兵諫 の商品レビュー
裁判で語られる張学良、本人が登場するわけではないのに、そこにいるかのような臨場感。凄い書き手だなあと思う。 龍玉をめぐる張学良の物語はいつまで続くのか?
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歴史とは事実の積み重ねだと思う。起こったこと・あったことは変えられない。後世でできることは、「事実」の背景や、他の「事実」とのつながりを探り、検証し、「何故そうなったか」を理解して、もしそれが負の歴史であるならば、同じ愚を犯さないように活かしていくということなのかなと思う。 この...
歴史とは事実の積み重ねだと思う。起こったこと・あったことは変えられない。後世でできることは、「事実」の背景や、他の「事実」とのつながりを探り、検証し、「何故そうなったか」を理解して、もしそれが負の歴史であるならば、同じ愚を犯さないように活かしていくということなのかなと思う。 このシリーズを読んでいていつも感じるのは、近代史に対する自分の無知だ。「二・二六事件」といえばまず思い出すのは宮部みゆきの「蒲生邸事件」で、「陸軍の一部の青年将校が暴走して時の政府の要人を暗殺した」といううすぼんやりとした知識しかない。なぜこの事件が起こったのか、この事件がどのように他に影響を与えたのか、きちんと理解ができていない。「西安事件」に至ってはこれまでに聞いた覚えもなかった。 この小説のあちこちに、今現在私が日本や日本政府に感じていることと重なるような記述が散見された。ということは、やはり、この頃の日本と今の日本で似ている(または、当時から変わっていない)部分が多いのかもしれないと思う。 第二次世界大戦という大きな大きな出来事に向かって何があったのか、何故あんな無茶な戦争に突き進んでしまったのか…これはあくまで小説だけれども、理解(学び)のきっかけとしてとてもありがたい。
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兵諌という耳慣れない言葉の意味を知りました。歴史を思い出したり、調べ直したりして納得しました。 このシリーズはいつも前作と間が空くので、登場人物の記憶が曖昧なまま読んで途中から思い出していく感じですね。 今回は陳一豆がとてもかっこよかったです。
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期待外れだったかな。 登場人物が目まぐるしく入れ替わって登場し、 なかなか頭に入ってこなかった。 張学良の西安事件を兵諌として捉えて淡々と終わった感じ。二•二六事件との繋がりも腹落ちしなかった。
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2.26事件と西安事変は同じ年に国は違えど国を憂いての行動。2.26事件は行動することに価値を見出していたため同情されるけど同調まではいかず。西安事変は政治目的が明確なため同情ではなく同調。兵諫って言葉の意味は確かに欧米人にはわからないかも。
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ニューヨーク・タイムスのジムを通し、当事者証言で西安事件を知る。物語だから、蒋介石も張学良も世評にとらわれず著者の解釈による。するとどうしても歴史に「もし」を想定したくなる。あの事件が起こらねば、中国共産党はどうなっていたんだろう。剿共が成ったとは言えぬのか。よもや成ったならば中...
ニューヨーク・タイムスのジムを通し、当事者証言で西安事件を知る。物語だから、蒋介石も張学良も世評にとらわれず著者の解釈による。するとどうしても歴史に「もし」を想定したくなる。あの事件が起こらねば、中国共産党はどうなっていたんだろう。剿共が成ったとは言えぬのか。よもや成ったならば中国は、と不毛な幻想が広がる。そして、日中友好を説く蒋介石が拉致されなければ、日中戦争とて避けられたかもと、これまた幻想だ。いずれにしろ、親の七光と揶揄される張学良が起こし、注目度が低い西安事件は、知るほどにその余波の大きさを思う。
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「蒼穹の昴」シリーズ第6部。 1936年。二・二六事件のショックがまだ冷めやらぬ中、中国の古都、西安近郊で、国民政府最高指導者、蒋介石に張学良が率いる東北軍に監禁される事件が起こります。 奇しくも同じ年に日本と中国で起こったクーデターを巡り、物語は展開します。 この時代の日中モ...
「蒼穹の昴」シリーズ第6部。 1936年。二・二六事件のショックがまだ冷めやらぬ中、中国の古都、西安近郊で、国民政府最高指導者、蒋介石に張学良が率いる東北軍に監禁される事件が起こります。 奇しくも同じ年に日本と中国で起こったクーデターを巡り、物語は展開します。 この時代の日中モノは浅田さんのライフワーク(多分)だけに、安定感抜群のクオリティですね。 ただ、テクニックが過ぎて、第一章で二・二六事件の死刑囚と志津大尉が面会する場面を、敢えて“書記官の記録風”に片仮名文体にするのは、確かに雰囲気は出るのですが、シンプルに読みづらいので、ここは普通の文体でお願いしたかったです。 とはいえ、やはり流石だなと思ったのは、張学良をかばう為出廷した東北軍の護衛官・陳一豆の陳述シーンが圧巻だったのと、死刑宣告された彼に、桟敷席から「上出来だったぜ」と声掛けした馬占山とのやり取りがカッコよすぎでした。やっぱり“白虎張(張作霖)”の意志を継ぐ馬賊達は、人間としての奥深さや器の大きさが、そこらの軍人や役人とは格が違うなと。所謂レベチってやつです。 そして、このシリーズを通しての隠れテーマ(?)になっている“龍玉”の、今後の行方が気になります。という事で、勝手にまだ続くと思っている私でした。
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出だしは雰囲気が良くてすごく期待していたけど、読みにくいカタカナとかあり、 結局何も起こらず、なんだ? っていう感じ。
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面白かった!書店で平積みになっていたときに、帯をみたら面白そうだったので、すぐに図書館で借りて読んでみました。文庫になったら買います。で、帯だけみると、二・二六事件の死刑囚が語る蹶起の真相、西安事件の被告人が訴える叛乱の首謀者、とあったんですが、全く春児とつながらず(つながっても...
面白かった!書店で平積みになっていたときに、帯をみたら面白そうだったので、すぐに図書館で借りて読んでみました。文庫になったら買います。で、帯だけみると、二・二六事件の死刑囚が語る蹶起の真相、西安事件の被告人が訴える叛乱の首謀者、とあったんですが、全く春児とつながらず(つながってもないんだが)新しい独立した作品だと思い込んで読みはじめたらば、蒼穹の昴シリーズ、天子蒙塵の続きの話だった。それはそれでとても嬉しいんだが。浅田歴史本は比較的とてもフェアなので、読んでいて気持ちが良い。 支那での兵変で宮城の警備をするくだり、悲しすぎる。当時の情報というものの取り扱いがいかに、、というのが繁栄された肝の冷える文章が大迫力。もちろん当時の日本の長所短所だけでなく、支那の長所短所もフェアに描かれていく。読むほどに、ifの世界を想像して止まらなくなった。国として調和し、完結していた支那が欧のアヘンや米ソの介入で壊れていく様子が美しい文章で描かれる。欲を言えば、ちょっと短すぎに感じたので、もうすこしジムや志津の話をガッツリと読みたかった。
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日本の226事件後、それに触発??された中国での蒋介石、張学良率いる反共産党の東北軍による西安(旧長安)進行を日本人の朝日記者北村、上海機関員志津、米国ニューヨークタイムズ記者ジェームズ・ターナーの目を通して軍法会議迄の経緯を描く。近代中国史には疎く、昔の中国内諸国での戦いと比べ...
日本の226事件後、それに触発??された中国での蒋介石、張学良率いる反共産党の東北軍による西安(旧長安)進行を日本人の朝日記者北村、上海機関員志津、米国ニューヨークタイムズ記者ジェームズ・ターナーの目を通して軍法会議迄の経緯を描く。近代中国史には疎く、昔の中国内諸国での戦いと比べイマイチの内容
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