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クジラの骨と僕らの未来 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2023/11/26

東京海洋大学の中村玄先生の、クジラ博士になるまでのエッセイ。先日読んだ同じクジラ研究者の田島先生のエッセイも大変に興味深かったが、こちらも相当に興味深い内容だった。 魚やハムスターの骨に魅せられて始まり、やがて留学先の南米で見かけたクジラを数年後に研究するに至る。小林快次先生もそ...

東京海洋大学の中村玄先生の、クジラ博士になるまでのエッセイ。先日読んだ同じクジラ研究者の田島先生のエッセイも大変に興味深かったが、こちらも相当に興味深い内容だった。 魚やハムスターの骨に魅せられて始まり、やがて留学先の南米で見かけたクジラを数年後に研究するに至る。小林快次先生もそうだが、今専門の研究をしている方が最初からそれに根差しているのかと思うと、ほとんどがそうではないと気付かされる。数奇な運命、とも言えるエピソードばかりだ。 本書は調査捕鯨のことに多くページを割いている。かの有名なシーシェパードの妨害、母船の火災(1人が亡くなっている…)からの避難、私たち読み手にも緊張が走る。鯨調査の正当性を主張するわけではないが、この本のタイトルにもある「僕らの未来」のために、私たち人間が及ぼしている生態系への破壊行為や、長期調査によるその影響を調べることは大変重要である。 クジラは私と同じ哺乳類だ、と考えされられる一説がある(p97)。まだクジラを生で見た事がない私は、実物を見たらどんな感覚を覚えるだろうか。

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2023/07/23

博物学の本ですが、文章上手い! めっちゃ、読みやすい。 学校、買い! 2023/07/26 更新

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2023/06/04

鯨の研究者を目指したきっかけがとても面白くて、楽しく読めました。南極調査の話も読んでいくと自分も鯨の研究者になりたくなりました。

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2023/03/29

幼い頃より生物が好きで、自ら骨格標本も作っていたという鯨類形態学専門家によるクジラに惹かれた話。 クジラにも骨にも興味がある訳じゃないのに、何故か手に取り読みました。知らない世界を見る楽しさ、知的好奇心という刺激。知らないことは面白い。

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2022/09/08

僕たちがこれからも他の生き物たちとともに地球上で生活していくために必要なこと、それは他種の生き物や生息環境に興味関心を持ち、正しい情報をもとに考えながら行動することだと思う 言葉として、概念として頭ではわかっているけどなかなかできない でもこの本を読んで少しだけこの考えに近づけ...

僕たちがこれからも他の生き物たちとともに地球上で生活していくために必要なこと、それは他種の生き物や生息環境に興味関心を持ち、正しい情報をもとに考えながら行動することだと思う 言葉として、概念として頭ではわかっているけどなかなかできない でもこの本を読んで少しだけこの考えに近づけた気がする また、自分にはできない、想像もつかない世界があるんだなと思った。またこの本のように、専門家の考え、歴史を分かりやすく説明してくれる本を読んでみたい

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2022/08/31

生きものが好きで一緒に暮らしたいと思い、様々な生きものと触れあってきた作者が骨格標本を作ることに熱中し、クジラの学者になった。好きなものを突き詰めていくと自然と道が拓けることもある。今からでも何か探したいと思ってきた。

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2022/08/22

クジラつながり……というわけでは全然なく、家人が課題のために借りてきた本を横から先に読了。 人と違うところが興味の対象だった小学生が周囲に恵まれすくすくとその興味を伸ばして職業に繋がった方の自伝というか啓蒙書。大人が読むと、ふーんそんなこともあるかあ、という程度だけれど、視野がま...

クジラつながり……というわけでは全然なく、家人が課題のために借りてきた本を横から先に読了。 人と違うところが興味の対象だった小学生が周囲に恵まれすくすくとその興味を伸ばして職業に繋がった方の自伝というか啓蒙書。大人が読むと、ふーんそんなこともあるかあ、という程度だけれど、視野がまだ広がらない時代に読むと、そんなふうに世界が開けていったりもするんだ、と少し安心できるのではないかと思う。研究者を目指す人はもちろん参考になるだろうが、将来が漠然としすぎて不安な中高生全般にとっても、今の経験がのちにつながることがあるから考えすぎずに現在に没頭すればいいんだ、という気持ちのきっかけになりうる良書。

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2022/07/20

この本を読んで?~1983年生まれ,生き物が好きでトカゲをペットショップで見て飼うことになり,付けられた渾名がハチュー。中学の理科の先生は女性だけど,牛や豚の内臓を授業中に見せる名物先生で,高校では新任の先生に魚類の骨に着色した透明標本を見せられ,出身大学の研究室を紹介して貰った...

この本を読んで?~1983年生まれ,生き物が好きでトカゲをペットショップで見て飼うことになり,付けられた渾名がハチュー。中学の理科の先生は女性だけど,牛や豚の内臓を授業中に見せる名物先生で,高校では新任の先生に魚類の骨に着色した透明標本を見せられ,出身大学の研究室を紹介して貰った。高2でアルゼンチンに留学し,クジラを見た。高3は後輩達と過ごし,水産大学に入学。魚の骨の標本作製に夢中になり,大学院進学時に赴任してきたクジラの専門家の先生の研究室に入って,南氷洋まで調査捕鯨に出向いて博士号を貰って,給与付きの研究員となった~まあ好きな道に進むことが許される豊な国になったね,日本も

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2022/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

研究するってこんなこと。 生き物好きの少年が鯨類学の研究者になる過程を丁寧に本人がまとめた自伝。少年の日の理科の授業、骨格標本作りの試行錯誤、アルゼンチンへの留学とクジラとの出会い、進学と研究の始まり。南氷洋での観測の日々と、博士課程での自分のテーマを追う生活について。波瀾万丈というほどでもないが、確実に個性的な人生が描かれている。 出会うべきときによい出会いがあった幸運。アルゼンチンに留学した時に出会ったクジラ。しかしその時他の留学生に尋ねられた日本の捕鯨について高校生の著者は答えを持っていなかった。研究者となって再度訪ねたアルゼンチンで著者は博物館でクジラの標本に感動し、その価値を噛み締める。今なら捕鯨についても自分の意見を伝えられるというが、その時適当に答えてしまうようだったらクジラを自分のテーマとはしなかったのではないか。答えられなかったから自分のテーマになるひっかかりとなったのではないか。 人の本質は小さい頃から変わらないのかもしれない。著者は生き物が大好きな少年だった。採集したり観察したりという現在の仕事の芽がその頃から芽生えている。自分も振り返ればきっと小さな頃からの何かが今まで続いているのだろう。進路を考えている人は未来に思いを馳せるのもいいが、振り返ってみるのもいいのかもしれない。すでに一生のテーマとの出会いがあるかもしれない。

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2022/06/05

幼少期からの好きを仕事に。周りがそれを助けてくれる環境にあった少年は成長して鯨の研究者になる。すごく楽しそうな大学生活、緊張感に包まれた調査船生活。鯨が打ち上がれば腐臭にまみれながら解剖し、南へ北へ鯨を追いかけ、世界中の研究者と語らう。ここまでくるのにとてつもない苦労もあっただろ...

幼少期からの好きを仕事に。周りがそれを助けてくれる環境にあった少年は成長して鯨の研究者になる。すごく楽しそうな大学生活、緊張感に包まれた調査船生活。鯨が打ち上がれば腐臭にまみれながら解剖し、南へ北へ鯨を追いかけ、世界中の研究者と語らう。ここまでくるのにとてつもない苦労もあっただろうに、この本からはキラキラしたエネルギーを感じる。課題図書になるのも分かる気がする。

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