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邯鄲の島遥かなり(上) の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  3. 3つ

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2023/12/26

5時に夢中!で紹介されていたので読んでみました。 明治時代のとある島に、神がかった色男のイチマツが帰って来るところから始まります。 日本史にも疎いし、時代小説はそんなに興味もないなと思っていたのですが、読み始めるとまったく苦にならず。 主人公は章ごとに代わり、少しずつ時間が進んで...

5時に夢中!で紹介されていたので読んでみました。 明治時代のとある島に、神がかった色男のイチマツが帰って来るところから始まります。 日本史にも疎いし、時代小説はそんなに興味もないなと思っていたのですが、読み始めるとまったく苦にならず。 主人公は章ごとに代わり、少しずつ時間が進んでいきます。どの章も、えーどうなる?!と思いながらするすると読めましたが、やはり個人的には最初のイチマツの話が展開にわくわくできて面白かったです。中巻、下巻も楽しみです。

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2023/09/08

本土近くの火山の島で紡がれる150年に及ぶある一族の近代史小説。 ある時、一ノ屋松蔵という怖ろしいほどの美貌の男がくが(本土)から帰ってくる。 イチマツと呼ばれた彼には女性が群がり何人もの子孫が生まれるが皆、イチマツ痣と呼ばれる唇のような形の痣をもつ。その痣をもつ子孫たちのそれぞ...

本土近くの火山の島で紡がれる150年に及ぶある一族の近代史小説。 ある時、一ノ屋松蔵という怖ろしいほどの美貌の男がくが(本土)から帰ってくる。 イチマツと呼ばれた彼には女性が群がり何人もの子孫が生まれるが皆、イチマツ痣と呼ばれる唇のような形の痣をもつ。その痣をもつ子孫たちのそれぞれの人生が17部に渡って物語となる。 それぞれの時代考証と共に令和元年まで続く物語もそれぞれ面白いが、イチマツの一生も特別編として読みたかった。 一ノ屋がなぜ特別な家となったのか、イチマツは何を思い女性の相手をしていったのか、その番外編をぜひ書いてください!!

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2022/11/21

2022.11 真ん中辺りまで「飽きてきたので上巻で終わりだな」と思って読み進めていたけれどだんだんハマってきた。これは中巻に突入せねば。

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2022/10/16

東京南方の火山島(椿工場があるのでそれが名産の伊豆大島と思われる)である神生島における数世代に渡る大河小説。一ノ屋松蔵から始まり、その子孫が代わる代わる章毎の主人公となり、時代は変わり、環境も変わりつつも、新しいテイストのストーリーが展開され、長いが飽きない作品。 上巻では、島...

東京南方の火山島(椿工場があるのでそれが名産の伊豆大島と思われる)である神生島における数世代に渡る大河小説。一ノ屋松蔵から始まり、その子孫が代わる代わる章毎の主人公となり、時代は変わり、環境も変わりつつも、新しいテイストのストーリーが展開され、長いが飽きない作品。 上巻では、島の一番の名士である一ノ屋家には数代に一度、とんでもない男前が産まれるとされており、それが本作最初らの主人公であるイチマツこと一ノ屋松蔵。イチマツは、新撰組から抜けて島に戻ると、美貌で女を虜にし、様々な女との間に13人の子を次々もうけたかと思うと、西南戦争に行くために出奔。 上巻ノ2-7部は、その子や孫の世代の話で、日清日露戦争から関東大震災の頃までが題材になっている。 2部では、13人目の子供の平太がアホ面なるも実は賢く、和尚に才能を見出され、本土(くが、と呼称される)に行って学び、椿油の工場を建て島一番の一橋産業にする成功物語。 3部は、平太の腹違いの兄、晋松の物語。一ノ屋の後取りとしてしっかりしなければならないという意識から空回る人生、そして日清戦争で帰らぬ人となる。 4部は、晋松の姉である容子が、与謝野晶子の君死にたまうこと無かれや樋口一葉、さらには男女同権に染まり、島中の女性を扇動して島に男女対立を生じさせ、夫婦の営みの拒否や結婚忌避で子供の人口が減るところまで行ってしまうが、段々皆に嫌気かさし、容子がくがに遁走する。最後、明治天皇の崩御と大正天皇の即位を契機に島の雰囲気が元に戻る。 5部は、イチマツの孫の小五郎と松太郎(晋松の子、直径)の話。小五郎の祖母の話から島の洞窟に徳川埋蔵金があると夢想し、小五郎は資金集めに九州の炭鉱で働きそこで里子を伴侶にして島に戻り、ひたすら洞窟に籠って探索。そのうち、松太郎と里子が駆け落ち、それでもなお、小五郎は探索を続ける。これは悲しい話。 6部はイチマツの孫の鈴子の話。女イチマツというべき美貌を備える彼女が長ずるにつれて島の男たちは既婚・未婚を問わず彼女にゾッコン。叶わぬ恋に自殺や無理心中を図ろうとする者が続出。思い詰めた鈴子はくがの尼寺に出奔。仏師が彼女の木像を作り、漸く熱は冷める。 7部はイチマツの孫の良太郎の話。絵、ピアノ、書道、ナンパなど様々な技能を有する良太郎だが、勉強はできない。しかし、関東大震災での島の壊滅や母の死で一念発起して勉強し、苦学の末、島一番の医者になる。 という感じで、その長い物語だがそれぞれオムニバス的に独立していて読みやすく、面白い。しかし、辛い話はちょっと物悲しい。

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2022/07/07

絶世の美男である「イチマツ」が、多くの女性と関係を持ち、子供もたくさん生まれるという内容に、正直最初は、果たしてこの小説は何が言いたいのだろうと、思いながら読んでいました。 物語が進むにつれて、それぞれの子孫の人生に引き込まれていきました。 これから現代に向かって物語は進んでいき...

絶世の美男である「イチマツ」が、多くの女性と関係を持ち、子供もたくさん生まれるという内容に、正直最初は、果たしてこの小説は何が言いたいのだろうと、思いながら読んでいました。 物語が進むにつれて、それぞれの子孫の人生に引き込まれていきました。 これから現代に向かって物語は進んでいきますが、どのような話が展開されるのか先が読めないので、楽しみです。 語り手の心情を記す著者の文章は、なかなかユーモアがあって、何度もくすっと笑わされました。

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2022/06/20

アザが主人公の大河ドラマ あるいは私自身がアザ視点で、子孫を何世代も見守ってきたかのような読後 味わいの違う何冊も読んだみたいな不思議な大長編 アザがあっても、一族ても、それぞれ全く違う人間

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2022/05/19

明治維新から大正までの島の人々の生活を、それぞれの主人公ごとに区切った短編集!文明の発達も暮らしの変化も時代ごとの考え方の違いもめちゃくちゃ面白かったし、章ごとに一人の人生をやるから壮大すぎて大感動ー!まだこれで上なのがとても嬉しい!

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2022/05/07

関東近海に浮かぶ島の明治から近代に至る人々の歴史を描いた三巻にわたる長編小説。島に住む一ノ屋一族を中心に物語は展開する。この本を読むと近代の日本の歴史を辿ることが出来て興味深い。読んでいてガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い起こさせる。短編の連続となっているので、長編だが読み...

関東近海に浮かぶ島の明治から近代に至る人々の歴史を描いた三巻にわたる長編小説。島に住む一ノ屋一族を中心に物語は展開する。この本を読むと近代の日本の歴史を辿ることが出来て興味深い。読んでいてガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い起こさせる。短編の連続となっているので、長編だが読み進めやすく、後半は一気に読んだ。

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2022/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

関東の離島での人々を描く大河小説。 設定は伊豆大島と似たような神生島で、明治維新期から物語が始まります。 島で福をもたらす家として、代々島民が面倒を見る一ノ屋の血脈が縦糸、時代時代の島民の姿が横糸となっているようです。 始まりは、くが(本土)から帰ってきた一ノ屋の最後の一人の当主の松造が島の女性たちと次々と関係を持って子をなすという天神降臨的な物語で、以降はその子孫たちの物語となっています。 一話一話が別々の物語で、いろいろな作品集の形態のようにも見えます。 上巻は関東大震災までで、中間と下巻があり、令和まで話が繋がっていくようです。 かなりのネタバレになるかもしれないので要注意ですが、各部の一ノ屋一族、内容、時代背景は以下の通り。 第一部 神の帰還:松造、イチマツ痣の血筋の始まり、明治初頭 第二部 人間万事塞翁が馬:末子の平太、一橋産業の始まり、日清戦争 第三部 一ノ屋の後継者:子供の晋松、一ノ屋当主の在り方、日露戦争 第四部 君死にたまふことなかれ:子供の容子と孫の秋子、女性運動と新興宗教、日露戦争後 第五部 夢に取り憑かれた男:孫の小五郎と本家孫の松太郎、一ノ屋の謎と本家のその後、明治末期 第六部 お医者様でも草津の湯でも:孫の鈴子と本家の孫の松次郎、一ノ屋の例外、大正初期 第七部 才能の使い道:孫の良太郎と本家孫の圭子と直人と正人、島出身の医者の誕生、関東大震災

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2022/03/02

島の帰ってきたいい男イチマツのもたらす福とは?彼の子どもが13人、そしてその孫と連なる一ノ屋の血。連綿と続きそうな子孫の残す変わった人生が面白い。歴史の流れの中で、影響も受け、また離島ゆえの変化が緩慢で純朴なところも舞台として最高。埋蔵金絡みの話などありえないと思いつつ期待してし...

島の帰ってきたいい男イチマツのもたらす福とは?彼の子どもが13人、そしてその孫と連なる一ノ屋の血。連綿と続きそうな子孫の残す変わった人生が面白い。歴史の流れの中で、影響も受け、また離島ゆえの変化が緩慢で純朴なところも舞台として最高。埋蔵金絡みの話などありえないと思いつつ期待してしまった。

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