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ランニング王国を生きる の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

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2022/02/23

アフリカのアスリートの見方が変わる本です。 ただ走っているだけでなく科学的な部分も取り入れつつ経験的な部分の練習もやっており、ただやみくもにやってあの成績が出ているわけではない事を知れました。弛まぬ努力がある。そして、1人じゃなくやはり仲間で競い合っていかなければならないこと、走...

アフリカのアスリートの見方が変わる本です。 ただ走っているだけでなく科学的な部分も取り入れつつ経験的な部分の練習もやっており、ただやみくもにやってあの成績が出ているわけではない事を知れました。弛まぬ努力がある。そして、1人じゃなくやはり仲間で競い合っていかなければならないこと、走る事に夢があることなど色々と気づかせてもらいました。 そして、ここに出てくるエチオピアのランナーのタイムは速いですね。私は到底一緒に走れません。

Posted byブクログ

2022/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

仕事で十数年ぶりにエチオピアに本格的に関わるようになり、そのタイミングで定期購読しているランニング雑誌にこの本が紹介されていて、偶然、すぐに手に入る状況に恵まれたので、買って一気に読了。 フルマラソン2時間20分台の文化人類学者であるイギリス人の著者が、エチオピアで1年以上、エチオピア人ランナーと過ごして間近で彼らを観察し、一緒に走ることで、エチオピア人にとっての「走ること」の意味や動機をリアルに伝えている。 「お金が無くて靴が買えない」「片道数時間の道のりを走って学校に通う子ども」といった偏見は、本書では一蹴されている。世界のマラソン大会で鎬を削るエチオピア人は実際のところ、ある程度の経済的な余裕がなければその舞台まで辿り着けないようである。 また、世界トップクラスに速いランナーだからこそ、「足場の悪い場所を遅く走る」ことが重視されているところなどは、ファルトレクやトレイルランの効果を裏付けているようで、同じくランナーの端くれとしては、こういう情報が取れるだけでも面白い。この本を読んでから、普段のランニングで芝生や未舗装の道を探して距離を踏むようになった。 そして、トップクラスのランナーたちは孤独に走ることはせず、必ず誰かと一緒に走ることや、ペースメーカーを交代して務めて「集団として速く走る」ことを当然としているというのも、面白い発見だった。速いからこそ孤独に走るのかと思いきや、真実は逆。周りと協力するからこそ個人としても全体としても速くなる、というのは、最高峰のマラソン大会のトップ争いを見ていると納得できる。 エチオピア人ランナーにとって、世界規模のマラソン大会に出場し、勝つことは文字通り人生を大逆転させ、親族も含めて富裕層の仲間入りをするための必須条件。ただし、うまく走れるかどうかは努力の積み重ねの結果というよりも、「自分が勝つと定められたかどうか」といった、ある種の霊的な考え方があるらしい。 多額の賞金が出るような世界規模の大会であっても、30キロあたりでトップ集団にいられなかった時は意外なほどにアッサリとレースを止めるランナーがエチオピア人に多いのは、そういう「今回は自分の番ではなかった」という考え方が根底にあるからなのかもしれない。五輪も含めて、大きな大会で途中棄権するランナーが多いことが前々から不思議だったが、この本のおかげで、少しだけその謎が解けた気がする。

Posted byブクログ

2022/01/11

昨日、「五感もまた計算するために働いているが、美しい絵画を見たり、好きな音楽を聴く時、我々の感覚は明らかに計算から外れている。統合された情報が生み出す創発現象か」と書いた(偶然の一致が人生を開く扉/『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ)。運動...

昨日、「五感もまた計算するために働いているが、美しい絵画を見たり、好きな音楽を聴く時、我々の感覚は明らかに計算から外れている。統合された情報が生み出す創発現象か」と書いた(偶然の一致が人生を開く扉/『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ)。運動やスポーツの原点は狩猟である。ここで求められるのは「計算する力」だ。 https://sessendo.blogspot.com/2022/01/blog-post_11.html

Posted byブクログ

2022/01/04

文化人類学者のマイケル・クローリー。 フルマラソン 2時間20分ぐらいのランナーでもある。 エチオピアのランナーの練習に入ってランニング文化を知る、考察する。 標高3,200m 考えただけでも息苦しい! 17 “走ることはたしかに苦しいが、他のスポーツでは味わえない、自分の中...

文化人類学者のマイケル・クローリー。 フルマラソン 2時間20分ぐらいのランナーでもある。 エチオピアのランナーの練習に入ってランニング文化を知る、考察する。 標高3,200m 考えただけでも息苦しい! 17 “走ることはたしかに苦しいが、他のスポーツでは味わえない、自分の中にある深いものを掘り起こしてくれるような感覚” 19 “成功するのは、足を動かす前に、目で見て、頭で考えるランナーだ。感情だけで走る者は成功しない” ハードな練習をたくさんやっても、楽にはならない、速くなるだけだ… 速くなるためのトレーニングだから、いつまでたっても楽になることはない。 エチオピアの人は成功して大金を得るために、お金のために走る。 森の中、自然の中で、自然からの力を得て走る。 非科学的なものも信じ、走る。 練習する環境を与えられたものだけが練習できる。 練習すれば勝てると思っている。 仲間と走ることは重要。 “走ることは生きること” エチオピア選手のようにハードなことはできないけど、走ることは生きることを実感する様々な要素が詰まってるから、やめようと思わないんだろうなぁ。

Posted byブクログ

2021/11/23

イギリス人の人類学者で、フルマラソンを2時間20分で走る本格的なランナーでもある著者が、エチオピアに1年3ヵ月にわたって滞在し、ランナーたちに密着しながら、この国のランニング文化に肉薄するという内容。一緒に練習し、生活をともにしながら、ランナーたちの強さの秘密に迫っていくのが面白...

イギリス人の人類学者で、フルマラソンを2時間20分で走る本格的なランナーでもある著者が、エチオピアに1年3ヵ月にわたって滞在し、ランナーたちに密着しながら、この国のランニング文化に肉薄するという内容。一緒に練習し、生活をともにしながら、ランナーたちの強さの秘密に迫っていくのが面白い。 Running is Life(走ることは生きること)、でやっぱり走りたくなった。数ヶ月ぶりに。 高地で猛練習、才能があるから、などのステレオタイプとは違う世界があった。神を信じるキリスト教徒、集団での練習、クラブによるサポート、国を挙げてのしっかりした組織。そして「賢く走る」ことが重視され、距離を伸ばすだけの練習ではない。森の中をジグザグに走ったり、坂道を上ったり。ロードでの練習は、かなり少ないらしい。 訳者あとがきが秀逸。的確に、端的に内容をまとめている。

Posted byブクログ

2021/10/11

いろいろなことを知れたけど、少し難しかった。ゆっくりじっくり読むことで見えてくると思う。 エチオピアで走るランナーの生き様が見えた。

Posted byブクログ

2021/10/03

===qte=== ランニング王国を生きる マイケル・クローリー著 走って解くアフリカの強さ 2021/10/2付日本経済新聞 朝刊 世界のマラソン競技は、エチオピア、ケニアのアフリカ勢が上位を独占している。その要因に彼らが高地民族特有の身体能力の高さを持っているからという俗説も...

===qte=== ランニング王国を生きる マイケル・クローリー著 走って解くアフリカの強さ 2021/10/2付日本経済新聞 朝刊 世界のマラソン競技は、エチオピア、ケニアのアフリカ勢が上位を独占している。その要因に彼らが高地民族特有の身体能力の高さを持っているからという俗説も強い。本当にそうだろうか。 本書はイギリスの文化人類学者が、エチオピアに1年以上滞在し、彼らと寝食共にして猛練習を積み、強さの秘訣を科学的に証明するノンフィクションである。 エチオピアの選手は、常に集団で走り結束力を大事にする。そして標高3千メートル以上の高地を走ることで肺活量を強くし、次に森の悪路でジグザグに走り、足腰を鍛え、障害物を避ける敏捷(びんしょう)性もマスターする。仕上げにアスファルトの道で、スピードを磨くというプログラムで訓練する。 集団で走ることは、自分のストライドを相手のリズムに合わせることを意味する。十数人の彼らは走っているのが一人であるように、足の着地音が一糸乱れず、同じ音、同じフォームに見えるという。それは仲間とのエネルギーを分かち合うことにもつながる。 速く、遅くのペースを保つことで、遅く走ることにも長(た)け、レースでの緩急を生かす判断力を養成し、勝負強さを生みだすのだ。 これらの練習方法の根幹には、長年の経験と知恵に裏打ちされた賢さがある。それがエチオピア選手の「計り知れない神秘的な力」であると著者は信じる。 伝説の名ランナーで取材時に92歳のワミ・ビラツの、今の選手は現代の文明の快適さに甘えるなという指摘は耳に留めておきたい。 著者は帰国後、エチオピアで学んだ練習方法で、初のフルマラソン大会に挑戦する。その成果はぜひ本書から知って欲しい。 著者は強さの秘訣を分析する。 〈世界トップレベルのランニングは、計測や規律だけでなく、互いの足を追いかけ、手本を示し、実験しながら学ぶランナーたちの好奇心や冒険心によっても支えられているのだ〉 今スポーツは資本が絡み、利潤を生む構造になっているが、私たちは何のために走るのか問われる時期にある。自然や人と共生するランナーが、一流になれるというエチオピアの事例は、現代への痛烈な皮肉であり、悪路とも言えるコロナ禍を我々はどう走るかという問いにも通じている。 《評》ノンフィクション作家 澤宮 優 原題=OUT OF THIN AIR(児島修訳、2420円・青土社) ▼著者はフルマラソン2時間20分53秒の記録を持つ人類学者。 ===unqte===

Posted byブクログ