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氷獄 の商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2023/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『チーム・バチスタの栄光』のその後を描いた表題作を含む、全4篇。 「双生」……1994年春。田口公平のもとで研修に励むすみれ・小百合の桜宮姉妹。外来患者の夫の異変に気付いたすみれは、ある斬新な治療法を提案する。 パーキンソン病の新たなる外科的治療法。 脳に電極を入れて、通電すれば良いという。 だが、彼女たちは半年の予定が三ヶ月で終わった。 「星宿」……2007年冬。看護師の如月翔子は、手術を拒否し続ける少年・村本亮の願い「南十字星を見たい「を叶えるため、便利屋・城崎を呼び出して、オレンジ病棟の秘密の3階にプラネタリウムに。 翔子が奔走する先にはグッチー、高階院長、白鳥も出てきて成功させる。 「黎明」……2012年春。末期癌の妻、千草が入所した東城大学医学部付属病院のホスピス棟は、「治る希望は捨て死を受け入れる」という方針だった。 夫・章雄は反発する。 そこには元女医の山岡さん(患者)と黒沼師長が率いてる。 反発するは若月看護師。工藤夫妻と「患者と寄り添うホスピス」を目指す。 かつてあった碧翠院を目指して・・・。 山岡は病気詐称で退所、黒沼も一緒に去る。 「氷獄」……2019年春。新人弁護士・日高正義は「バチスタ・スキャンダル」の被疑者「氷室」の元を訪れた。 弁護の拒否を続ける氷室。 バチスタの面々に巻き込まれる形でバンバン出てくる。 田口先生→白鳥→斑鳩→彦根先生 ここで北海道の産婦人科医の三枝先生、世良医院長の名がチラリ。 氷室に青酸カリを渡す女医は白磁のマスクを付けている。 そして東日本大震災の日。氷室は鍵が一時的に開いたドアから何処かへと姿をくらます。 流石に色々出てきすぎってカンジw それだけに、以前の物語を覚えてないと難しいかも? 色々な所で、色々な人が出てくるのでフと思い出す物語の数々。 バチスタ読んでる人は、読んでおいて損はしない。 ただ、物語上登場人物が多いので、ややこしい感はあるが懐かしさの方が勝る。

Posted byブクログ

2023/05/16

桜宮サーガの短編集 バチスタ裁判の表題作を含めて収録は4編 ・双生 1994年 春 田口先生のところに桜宮すみれ、桜宮小百合が短期研修していた頃 すみれと小百合のそれぞれやりたいことの片鱗がこの時期にも発露されていたのですねぇ でんでん虫の倒壊のあれこれや、その後の暗躍にまで関...

桜宮サーガの短編集 バチスタ裁判の表題作を含めて収録は4編 ・双生 1994年 春 田口先生のところに桜宮すみれ、桜宮小百合が短期研修していた頃 すみれと小百合のそれぞれやりたいことの片鱗がこの時期にも発露されていたのですねぇ でんでん虫の倒壊のあれこれや、その後の暗躍にまで関わってくるとはね…… ・星宿 2007年 冬 オレンジ病棟で南十字星を見ようとするお話 ナイチンゲールの沈黙の後くらい 手術拒否する小児患者の「南十字星を見たい」という願いを叶えようとする如月翔子 便利屋 城崎を頼って実現した方法とは? オレンジ病棟の建設の経緯やら、タヌキの思惑やら、白鳥の力技やら、田口先生の消費カロリーの少ないアシスト等々 ・黎明 2012年 春 終末医療施設である黎明病棟発足当初のゴタゴタ ホスピス棟に入所することになった、膵臓癌末期の千草 夫の章雄は、今まで苦労させた負い目もあってなんとか治療をしてやりたいと思っているが、ホスピス棟の看護師長黒沼はその考え自体を否定する ホスピスというのは、死を迎える覚悟を作る場所であい、治療は不要だと 諦めきれない章雄は、ホスピス棟に入所している山岡から、看護師の若月に相談する事を勧められる 若月のやった事、そして事態は意外な真実を明らかにする それにしても、高階院長の提示した最善策の無茶振りっぷりよ そんな事、田口先生ができるわけないじゃんw あと、最後に仄めかされていた、田口先生が巻き込まれる事って、新型コロナのあれですね 単行本の発売時には書いてなかった文章なんでしょうね、きっと 他作品の感想でも書いたけど、田口先生は後に教授になってるはずなのに、この時点でまだ講師という違和感もあるなぁ ・氷獄 2019年 春 新人弁護士・日高正義によるバチスタスキャンダルの被疑者の弁護の回想 弁護の拒否を続ける被疑者 被疑者からの他の事件へのアドバイス 日本の司法の問題点とは? 科学的な手法をどこまで司法に反映させるか? その情報の開示を誰が掌握するかという問題 検察は有罪にするために、自分達に不利な情報は出さないというのはダブルバインドではないのかという疑問 やはり、これまで桜宮サーガを追いかけてきたからこそ感慨深いものがある 別宮葉子、斑鳩芳生とか他シリーズを読んでいると「おぉ!」と思うところがあるけど この作品を最初に読む人にとってはよくわからない小説に感じるかもね 東日本大震災や新型コロナウイルスも作中に込めだすと 先述の通り登場人物たちの年齢が結構気になるんですけどねぇ ところで、田口と白鳥のシリーズは完結したんじゃなかったっけ? そのシリーズではなく、あくまで桜宮サーガの短編ということか?

Posted byブクログ

2023/05/01

バチスタ事件のその後を中心に検察システムに一石を投じる短編集。一連のシリーズのキーパーソンが数多く登場し、謂わばバチスタシリーズを締め括る作品のように感じます。 田口先生や白鳥技官を始めたする個性的な人たちの言動が久しぶりに読めて楽しかった。

Posted byブクログ

2023/02/03

バチスタシリーズの短編集。これまでの登場人物の個性が断片的に見とれた。 特に本のタイトルにもなっている「氷獄」ではそれぞれの人間性や考え、信念に基づいた「正義」の交錯が描かれており、非常に面白かった。 医療と司法の関係については今後の展開に期待できそう。

Posted byブクログ

2022/12/17

バチスタ裁判と東城大に関連する短編集です。 主要メンバが揃い踏みで楽しく読めました。 やっぱり白鳥のロジカルは群を抜いてますね。物語が加速して厚みが増します。 そして新章幕開けの感もあり、これからの田口白鳥ペアの活躍が楽しみになってきました。

Posted byブクログ

2022/09/10

2022.09.09 桜宮サーガ短編四篇 碧翠院姉妹の研修時代 小児病棟のプラネタリウム ホスピス棟の闇 バチスタ事件裁判 四話目、やっぱり白鳥が登場すると楽しいな。新キャラを無理なくいろんな話に後付けにも関わらず嵌め込んでいく手腕はさすが。

Posted byブクログ

2022/08/26

海堂作品は、流石にそれは・・!?と思うほどの設定やウルトラCが散りばめられているにも関わらず、ぐいぐい引き込まれてしまうのがいつもながらすごい。これぞエンタメ。

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2022/07/12

久しぶりに海堂尊さんの書籍を読み面白かった。 途中難しい言葉が多く、長く感じるところもあるがこれがこの本の良さなのかも。 最後はスピード感もあり楽しかったです。

Posted byブクログ

2022/06/15

桜宮サーガの中短編集。「黎明」は死なせる医療を取り上げる。「治療法はないから、いろいろなことを試すのは、医療資源の無駄遣いになる」(88頁)。何も治療をせず、死ぬのを待つだけにする。患者の希望をなくし、早く死なせてしまう。 これに違和感を抱いた患者家族は民間感覚を持っている。「...

桜宮サーガの中短編集。「黎明」は死なせる医療を取り上げる。「治療法はないから、いろいろなことを試すのは、医療資源の無駄遣いになる」(88頁)。何も治療をせず、死ぬのを待つだけにする。患者の希望をなくし、早く死なせてしまう。 これに違和感を抱いた患者家族は民間感覚を持っている。「多様な選択肢の中から好きなものを選べるオーダーメイドはリフォームでも最高の贅沢だ。そうした精神は医療でも同じはずだ」(102頁)。民間感覚を医療に反映することが医療を良くする道である。 「氷獄」は『チーム・バチスタの栄光』の犯人の刑事裁判を描く。『チーム・バチスタの栄光』は著者のデビュー作であり、桜宮サーガの出発点である。原点回帰はファンに嬉しい。「氷獄」では日本の刑事司法の問題が指摘される。冤罪や不当逮捕事件も絡めている。 「取り調べや裁判では被疑者は圧倒的に不利な状況にある。取り調べ時間の決定、調書を作成するのも検察官の思い通り。従わないと長期間勾留する。欧米では取り調べの際、被疑者の弁護士が同席できるが、日本ではそんなことはありえない」(169頁) 「検察は被告人がシロを示唆する証拠は開示せず、被告人をクロにするのに好都合な情報だけ開示する不適切な体質で、情報化社会における不適合者さ」(237頁) 公務員のアリバイ作りへの批判もある。「国という暴力装置が、自分のルールを押し付けようとする時に、大衆から非難されないためのエクスキューズなのでは」(147頁) 著者が2020年に刊行した『コロナ黙示録』は安倍政権批判が露骨であった。これは小説を楽しみたい向きには疑問がある。しかし、日本の刑事司法の問題点から社会批判を強めた結果としては理解できなくもない。一方で2019年参院選広島選挙区を巡る買収事件で自民党であった渡辺典子県議の起訴に対してインターネット署名「冤罪をゆるさない!違法な捜査・曖昧な規制を見直そう!」が立ち上がった。安倍政権を批判する側にとっても支持する側にとっても日本の人質司法は問題である。

Posted byブクログ

2022/03/01

このシリーズは、読み始めると止まらないですね。懐かしい登場人物が出てくると、あの時どんな話だったかな?なんて。

Posted byブクログ