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いっぱしの女 新版 の商品レビュー

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37件のお客様レビュー

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2021/10/08

30年前の作品とは思えないほど現代に通じるフェミニズム&シスターフッド。そのような言葉はまだないのでレズと表現されているのに時代を感じる… ただ、「男は奢って当たり前」という価値観はこの頃には最新だったというのが驚きなんだけど、本当か?! 30歳過ぎて(私はまだ過ぎてな...

30年前の作品とは思えないほど現代に通じるフェミニズム&シスターフッド。そのような言葉はまだないのでレズと表現されているのに時代を感じる… ただ、「男は奢って当たり前」という価値観はこの頃には最新だったというのが驚きなんだけど、本当か?! 30歳過ぎて(私はまだ過ぎてないけれど)女友達が昔とちょっと変わってしまった淋しさ、男は男でオトナぶっていて、それを冷ややかに見たい一方で自分だけオトナになれていないようなやはり淋しさ、でも自分はプライド持って生きてるしどこかに仲間だっているんだから、という意地に大いに共感、元気が出た。 なんなら最後の対談の貧乏暮らしエピソードにもめちゃくちゃ元気もらった。マジ生きるぞと思った

Posted byブクログ

2021/09/26

子供のころよく読んでたコバルト文庫。その中でも特に人気で、映像化もたくさんされているのがこの著者。久しぶりに新版が出たと知って、懐かしくなって読んでみた。 30年近く前に出版された本を、2021年に新装版で出版したもの。解説(町田そのこ)が追加されている。町田そのこと言えば、今...

子供のころよく読んでたコバルト文庫。その中でも特に人気で、映像化もたくさんされているのがこの著者。久しぶりに新版が出たと知って、懐かしくなって読んでみた。 30年近く前に出版された本を、2021年に新装版で出版したもの。解説(町田そのこ)が追加されている。町田そのこと言えば、今大人気の「52ヘルツのクジラたち」の著者だ! 氷室冴子は小説以外も読んでいたので、この本ももしかしたら昔読んだのかもしれない、覚えてないけど。 30歳前後で独身、小説家という自由業、そして女であるということでの世間の風当たりの強さなどが書かれている。今では結婚しない人も多いし、当時もセクハラという言葉はあったみたいだけど、今では〇〇ハラもいっぱいできて、他人との距離感の取り方が変わってきているので、他人の生き方、趣向にずけずけ踏み込んでくる人もあまりいないけど。 「結婚なんかより大恋愛をするといいのよ。いい思い出になって、幸せなものよ。」というのが心に残った。完全に理解はできないけど、そうなのかな…

Posted byブクログ

2024/06/03

氷室さんの作品は実は読んだことがなかったが、面白そうだと思って手に取った作品。まず、この作家さんの物事に対する視点と、語彙力、表現力に驚かされた。流れるように読めるのに、深くて、そしてすごく面白い。これが33歳で書かれたもの、ということに驚愕。自分は33歳よりも大部年上なのに、例...

氷室さんの作品は実は読んだことがなかったが、面白そうだと思って手に取った作品。まず、この作家さんの物事に対する視点と、語彙力、表現力に驚かされた。流れるように読めるのに、深くて、そしてすごく面白い。これが33歳で書かれたもの、ということに驚愕。自分は33歳よりも大部年上なのに、例え作者と同じようなことを感じたとしても、このように表現する言語能力を持ち合わせていない。まあ作家さんと素人の自分を比べることがおこがましいですが。。 内容としては、作者の考えていることを、実体験で起きた出来事を基に描いていく構成で、その対象となる映画やらを知らないとついていけない部分もあるが、それでもなお楽しめる。なんというか、これを読んでいると、今のあるがままを批判的な目線で見つめることもせず、ただそういうものなのだ、と受容し、ノホホンとしている自分が恥ずかしくなった。

Posted byブクログ

2021/09/15

202109/新版で再読。1992年の刊行、なのに今もこの時とあまり変わっていないことにショックを感じつつ。まだまだ氷室冴子たくさん読んでいたかったなあ…。

Posted byブクログ

2021/09/15

私にとって氷室冴子さんといえば、『海がきこえる』。2冊を一晩で一気に読んだことを思い出す。あぁ、そうか。あの瑞々しい描写の背後には、こんな淋しさや、怒りや、そしてそれでも手放さなかったユーモアがあったのだな。

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2021/09/05

30年前のエッセイだからといって「さっぱり理解できない」なんてことは無いらしい。 時代が変わっても同様のもどかしさや面倒臭さはあるのだなあと。 特に『ミザリー』と『一番とおい他人』の章が痛い。 旅行先で一緒になった老婦人が囁いてくれた“人生の秘密”は覚えておきたいと思った。

Posted byブクログ

2021/09/01

読了。氷室さんの文章を数十年ぶりに読んだけど、心にズーン!とくる感覚は変わらず。この本を書いた氷室さんが今の私と同年代ということもあるのかも。これはまた読み返す。「やっぱり」って私も書きがちなんだけど氷室さんも同じと書かれていて嬉しかった笑 また著作も読み返したい

Posted byブクログ

2021/08/24

なんだか「女である」ということに疲れていた、そんな時に出会った一冊。 20代の頃は結婚しなきゃと焦りを感じていた。 そして結婚して5年経つ今、私は出産に対して焦りを感じている。 周りからの「子どもはまだ?」という言葉にひっそりと傷つき、プレッシャーを感じ、勝手に後ろめたさと劣等...

なんだか「女である」ということに疲れていた、そんな時に出会った一冊。 20代の頃は結婚しなきゃと焦りを感じていた。 そして結婚して5年経つ今、私は出産に対して焦りを感じている。 周りからの「子どもはまだ?」という言葉にひっそりと傷つき、プレッシャーを感じ、勝手に後ろめたさと劣等感を感じている。 子どもはほしい。でもその私自身の気持ちの他に、他者からの重圧から逃れたい、という気持ちがあることがはっきり否定できない。それが悲しい。 周りも私自身も、「この年頃の女はかくあるべき」という過去の価値観の呪いから脱し切れていないのだ。 こんなこともあった。 職場でわたしはある役員の書いた原稿の校正作業をした。特に命じられたわけではないが、私がやらなければ誰もやらず、そのまま世間に出版されてしまう。原稿を書いた役員の意図を損なわないよう、連絡を取りながら、通常業務の合間を縫ってやった。役員の方はその仕事を評価してとても感謝してくれた。 でもその後、私の直属の上司と私とで2人で話していた時に言われたことが忘れられない。 「あの人は女性に優しいからな。女性は得だね」 あの言葉にどんな意味が込められていたのかはわからない。もしかしたら嫉妬があったのかもしれない(ちなみにその役員の方は性別の差で態度を変えるよな人ではなかった)。 あの上司の言葉は、私のした仕事や私個人の存在を否定し、この本の言葉を借りるなら、逃れようのない私の〝女(性別)〟の部分だけを切り取って、かつ女性というものを見下したニュアンスを含ませて放たれた言葉だった。 奇しくも、そんな33歳(このエッセイを書いていた氷室さんと同じ歳)の今、エッセイを読み、私は幾分か救われた想いがした。著者は私が普段違和感を感じる〝女〟を取り巻く状況を冷静に言語化し、不条理なものを断じてくれていたから。 この本がリアルタイムで出版されてから数十年が経ち、女性(に限らず性別に関する意識や固定概念)を取り巻く環境は少しずつ変わっていると思う。 (特に若い世代は。上の世代はまだまだ変わっていない部分がたくさんあると思う。) 女性(に限らずすべての人)が、押し付けられるジェンダー観に傷ついたり違和感を感じることなく、〝いっぱしの女〟と意気込まず〝いっぱしの大人〟と言えるような、そんな世の中になってほしいし、私自身も変えていきたいな。  

Posted byブクログ

2021/08/23

文庫化された時に、初めて本書の存在を知り懐かしさのあまり手に取った。 多感な学生時代に、氷室冴子さんの本を読み漁った記憶が蘇る。マンガと児童文学しか読んだことのなかった当時の私には、氷室さんの作品は衝撃的な面白さだった。 エッセイを読みながら、彼女の作品に出てきたきっぷの良い...

文庫化された時に、初めて本書の存在を知り懐かしさのあまり手に取った。 多感な学生時代に、氷室冴子さんの本を読み漁った記憶が蘇る。マンガと児童文学しか読んだことのなかった当時の私には、氷室さんの作品は衝撃的な面白さだった。 エッセイを読みながら、彼女の作品に出てきたきっぷの良い女性キャラクターが思い出される。氷室さんだなぁ…。30年も前に彼女のように生きるのは、今よりずっと覚悟と勇気が必要だったのではないだろうか。 知識不足により、いくつかわからない話題があり、知らないとついて行けない感があったので★3つに。

Posted byブクログ

2021/08/23

この本を読んで「やはり!」「なるほど~」と言ってしまう人がかなり居るだろう。流石な「いっぱしの女」なのである。

Posted byブクログ