アカデミアを離れてみたら の商品レビュー
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博士の学位を取得した後、”本流”であるアカデミアの研究職以外の道を選んだ人たちの話。企業に就職した人、起業した人、フリーランスなど様々。職種も研究職として働いている人もいれば、異なる職(研究支援、行政、記者、etc.)の人もいて多様。アカデミアを出た時期も、学位を取ってすぐに出た...
博士の学位を取得した後、”本流”であるアカデミアの研究職以外の道を選んだ人たちの話。企業に就職した人、起業した人、フリーランスなど様々。職種も研究職として働いている人もいれば、異なる職(研究支援、行政、記者、etc.)の人もいて多様。アカデミアを出た時期も、学位を取ってすぐに出た人から、ある程度ポストを経験してから出た人まで様々な人がいた。 多くの人に共通していたのは、アカデミアを出ることの漠然とした抵抗感に対する、「そんなことないよ」というメッセージだったと思う。企業に就職したりすることを「都落ち」と表現する環境も一部にあるというけれど、企業でもやりよう次第で望む研究はできるということや、むしろ研究のためにアカデミアを出て起業した、という人のエピソードなどもあった。博士を取った人やこれから取ろうとしている人にとって、視野を広げる参考になるのではないかと思う。かくいう自分も博士を取り、アカデミアと言えるような言えないような、という場所にいたりもしたので、興味深く読んだ。 一方で、自身のキャリアについて「生存者バイアスと言われてしまいそう」「巡り合わせが良かった」「今の学生に同じことは薦めづらい」といった語りも、多くの人が述べていた。今の環境に一定の満足はありつつも、必ずしも心の底から望んでアカデミアを離れたわけではない、という人もいた。本書を読んで、外野から博士も意外と安泰だ・大丈夫だ、と思うのはお門違いなのだろう。むしろ、成功事例といえる人たちですら、こういった葛藤やままならなさを抱えているのだと読むべきだと思う。 また、本書に出てくる人たちは、経歴を見てもエピソードの内容を見ても、博士の中でも「すごい人たち」にあたるのだろうなあとは思った。特に元々の専門とは分野を変えて活躍しておられる方たちは、元々の能力がすごいから上手くいっているのだろうなあ、という感覚はあった。やはり成功事例を集めている分、博士人材全体の感覚とは乖離している部分があるのだろう。(それは仕方ない部分ではあるだろうけど。その分、「あとがき」では博士の苦境について触れられており、バランスされている感はある。) また、登場される方の一人が、noteに私的なあとがきと題してエントリを書かれており、個人的にはぜひとも読むといいと思った。やはり、明るい話ばかりではない。 https://note.com/makinott/n/n08b6972e70c3 ところで、本書の「はじめに」によれば、博士のおよそ3分の1はアカデミアを離れているらしい。であるならば、アカデミアの外で生きていくことは、本書のサブタイトルにあるような”道なき道”というほどでもないのではないかなあ。 以下、特に興味をひかれたエピソードなど。 翻訳家として活動されている坪子氏。翻訳業の傍ら、民間の研究費を獲得して、無給ながら研究室に所属して研究もしているとのこと。本人は趣味と言っているが、翻訳業との比率は7:3程度だというし、論文も出しているとのことで、研究も本格的に続けている印象。誰もができるやり方ではないと思うが、そういう研究との向き合い方もあるのだなと思った。 増田氏・森本氏は、URAという研究者支援の仕事をされていた。たしかに科研費申請書などをチェックしてくれる人が大学にいたけれど、そういう業務をURAという専門職が担っていたとは、失礼ながら知らなかった。 高山氏は物理学で学位を取得後、文科省に入省。大学教員数の推移をモデル化したり、それに対する政策効果のシミュレーションをしたりと、省庁で研究をし、学会発表までしているというのは意外だった。高山氏の研究も読んだが、公開されているデータでこういったことができるのだと、面白かった。
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パッケージングとして面白いし重要な仕事だと思う。ノンフィクション本としてフラットに見ると、最初のエピソード以外は特に面白くはない。いろんな業界、いろんな時代にいろんな仕組みがあるなと思う。ベンチャーキャピタリスト、弁理士、行政官、URA、初めて聞いたり説明できなかったりする職業ば...
パッケージングとして面白いし重要な仕事だと思う。ノンフィクション本としてフラットに見ると、最初のエピソード以外は特に面白くはない。いろんな業界、いろんな時代にいろんな仕組みがあるなと思う。ベンチャーキャピタリスト、弁理士、行政官、URA、初めて聞いたり説明できなかったりする職業ばかりで、なるほどどれも重要そう。
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アカデミックな人と一緒に働く人が読んでも参考になると思う。またコアなノウハウに、何かを組み合わせて飛躍する姿は仕事のヒントになると思う。
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「何になりたいか」ではなく「どう在りたいか」 どんな仕事に就いたって、楽しいことや嫌なことはあるし、辞めたい続けたいを行ったり来たりしながら向き合っていくものなのですね。
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博士課程に在籍中、もしくは学位取得後の様々な生き方が紹介された本。 現在、博士課程で論文が学術雑誌になかなか採択されず苦戦しており、でも今後はポスドクになる予定の立場として興味深く読みました。 この本に出てくるのは、日本では誰もが知っているいわゆる一流の大学を卒業された方ばか...
博士課程に在籍中、もしくは学位取得後の様々な生き方が紹介された本。 現在、博士課程で論文が学術雑誌になかなか採択されず苦戦しており、でも今後はポスドクになる予定の立場として興味深く読みました。 この本に出てくるのは、日本では誰もが知っているいわゆる一流の大学を卒業された方ばかりです。そのような能力のある博士号取得者の活躍の場が少しずつ増えてきていることは喜ばしいと思います。と同時に、このような立派な経歴を持っていても苦労は絶えず、その裏で語られることのない数多くの博士号取得者がどうなっているのか想像すると決して楽観的にはなれません。 でも、結局はアカデミアであろうが他のフィールドであろうが、道を切り開くには諦めずにリスクを取ってチャレンジしていく姿勢が大切である、ということなのだろう。その上で、道自体は私たちが思っている以上に多様であるというメッセージだと受け止めました。
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博士号を取得しても、大学をはじめとする研究機関に残れるとは限らないわけですが、この本では、研究機関から離れてしまった方たちの生き方が取り上げられています。 中には、大学の教員だった人がアカデミアを離れるケースもあり、博士号を持つ人たちの、いろんな人生に触れられる一冊になっています...
博士号を取得しても、大学をはじめとする研究機関に残れるとは限らないわけですが、この本では、研究機関から離れてしまった方たちの生き方が取り上げられています。 中には、大学の教員だった人がアカデミアを離れるケースもあり、博士号を持つ人たちの、いろんな人生に触れられる一冊になっています。 自分自身、大学4年生ぐらいまでは、「博士課程に進みたいな」と思っていたのですが、修士課程に進んだ直後に、「研究者は自分には合っていないようだ」と思い始めました。 それでも何とか、修士課程は修了しました(就職が決まっていたので、修了させてくれたのだと思います)。 この本には、博士課程に進んでから「向いていない」と気づく人が、割と多めに取り上げられているように思います。 修士課程で「向いていない」と思った自分には、博士課程でようやく「向いていない」ことに気づくことは、自分の理解を越えているのですが、実際に博士課程に進学しないとわからないこともあるのでしょうね。 ちなみに、この本に取り上げられている人たちは、成功者といってよい人たちなので、皆さん、アカデミアを離れて苦労はしていても、充実した日々を送られているようです。 そういう意味では、勇気を与えてくれる本だと思います。 慣例に縛られたり、自分の過去に縛られたりすることなく、自分自身を信じて生きることの大切さを教えてくれたような気がします。
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本当に、生き方は、色々だ。 行動が世界を拓くかもしれないが、成功者バイアスには注意をと呼びかける。 願わくば、文系研究者の話も、もう少し聞きたい。理系以上に、苦しいに違いないから。
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p31 大隅良典先生 人生のコントロール実験はないんだよ p112 すべての分野の論文を統一的はかることができる指標 iMD index for measuring diversity
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