酒と鬼は二合まで(1) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
作画担当のzinbeiさんの『いしぶみ訪い』という漫画の質感が好きで、購入に至った。単著を読みたいなあ、と思っていたけれど、羽柴美里さんのストーリーも好みだったので、結果全然オーライ。 あとがきで「スルメみたいに噛めば噛むほどおいしい話」を目指した、と書いていたけれど、その狙いは上手く行っているように思う。少なくとも既に試し読みした一話を改めて読むと、主にひなたの台詞が、きちんと行末を示唆していることに気づかされた。全てを言葉で説明しない伝え方、みたいなことにも取り組んでいるように思うし。 どういう風に転んでいくかまだ分からないところも好感が持てる。お酒を中心にした日常系のようにも思えるけれど、伝奇っぽい要素もあり、また自分とは違う存在(単純に他人という意味でも)をちょっとずつ理解し、心を通わせていく様を描こうとしているようにも思う。お酒は今の所(悪い意味ではなく)小道具に留まり、ページを割いて熱量高く解説したりはしないから、グルメ漫画ではないように思うけれど。 伝奇的な部分でいうと、ひなたの名字が伊吹である点や、神変奇特酒の探索が(消極的かも知れないけど)テーマとして掲げられている部分などが興味を引いた。 また、全然違うもの同士が一緒に住んで、お互いの価値観をすり合わせていったり、理解をしようと努力するところ、そうやってライフスタイルが溶け合っていく描写などは好みだった。 百合にとどまらず、猫も杓子も人と接することが苦手な主人公ばかりなのは、少し食傷気味な感じがするけれど、本作に関しては、些細なことにも思案を巡らせて言語化したり、悩んだりするその気質は上手く扱われているように思った。 作画は期待通り、柔らかで可愛らしく、かと思えば時折背景が描き込まれていたりして、それが落ち着いた田舎(下町?)風情というか、素朴な日常風景っぽさを支えているように思う。ゆったりと時間が流れていくような感じもして、雰囲気は好き。Web連載だと、コミックスになったときコマが大きくなる傾向にある気がするけれど、本作もご多分にご多分に漏れず、コマ割は大きめだと思う。元々絵柄に惹かれて購入した身としては、雑誌連載ならひょっとすると、もっとみっちり描き込まれた絵が見られたのかな、と思うと少し残念。 とはいえ、話のテンポがそれで損なわれることもないので、あまり問題という訳ではないけれど。
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自分のこだわりを愛するぼっちJDナオリと少し強引な陽キャひなた、まったく混ざらなそうな個性を持ったふたりが心を通わせていく様子が素敵。 コミュ強で友達に囲まれてる側のギャルのほうが実は強い孤独感を抱いてる構図、王道だけどやっぱ萌える。 可愛らしい絵柄で本格的なカクテルを作ってる図...
自分のこだわりを愛するぼっちJDナオリと少し強引な陽キャひなた、まったく混ざらなそうな個性を持ったふたりが心を通わせていく様子が素敵。 コミュ強で友達に囲まれてる側のギャルのほうが実は強い孤独感を抱いてる構図、王道だけどやっぱ萌える。 可愛らしい絵柄で本格的なカクテルを作ってる図もいいなー。
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