娘という生い立ちもあり、穏健、慎ましい、対話を重視...

16年間ドイツを率いてきたアンゲラ・メルケルの評伝。ギリシャ危機、英国のEU離脱、難民問題、コロナパンデミックなど様々な問題に対峙したメルケルについて、生い立ち、周囲の人への取材をもとにその人物像を記している。東ドイツ出身、牧師の娘という生い立ちもあり、穏健、慎ましい、対話を重視し一致を探っていく、熟考を重ねる(そのため決断が遅め)と評される女性に成長し、素晴らしい指導者としてドイツ、EUだけでなく世界を率いた。メルケルは自身のことをどのように書かれたいか尋ねられ『彼女は労をいとわなかった』と答えた。本作は取材に基づくものなので彼女の表面的な部分しか記せないのは仕方ないが、上記の言葉は本当に真摯に仕事に向き合ってきたという自負が窺える。自分も足もとをしっかりみて一歩ずつ進んでいきたいと思った。

Posted byブクログ

2022/01/02

物理学者だった彼女が、政治家を志した過程は今少しよくわからなかったけど、頭脳明晰で、誰もが一目置く存在であることや、私利私欲とは無縁であることがよくわかった。決して万能の人ではないが、目の前のことに誠実に取り組む姿勢は真似しようと思えば出来ること。これからはその挙動が注目されるこ...

物理学者だった彼女が、政治家を志した過程は今少しよくわからなかったけど、頭脳明晰で、誰もが一目置く存在であることや、私利私欲とは無縁であることがよくわかった。決して万能の人ではないが、目の前のことに誠実に取り組む姿勢は真似しようと思えば出来ること。これからはその挙動が注目されることもないのだろうが、心ゆくまでやりたいことを楽しんでいただきたい。

Posted byブクログ