働くことの人類学 活字版 の商品レビュー
面白かった〜〜!!!!! 元がポッドキャストということもあって、比較的平易な言葉で様々な民族の文化を垣間見ることができました。人類学という分野に本格的に興味が湧いてきて、巻末の選書リストなど端から登録してしまった。中には既に持っている本や既読の本もあって、自分の興味はもともとこう...
面白かった〜〜!!!!! 元がポッドキャストということもあって、比較的平易な言葉で様々な民族の文化を垣間見ることができました。人類学という分野に本格的に興味が湧いてきて、巻末の選書リストなど端から登録してしまった。中には既に持っている本や既読の本もあって、自分の興味はもともとこういった分野だったのかという気づきもありました。 人類学者の皆さまが繰り返し述べていましたが、我々とは全く違う環境に住まう人々の文化は、私たちが当たり前のものと認識し、故にその枠組みの中で窮屈な苦しい思いをすることも多々ある"常識"や"価値観"が根本から揺らいで、そもそもなぜこれは当たり前なのか?なぜそれが正しいとされているのか?というラディカルな疑問を抱かせてくれます。 「普通に考えて」「普通の感覚だったら」とか、よく職場で聞きますが、そういう「普通」に対して疑念を抱くことなく隷属し、「普通」からずれた考えや行動を自身と切り離して蔑視する態度には慣れたくないですね。そして、それを強要するよう集団からは距離を取りたいですね。
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ポッドキャストを元にした対談集なので、とても読み易いけど、内容は濃くて面白い! 文化人類学の物の見方も概要が分かり、かつ仕事や人間に対する見方を崩してくれる良書。これだけ、枠組みが違う世界があるということを知れて、ホッとするとともに嬉しさが込み上げてくる。文化人類学って、固定観念...
ポッドキャストを元にした対談集なので、とても読み易いけど、内容は濃くて面白い! 文化人類学の物の見方も概要が分かり、かつ仕事や人間に対する見方を崩してくれる良書。これだけ、枠組みが違う世界があるということを知れて、ホッとするとともに嬉しさが込み上げてくる。文化人類学って、固定観念や規範を打ち破り、豊穣な世界を知り享受して、自分も楽になれる、新たな価値創造にも寄与する知的活動なのかもと思った。言葉が合っているかが分からないけれども、反骨とアナキズムに繋がるフラットな視座と思考に繋がるのかもしれない。そうして揺れながら見る見方の先に地域通貨やら、コミュニティやら、社会保障、セイフティネットのデザインといった社会のあり方、生き方、サステナビリティにつながる話も出て来るから面白い。 本当、ニマニマの止まらぬ読書体験。それは、自分の社会にある規範だけが絶対じゃ無いというところに、自由と笑があるアホになれるゆとりを感じられて安心を感じたからだと思う。 其れにしても、自分はこうした多様性の話が好きだと言うのに、他方で武士道とかそういうものも大好きでこだわっていて、ともすると他人に押し付けがちな自分とは何なのだろうと、大いに自己矛盾を感じたりもした。 続編もポッドキャストで企画されている様なので、聞いてみつつ、続刊が出たら購入したい。 以下、この本を読んで面白いと思った事柄をメモする。 ・不確実な社会、環境、人間観に対して、自主自律しつつ繋がる人間関係が気持ち良い。『胃が違う』として、相手が自分の思い通りにならないことを仕方ないと受け入れつつ、関係は切れないという関係性は理想的。 ・現代資本主義経済下での専門性の特化に対する『一つのことをする奴ら』という揶揄には、自分にも刺さり面白い。 ・ルールを決めて、皆んなで守るのではなく、裏切られることも含めて都度判断していくバイタリティ。 ・ルールに縛られることが少なさそうな社会を構成しているブッシュマンの自然資源コモンズの管理は、どの様にサステナブルなのか、調べてみたい。マタギとか、ネイティブ・アメリカンの様な狩における信仰などの形での保全ルールは無いのか? ・価値観や規範を他者と比較して、相対化することが文化人類学の醍醐味の一つと知る。この相対化というのは、南直哉の本で書かれていた、視野狭窄を避ける言う仏道の効用にも繋がると思った。 ・確実性を前提とすると、努力が一貫して積み上がる右肩上がりの成長モデルが出来上がり、アカウンタビリティーと一貫性が重要視されて、それが保たれずに脱落すると死んでしまうというのは過酷で、日本社会にはそうした過酷さがあるということ。 ・文化人類学の手法 エスノグラフィとデザイン思考が相性が良く、ビジネスや行政でも使えるとのこと。不確実な中で手探りでプロジェクトを進める手法として紹介されており、是非身につけたい。
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