ゴースト・ポリス・ストーリー の商品レビュー

横関大(著者)

2021/10/13

　刑事の日樹は妹の聖奈と二人暮らしをしていた。妹とは血の繋がらない兄妹で、密かに恋心を抱いていた。そんな時、日樹は何者かに刺殺され命を落とし幽霊となってしまった。交通課勤務だった聖奈は、兄を殺した犯人を捕まえるべく兄の跡を継ぎ異例の早さで刑事となり…

　お互い両思いだったのに、戸籍に縛られて思いを告げられない兄妹がもどかしく、兄の元カノは血が繋がっていないと知った時点で別れた理由を察知した位バレバレだったのに。
　犯人は思った通りでしたが、全部が一本に繋がった時は爽快でした。

　聖奈の実母の身勝手さに辟易しましたが、実父は思ってたのと違って本当に娘を愛して居たんだと思うと切なかったです。

2021/10/10

刑事ものだが、珍しく死んだ刑事が主役になるという非現実的なストーリー。どうかなと思いながら読んだが、飽きずに読めたのでまあまあ楽しめた。

2021/09/29

渋谷署の刑事の長島日樹が暴漢に背後から包丁で刺されて殺され、暴力団に情報を流していた内通者の汚名を着せられる。兄を殺した犯人を捕まえたいと妹の聖奈が交通課から刑事に志願。日樹は幽霊となり同じ日に死亡した亜里沙と聖奈を見守る。日樹は聖奈の夢枕に立ち事件解決のヒントを与え実績を上げていくが、兄を殺した犯人と汚名は挽回できないでいる。そして、いろんな伏線がありその犯人と内通者に辿り着くが、そうだっだのかと思える結末。幽霊同士の会話やセブンルールが面白かった。聖奈の出生の秘密も悲しく日樹への思いもやるせなかった。

2021/09/24

ある日突然何者かに殺害されてしまった刑事。幽霊となりこの世に留まり情報を見聞きすることはできるものの、干渉することはほぼできない。そして兄を殺した犯人を突き止めようと自らも刑事になった妹。スリリングでハートウォーミングな読み心地のミステリ。
こういう設定のミステリは今までにもありましたが。「幽霊のセブンルール」ってのは面白いなあ。なるほど、と思わされます。そして幽霊でいることで得た手掛かりをいかにして生者に伝えるか。他の幽霊とのかかわりの物語も面白く、死後にこういう「おまけ」があるのも悪くはないのだろうか、などと思ってしまいました。もちろん、未練の残る死に方などしないに越したことはないんですけどね。
終盤の展開、ピンチをどうやって切り抜けるんだろう、と思ったら（ここでいきなりとんでもない力が使えたりしたら興覚めだよなあ、と思っていたので）。そういう展開か！　見事です。