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ランニング王国を生きる の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

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2024/05/04

エチオピアランナーに対するステレオタイプの偏見を自分も一部持っていたな、と気づかされる。そして、科学的トレーニングに対して一石を投じているところも非常に共感できるものだった。

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2024/02/09

物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。 東大OPACには登録されていません。 貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください 返却:物性研図書室へ返却してください

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2023/12/21

エチオピアン・ドリーム。 うっとりするような言葉。 そのために、食事も、睡眠も、息抜きですらランニングのために行う。 エチオピアで『走る』ということは、趣味ですることではないようだ。 生きるために走る。 日本人でそんなランナーはいるのだろうか。

Posted byブクログ

2023/09/04

エチオピア、ケニア人が何故強くいのか 身体的、精神、育ち 浅はかな考えがちだから、 論理的に、実体験を用いて記されている

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2023/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

テレビで見るマラソン大会や世界陸上で見るエチオピアの選手の背景を知る事ができ、面白かった。ランニングは個人競技なのに、普段はチームとして、互いに切磋琢磨しながら集団で練習し、協調性を重視していることを初めて知った。 また、エチオピアには才能や遺伝という概念がなく、然るべき規範に従って正しく行動すれば誰もが偉大な存在になる→適切な練習をすれば誰もがその可能性がある。努力をすれば神が卓越したパフォーマンスを与えてくれる。走れないのは個人の努力の欠如であると考えられているのも驚きだった。 アフリカのランナーは貧しいからこそ成功を掴めるという、メディアの伝える姿は真実ではない。エチオピアやケニアのランナーは最貧困層ではない。ランニングに打ち込むには時間、練習環境などの費用捻出が必要であり、家族の支援も必要となる。 今までエチオピアという国をほとんど知らなかったが、もっと知ってみたいと思わせる1冊だった。

Posted byブクログ

2022/10/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 悪い本じゃないけど、ランしようというモチベを上げるものじゃなかった(あまりにもすごすぎて)。  というか、むしろ、そういう内容じゃなく、エチオピアという国に、いかにマラソンが文化として — スポーツという枠をはるかに超えて — 国民の生活に強く結びついているかを解き明かす、現地に入り込んで体験してきたルポルタージュだ。  また、アフリカ諸国のランナーが一様に速いことに関して、「人種的身体能力」や「日々、走ってるから」、あるいは「貧しいから」というステレオタイプな認識を改めてもくれる。  これはエチオピアの国民性なのかどうかは分からないが、彼らはけっして身体能力に任せて走りまくって強くなったのではないということも良く分かる。 「成功するランナーは、足を動かす前に目で見て頭で考えるランナーである。」 「才能や生まれつきの能力ではなく、成功するランナーは練習をうまく計画して、管理する能力に長けているランナー」  マラソンは斯様に、思索的であり、ある意味、近代的な管理能力も問われる極めて高度なスポーツであるということも認識させられる。なにより「賢く走る」ことが求められるのがマラソンなのだ。  このレポが成功したのは、なにより著者自身が2:20:53でフルマラソンを走れる超エリートランナー兼学者(文化人類学)だったということだろう。そんな彼でも集団走にまともにはついていけないながらも、共に走り、彼らと密に過ごしたことで導き出された結論は、実に説得力があった。「参与観察」という調査手法らしいが、この著者をして初めて成し遂げられたことだろう。 異邦人としてではなく、同じランナー仲間と徐々に認められるクダリは印象深い。  かつての宗主国から来て、上から目線で、研究対象としてエチオピアのランニング文化を眺めていただけれでは得られなかった貴重な体験と気づきは、この著者をしてでしか無しえなかった成果だったろうと思う。 「練習では主に仲間と一緒に走る。これはエネルギーを分かち合うことである。」  彼らは決して1人では練習はしない。それは「健康のために走る人がやること」だという。ではなぜ集団で走るのか? それは「自分を変えるため」。  うーん、なんかものすごい教訓が含まれていそうだ。確かに、部活の集団走には意味があったなと、思い出される。それで、人生を変える、ってことはなかったけど、それがエチオピアではあり得るのだ。  エチオピア文化に根ざす集団性、その中での切磋琢磨、そして理知的な思考と人生観。あれこれメカラウロコの好著。

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2022/04/14

自分でも2時間20分程度でフルマラソン走ることができる文化人類学者が参与観察という手法でエチオピアのランナーたちと走り発見したことを表現している。アフリカのランナーたちをステレオタイプで見てしまっていたのだなということを感じさせられるようなこともあり、みなさんが個性あふれる個々の...

自分でも2時間20分程度でフルマラソン走ることができる文化人類学者が参与観察という手法でエチオピアのランナーたちと走り発見したことを表現している。アフリカのランナーたちをステレオタイプで見てしまっていたのだなということを感じさせられるようなこともあり、みなさんが個性あふれる個々のランナーだということを改めて思った。そういうランナーの集団を束ね、才能を発掘するには個々が争うだけではダメで集団の中で自己犠牲を厭わない規律のある練習(しかもバラエティにあふれた)が必要なのだと認識した。個人的にも最近いろんな練習会に出て普段よりも速いペースで長く走れてきていることを感じていたので納得感があった。

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2022/03/18

エチオピアのランナーはどのような生活をし、練習をしているのか。人類学者で、自らもフルマラソンを2時間20分で走る著者が、エチオピアのランニングクラブのメンバーと1年3か月の間、生活を共にした記録です。 ・レースで賞金をもらうことで人生を変えたいと願うランナーたちの走ることに対す...

エチオピアのランナーはどのような生活をし、練習をしているのか。人類学者で、自らもフルマラソンを2時間20分で走る著者が、エチオピアのランニングクラブのメンバーと1年3か月の間、生活を共にした記録です。 ・レースで賞金をもらうことで人生を変えたいと願うランナーたちの走ることに対する姿勢は真剣そのもの ・シューズが買え、クラブに入れるようなある程度経済力のある人しかランナーにはなれない ・練習は集団で一定のペースで走る。前のランナーの足を見て、同じリズムで走る。一人で走ることはあまりない(夜中にハイエナに襲われる危険があるからという理由もある) ・森の中、トラックで走るのが基本。アスファルトで走るのは週に1回だけ エチオピアのランナーが大切にしているのは、仲間との絆、自然との共生、自分を信じること、夢にチャレンジすること。速くて強いランナーが次々と出てくる理由がわかる気がします。 いつかそのうち、森の中や草の上を自由に走れる環境に住み、走ってみたいものです。

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2022/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

エチオピアにきたイギリス人文化人類学者が1年3ヶ月に渡って現地のランナーと一緒に、ランニングを研究した記録 エチオピア人にとってはランニングは人生であり、フィジカルだけを鍛えるのではなく、スピリチュアルな観点も合わせてメンタルを鍛える。それをコンディションと呼んでいる。 誰しも生まれ持ってランニングに興じ、朝6時ごろから練習に励む。 その姿勢を貫いてコンディションを上げ続ける者だけが、海外の大会で活躍できる。 ただし、それは必然ではなく、偶然でもあり、当人たちもうまくいかなかったことに対してもけろっとしていることが一つの秘訣なのかと思った。 以下、印象に残った文章 「成功するランナーは、足を動かす前に目で見て頭で考えるランナーである。」 「才能や生まれつきの能力ではなく、成功するランナーは練習をうまく計画して、管理する能力に長けているランナー」 「練習では主に仲間と一緒に走る。これはエネルギーを分かち合うことである、ペースメーカーを努めることは誰かの重荷を背負う行為である。」

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2022/09/03

著者は人類学者で自身もフルマラソンを走るランナーである。本書は、そんな著者がエチオピアに滞在し、現地のランナーたちと一緒に時間を過ごした記録である。 たしかに、エチオピアを始めとする東アフリカのランナーに対するイメージは、幼いころから高地で過ごし、学校も遠距離で走って登校してい...

著者は人類学者で自身もフルマラソンを走るランナーである。本書は、そんな著者がエチオピアに滞在し、現地のランナーたちと一緒に時間を過ごした記録である。 たしかに、エチオピアを始めとする東アフリカのランナーに対するイメージは、幼いころから高地で過ごし、学校も遠距離で走って登校していたため長距離が得意、というものであったと思う。 そんなイメージがいかに表層的であるかを本書は教えてくれる。現地のランナーたちの言葉は時に哲学的で独特の感性をもっており、読みながらふと立ち止まることもしばしばあった。科学的な練習をしっかり取り入れつつも、独自の哲学を持っており、大変興味深い。GPSひとつとっても、我々の想像する使い方とは変わってくる。 今後、テレビでエチオピアのランナーをみたら、そのランナーがどんな風に過ごしてきたのか、どんな気持ちでレースに臨んでいるのか、想いを馳せずにいられないと思う。

Posted byブクログ