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アンゲラ・メルケル の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2022/01/02

物理学者だった彼女が、政治家を志した過程は今少しよくわからなかったけど、頭脳明晰で、誰もが一目置く存在であることや、私利私欲とは無縁であることがよくわかった。決して万能の人ではないが、目の前のことに誠実に取り組む姿勢は真似しようと思えば出来ること。これからはその挙動が注目されるこ...

物理学者だった彼女が、政治家を志した過程は今少しよくわからなかったけど、頭脳明晰で、誰もが一目置く存在であることや、私利私欲とは無縁であることがよくわかった。決して万能の人ではないが、目の前のことに誠実に取り組む姿勢は真似しようと思えば出来ること。これからはその挙動が注目されることもないのだろうが、心ゆくまでやりたいことを楽しんでいただきたい。

Posted byブクログ

2021/11/10

なぜ彼女は国民の、そして世界のMutti(母)にまでなったのか? 題名:C'était Merkel 訳:それはメルケルだった 1954年当時の西ドイツ、ハンブルクにて生まれその後東ドイツに移住。61年にベルリンの壁がつくられ、多感な少女時代を冷戦真っ只中のドイツで...

なぜ彼女は国民の、そして世界のMutti(母)にまでなったのか? 題名:C'était Merkel 訳:それはメルケルだった 1954年当時の西ドイツ、ハンブルクにて生まれその後東ドイツに移住。61年にベルリンの壁がつくられ、多感な少女時代を冷戦真っ只中のドイツで過ごした。 また、首相となっても庶民に交じり庶民と同じように買い物をし、特別豪華な場所で暮らすのではなく普通の生活をおくり、国民のMutti(母)と呼ばれるようになった。 その彼女の生まれから政界引退までの半生を、彼女ゆかりの人物達のインタビューをもとに語っていく。 この本の著者が同じドイツ人のジャーナリストではなく、フランス・パリ生まれのジャーナリストがであることにも意味があると思う。 読んでいくと、彼女が引退するのを惜しむ各国の首相や要人たちの言葉がたくさん出てくる。 それほどに彼女は自国の国民だけでなく、他国からも信頼、愛されていたのだとわかる。 2011年のG20の会期中にあったユーロ危機の話題に関して、オバマに詰め寄られたりその他の首相や国民から非難されようとも、銀行の独立性のため憲法を遵守しようとする、そんな彼女の政治的価値観は、冷戦という激動の時代、特にその中心であるドイツで過ごしたことが大きいだろう。 何よりも国民のことを第一に考え冷静、慎重である彼女。時にはそれを緩慢だと言われたりもするが、東京震災後すぐに自国の原子力発電を廃止するなど迅速な面もある。 また、苦悩も書かれている。メルケルは最初バラク・オバマのことが好きではなかったことや、トランプ大統領就任、その後の政策に対して。フランスとフランスの4人の大統領、ロシア、プーチン大統領との関係。その他いろいろ・・・そんな裏話的なこともわかるのは面白い。 特にオバマに関してはホワイトハウスを去る前にわざわざベルリンにメルケルを訪ねてメッセージを残したのだそう。 裏話といえばメルケルという性は元夫(一人目)の性であり、現夫の性は「ザウアー」とのこと。 そんな事情を知らなかった人は間違えて夫のザウアーにたいしてメルケルと呼んでしまうという面白エピソードも書かれている。 そんな自国民だけでなく世界から愛されていた彼女が引退してしまった今後、世界はどうなっていくのだろうか。

Posted byブクログ

2021/11/07

“「私は虚栄心の強い方ではありません。男性の虚栄心を利用するのがうまいのです」”(p.160) “アンゲラ・メルケルは身なりに構うことには心底うんざりしている。(中略)メルケルはファッション誌をぱらぱらめくったり、きれいな服の女性を見たりするのは好きだが、わが身に生かそうとは...

“「私は虚栄心の強い方ではありません。男性の虚栄心を利用するのがうまいのです」”(p.160) “アンゲラ・メルケルは身なりに構うことには心底うんざりしている。(中略)メルケルはファッション誌をぱらぱらめくったり、きれいな服の女性を見たりするのは好きだが、わが身に生かそうとは思わないのだ。ある雑誌のカメラマンに、「十年前に撮影した時と同じデザインの服を着ていらっしゃいますね」と言われたので、「私はドイツ国民に尽くすために選ばれたので、モデルになるためではありません!」と答えたものである。”(p.172)

Posted byブクログ

2021/09/27

面白かった。 最近、眼のために、あえて時間を区切って読んでいたら、 読了の今朝、メルケルの後任が決まる、ドイツの総選挙の 見通しが報道されていた。 案の定、どの政党も、過半数に足らず、 連立政権への道を模索することになるだろうと。 政治的問題に疎く、さしたる関心も無いのだが、 ...

面白かった。 最近、眼のために、あえて時間を区切って読んでいたら、 読了の今朝、メルケルの後任が決まる、ドイツの総選挙の 見通しが報道されていた。 案の定、どの政党も、過半数に足らず、 連立政権への道を模索することになるだろうと。 政治的問題に疎く、さしたる関心も無いのだが、 本書、フランス人女性ジャーナリストの書く評伝を通し、この16年の西側情勢を再び見た思いでいる。 メルケルという東ドイツの物理学者であった、国家元首と掃除する人物として、著者は英国エリザベス女王を挙げる。「揺るぎない存在感」「モラルと政治のよりどころ」「統一と安定とミン主義の保証人の二人」と。 そこに、メルケル長期政権の所以があるのだろう。 「50年後の歴史書に、どう書かれたいか?」の問いに「彼女は労をいとわなかった」と答えたというメルケル。 それが全てだ。

Posted byブクログ

2021/09/12

東ドイツ出身、敬虔なキリスト教、女性、科学者としてのキャリアといった多彩なルーツは、メルケルの人格形成に大きく寄与しており、政治家としてのあり方や実際の政策にも大きく影響している。中でも東ドイツ出身であること、牧師の父の存在は中でも大きい。 著者はかなりメルケル寄りということで...

東ドイツ出身、敬虔なキリスト教、女性、科学者としてのキャリアといった多彩なルーツは、メルケルの人格形成に大きく寄与しており、政治家としてのあり方や実際の政策にも大きく影響している。中でも東ドイツ出身であること、牧師の父の存在は中でも大きい。 著者はかなりメルケル寄りということで、ある程度バイアスがかかっていることは注意が必要。ただ彼女はフランス出身のジャーナリストという背景から、違った視点もあって読み応えがある。

Posted byブクログ