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Humankind 希望の歴史(下) の商品レビュー

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59件のお客様レビュー

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2025/01/22

世界の全ての人に、今すぐにでも、読んでほしい一冊。まさしく、人生観の変わるものです。 ノルウェーの刑務所の話。1914年のクリスマス休戦の話。南アフリカ民主主義誕生を支えた二人の双子の話。 勇気を持って、人間について新しい見方をして、新しい現実主義を始めなければならない。

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2024/11/24

上巻では、人間の本性は善であると結論づけた。ではなぜ人間は、戦争やテロを起こしたり、ガス室を作ったり、虐殺を行ったりするのだろうか。筆者は「共感が目を塞ぐ」と表現する。共感は、仲間意識や困っている人を助けよう、全なるものを見た時に理解できたり、自分もそうなろうとする原動力にもなる...

上巻では、人間の本性は善であると結論づけた。ではなぜ人間は、戦争やテロを起こしたり、ガス室を作ったり、虐殺を行ったりするのだろうか。筆者は「共感が目を塞ぐ」と表現する。共感は、仲間意識や困っている人を助けよう、全なるものを見た時に理解できたり、自分もそうなろうとする原動力にもなるが、一方、狭いコミュニティや同種の者に対する贔屓をも誘発する。これが嵩じるとナショナリズムやヘイトにつながるわけで、この説明は納得。ではどうすべきかについて、「対話」であるとする。第一次世界大戦のクリスマスの逸話、ネルソン・マンデラの改革を後押しした全く正反対の立場に立った双子の話など、いくつかの興味深い事例を挙げている。相対主義や悲観主義にならず、良い意味での現実主義を持って行動することが大事。

Posted byブクログ

2024/08/12

すごく感銘を受けた。 私はかねがね、性善説を信じていたけど、やっぱり間違いじゃなかったと思った。 尊重されれば、尊重する。 期待されれば、期待されたようになる。 たくさん思ったことがあるけど、私は愛の塊みたいになりたいし、みんなもそうだと信じている。

Posted byブクログ

2024/06/16

共感はブラインドスポットを作り出し、それは即ち悪を生み出す。 繋がりが多様になった現代。自分ではない存在を知ることは容易で、自他の境界が数多存在する。それは自分にスポッとを、他者がブラインドスポットになることにも繋がり、また、繋がりがある者同士でしか共感しないことに拍車をかける。...

共感はブラインドスポットを作り出し、それは即ち悪を生み出す。 繋がりが多様になった現代。自分ではない存在を知ることは容易で、自他の境界が数多存在する。それは自分にスポッとを、他者がブラインドスポットになることにも繋がり、また、繋がりがある者同士でしか共感しないことに拍車をかける。 そうして悪が加速した。 そして、共感しない人がトップに躍り立つ。 ブラインドスポットに共感しない者が、ブラインドスポットを敵とみなし、そこに共感力が高い人がフォローし付いて行く構図になる。 それで正しいのだろうか? そうして起きた戦争、迫害、犯罪…はこれらの延長線上にある。 しかし気付いた。私たちには理性がある、と。啓蒙主義。 理性があるなら間違いは防げるはずなのでは、、、? だから手に入れた民主主義の概念。 一人ひとりが存在し、人権を持ち、民意を創るのだ。が駆動しているのか。 そもそも駆動させられるのか? つまり、またブラインドスポットを生み出し、同じ過ちを繰り返すのではないだろうか? 『非相補的行動』 右の頬を打たれたら左の頬を向ける。 物を盗まれたら、盗んだ人に食事を与える。 刑務所でリゾートのような暮らしを送り、再犯率を下げ、警官のモチベーションも上がる。 そんなことが可能だろうか。 可能なことを本書は証明してくれる。 人は本質的には善であるがゆえに、非相補的行動がとれる。 そして、人は互いを思いやることで、全体的にプラスに発展することができる。 臭いものに蓋をして、見て見ぬふりふりをして、距離をとるとますますブラインドスポットが広く深くなる。 だから、著者は交流することを勧める。 交流することで他者を知り、自分を知る。 至極当たり前だが、その当たり前を理解できなかったから過ちを犯してきた。 だから今日から、今から、思いやりを持って交流をするのだ。

Posted byブクログ

2024/03/06

ー 良いことをすると、気分が良くなる。世界に生きていると言うのは、素晴らしいことだ。私たちは食べ物を好むのは、それがなければ飢えるからだ。セックスを好むのは、それをしなければ絶滅するからだ。人助けが好きなのは、他者がいないと自分もいなくなるからだ。良いことをすると気分が良くなるの...

ー 良いことをすると、気分が良くなる。世界に生きていると言うのは、素晴らしいことだ。私たちは食べ物を好むのは、それがなければ飢えるからだ。セックスを好むのは、それをしなければ絶滅するからだ。人助けが好きなのは、他者がいないと自分もいなくなるからだ。良いことをすると気分が良くなるのは、それが良いことだからだ。 これが本書の主張の全てだろうなと思う。最強の説得力。生まれながらに「気持ち良く」感じる行為は、本来人間に期待され備わった性質なのだから、良いことした後の爽快感は、性善説の証明になるという事。 著者は「スタンフォード監獄実験」や「ミルグラムの電気ショック実験」など、人間が服従により悪意を果たすような実験、傍観者効果のように、自己防衛本能を発揮する利己的な存在である事に反証するが、何もこうした議論をせずとも、前述の内容で語れてしまえそうな破壊力がある。 では、なぜ悪事は存在するのか。 人間は、生まれつき脳内に同族意識の芽を備えている。同じ色の実験だが、確かに、スポーツではユニフォームの色で敵と味方を分けている。また、乳幼児は生まれながらに外国人恐怖症の傾向を備えている。共感こそが、私たちを最も親切で最も残虐な種にしているメカニズムだという。〝善事は、味方にしか及ばない“ ならば、敵と味方を区別する境界線を知っておきたい所。それこそが、共通の「物語」だ。数百万人の人々とともに、並外れた規模で協働するために、宗教や資本主義、国家主義を創造した。これはユヴァル理論だが、しかし「物語」には、強制装置が必要だと著者はいう。いや、必要とは言ってないが、現実的に、暴力とセットだと言うのだ。暴力の脅威によって強化されている。例えば、お金はフィクションかもしれないが、請求を無視すれば、当局が追いかけてくる。強制装置には、相互監視社会や同調圧力もあると思う。 自発的、そうでなくても強制的に、敵と味方は分かれていく。限定的な善意は、この境界線の不安定さに揺さぶられ、時に暴走する。正義の快楽、とは敵や違反を罰する事だ。気持ち良い事は、本来人間に備わった性質。ここでの暴力は正義ではないか。なんと真逆。これを知った上で、この二面性と境界線の克服こそ、必要な論点である。

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2024/02/14

人間の善性が見失われる現代への布石を投げかける一冊。 これは本当に不思議なことで、人間の悪性を前提にした設計があまりにも多いことに気づき驚かされるとともに、かなりの勇気を伴う作業にもなるが、こんなにも平和な、甘温い世界が目の前にあるのかもしれないとの希望的な話もない。

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2024/01/27

上下巻の感想 上巻は過去の実験、論文が嘘、誤りだったという内容がメイン。 多くは以前、聞いたり、読んだりして、信じていたもので衝撃を受けてしまった。 下巻は人を理解する事でこんなに素晴らしい事が起きたという例がいくつか紹介され、邦題の通り、希望を抱く内容だった。 読み終えて...

上下巻の感想 上巻は過去の実験、論文が嘘、誤りだったという内容がメイン。 多くは以前、聞いたり、読んだりして、信じていたもので衝撃を受けてしまった。 下巻は人を理解する事でこんなに素晴らしい事が起きたという例がいくつか紹介され、邦題の通り、希望を抱く内容だった。 読み終えて、 これまで信じてきた物が嘘なら、この本も嘘? 一体、何を信じればいいの?、? と、思いつつ、どうせ騙されるなら、希望を持った方がいいよねという結論にしました。

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2023/12/28

高揚する本だった。 世界は大いなる善意で回っている。 ドイツ軍の人間ばなれした戦闘を可能にしたものは「友情」 テロリストにさえ当てはまる 自由を与え、あらゆる年代と能力の子どもが入り混じったコミュニティの中で、コーチやプレイ・リーダーが支援すれば、子どもは最もよく学ぶ 大人...

高揚する本だった。 世界は大いなる善意で回っている。 ドイツ軍の人間ばなれした戦闘を可能にしたものは「友情」 テロリストにさえ当てはまる 自由を与え、あらゆる年代と能力の子どもが入り混じったコミュニティの中で、コーチやプレイ・リーダーが支援すれば、子どもは最もよく学ぶ 大人は、子どもに自由を与える勇気を持っているかどうかだ ベネズエラの自治体トレス、とある候補者が、当選したら権力を住民に譲り渡すとして、本当に当選して、わたした。 そこから急速に発達していった。 次にブラジルのポスト・アレグレで起きて、今は世界中に広がっている ノルウェーの刑務所システムは再犯率が世界最低 割れ窓理論はベニヤ理論の一種 オールポートの接触理論、交流には効果がある 著者の人生の指針10ヶ条 1. 疑いを抱いた時には、最善を想定しよう 疑わしきは罰せず  2. ウィン・ウィンのシナリオで考えよう  3. もっとたくさん質問しよう 自分がしてもらいたいと思うことを他人にしてはいけない。その人の好みが自分と同じとは限らないからだ 4. 共感を抑え、思いやりの心を育てよう 瞑想によって思いやりを鍛錬できる 5. 他人を理解するよう努めよう。たとえその人に同意できなくても  6. 他の人々が自らを愛するように、あなたも自らを愛そう  7. ニュースを避けよう ネット、SNSを制限 8. ナチスを叩かない  9. クローゼットから出よう、善行を恥じてはならない  10. 現実主義になろう 

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2023/11/30

ブレグマンは、「わたしたちが、大半の人は親切で寛大だと考えるようになれば、全てが変わるはずだ」と語る。 (訳者あとがきより) 巷(いまや巷といえばSNSか)に溢れるうんざりするようなニュースを、毎日のように目にしすぎていた。知らぬうちに。人間は善か悪か。さらっと質問されたらさら...

ブレグマンは、「わたしたちが、大半の人は親切で寛大だと考えるようになれば、全てが変わるはずだ」と語る。 (訳者あとがきより) 巷(いまや巷といえばSNSか)に溢れるうんざりするようなニュースを、毎日のように目にしすぎていた。知らぬうちに。人間は善か悪か。さらっと質問されたらさらっと「そりゃ悪よ」と答えてしまいかねないくらいに。でも本書を読むと、そんなことはないんだ、と、心の底から沸々と、まさにそれこそ「希望」がわいてくる。歴史的な事件や、人は悪だと思い込んでしまいそうな実験をひっくり返す真実に迫りながらページは進む。あちらこちらに人間の善行が光る。人間に生まれたからには、正しくありたい、と背筋が伸びる。人を信じよう、優しくあろう、と思う。いやそれが難しいんだよ、といつもならひねくれてしまうけど、それが人間の本質なんだと、信じさせてくれる。とはいえ現実は…とまだごねてみたくなる日々だが、この本を読めたことを無駄にせずに過ごそう。忘れないようにしよう。オススメ。

Posted byブクログ

2023/11/16

日ごろから「たぶんそうなんだろうな」と思っていて、それとは違う出来事に出会うと、「きっとこれは稀有な出来事なのだ」と思うようにしていた自分の考えが、根底から覆された、自分にとっては衝撃的な書物であった。

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