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いっぱしの女 新版 の商品レビュー

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37件のお客様レビュー

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2024/03/15

未婚、女性、社会人であるがゆえに感じることをピタリとハマる言葉と繊細な言葉で表現しており、その時々の心の揺れが鮮明に伝わってきた。今でも古くないエッセイ。

Posted byブクログ

2023/09/17

 女だから、女性として、というような属性の押しつけは、男からだけではなく、女同士でも行われる。妻として。会社員として。部下として。上司として。人は、歳を重ねるにしたがって、他者からの押しつけだけでなく自らすすんで属性を増やし、会話の内容もその属性に沿ったもの中心になっていってしま...

 女だから、女性として、というような属性の押しつけは、男からだけではなく、女同士でも行われる。妻として。会社員として。部下として。上司として。人は、歳を重ねるにしたがって、他者からの押しつけだけでなく自らすすんで属性を増やし、会話の内容もその属性に沿ったもの中心になっていってしまう。それを大人になることだと思い、そのような会話を疎む人を、あなたは相変わらずね、と見下げようとする。著者の視線は、友人知人のまとう属性ではなく中身に向けられている。彼ら彼女らが、属性にまつわる話ばかり語ることに悲しみを感じている。思わず私自身のこれまでを省みてしまった。

Posted byブクログ

2023/07/09

氷室冴子さんのエッセイ。 私は学生時代、小説を読まずに漫画に浸かっていたので、大人になるまで氷室冴子さんの作品を読んでなかった。そして大人の私の感想は、独特の空気感と女の子たちの心情や言動がとても好きだ、だった。 そんな氷室冴子さんのエッセイ。 作品に通ずる、愛の深さと潔さと多彩...

氷室冴子さんのエッセイ。 私は学生時代、小説を読まずに漫画に浸かっていたので、大人になるまで氷室冴子さんの作品を読んでなかった。そして大人の私の感想は、独特の空気感と女の子たちの心情や言動がとても好きだ、だった。 そんな氷室冴子さんのエッセイ。 作品に通ずる、愛の深さと潔さと多彩さを感じた。深くもあり、けれど一瞬にしてそれが飛散するような儚さもある。でも、ゼロにはならない、ような。そんな、感じ(私の感じた雰囲気の話なので、それを伝えようとしてたというわけではない、と思う、多分) どん、と胸に重みを感じる言葉がたくさんあった。そしてほんの少し、昔だったり今の私が思い浮かんでくることも。 そして、当時の氷室冴子さんが生きていた世界と、そこで過ごしていた氷室冴子さんに、なんだか窮屈だな、そんな時代だったのかな、そんなふうに思い生きていた人たちが、道を少しずつ作ってくれて今があるんだろうな、と。 いっぱしの女が、たくさんいたんだろう。 私も、もしも何かぐぬっときたとき、つぶやこう。自分のために。それはもしかしたら、この先の誰かのための、道のカケラくらいにはなるかもしれない。 町田そのこさんの解説も、愛が溢れててとても好きだった。ほんの少し、寂しさがあって、それこそ、愛だなと感じた。

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2023/06/09

女性読者向けと思いますが、男でも面白く読ませてもらいました。特に「とても素晴らしかった旅行について」は最高でした。

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2023/06/01

もう先生が執筆した年齢をはるかに超えましたが、読んでいると10代20代に自然と戻ります。 いつまでも繰り返し読んでも飽きない。

Posted byブクログ

2023/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昔、憧れて好きだった女友達。 久しぶりに会ったら、夫や恋人の愚痴ばかり話してきて、聞いていてうんざりしてしまうと。。 旅先で一緒になった女性たち。 その人たちのこれまでに行って良かったところ等の話が聞きたいのに、同行者への愚痴に喜々としてしまう。。 どちらも分かるなあと思った。愚痴ばっかり聞いてるとゲンナリするけど、盛り上がってはしまうんですよね。もっと楽しい話がしたいと思いつつも。 そして30年前も人々は、「わかる〜」と言っていたんだなと。私もすぐ言ってしまう。わかる。

Posted byブクログ

2023/05/05

23/05/03読了 おそらく20年ほど世代が異なるけど、その20年の変化たるや大きいのだろうなとしみじみ感じた。 言っても詮ないことだけど、氷室冴子さんの物語を読み続けたかったなと思う。

Posted byブクログ

2023/01/25

「私たちはふだん、友人だから、女同士だから、親子だから、恋人だからという理由で、相手の何かをわかった気になっているけれど、それ自体はなんの根拠にもならないのだと言うこと」〜一番遠い他人について〜 この文章をTwitterの紹介文で見つけて読んだのだけれど。 〜とてもすばらしかった...

「私たちはふだん、友人だから、女同士だから、親子だから、恋人だからという理由で、相手の何かをわかった気になっているけれど、それ自体はなんの根拠にもならないのだと言うこと」〜一番遠い他人について〜 この文章をTwitterの紹介文で見つけて読んだのだけれど。 〜とてもすばらしかった旅行について〜に出てきたンマーおばさんが印象的だった。正確にはこのンマーおばさんの言動に初めは適当にあしらっていたのだけれど、流石に嫌気がさし、正論の反論を試みた著者に対して、密かに思いを打ち明けた老婦人の言葉が印象的だった。 氷室冴子さんの著作は名前は知っているけど、読んだことがないので、読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2022/09/18

自分が小学生の頃に書かれた本。海がきこえる、が面白かったので、図書館で借りて、読んでみた。 わかる、という言葉に対する不遜さを指摘しているのが、印象的。解説で町田そのこもそのことを指摘している。 自分がなんとなく感じている違和感をわかりやすく表現していて、僕が言いたいのはそうだよ...

自分が小学生の頃に書かれた本。海がきこえる、が面白かったので、図書館で借りて、読んでみた。 わかる、という言葉に対する不遜さを指摘しているのが、印象的。解説で町田そのこもそのことを指摘している。 自分がなんとなく感じている違和感をわかりやすく表現していて、僕が言いたいのはそうだよ、と思わせる箇所がいくつかあり、よかった。 ただ、筆者は女性らしい細やかさというよりも細かいことは気にしないおおらかさがあるように感じた。

Posted byブクログ

2022/06/15

氷室冴子さんの作品を初めて読んだが、日々の鬱憤や違和感を、こんな風に自分の言葉にしていることってすごいな、と思う。元は1992年に刊行された本だが、30年経ても良くも悪くも変わらないことはたくさんあり、すんなりと読めた。

Posted byブクログ