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婿どの相逢席 の商品レビュー

3.9

30件のお客様レビュー

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2021/09/23

人の懐に入っていける力 こんな力をかわれて おおだなの婿に 姑しゅうとめ 小姑 女しか店の主人と認めないうちに 入って 少しずつ周りの人の懐に入っていく。 最後は 謎めいた兄弟の話しも 一気に読めました。

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2021/09/16

最後、鵜三郎に持っていかれた感がなきにしもあらずだけど、鈴之助の活躍はもっと見られるのかな。シリーズ化を望む。

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2021/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初出 岩手日報ほか12紙 主人公の楊枝屋の四男鈴之助は、仕出し屋逢見屋の美人の長女から望まれて婿に入ったが、そこは大女将、女将、若女将の女系が支配する家で、いきなり「凡庸だから婿にした。家業に口出しは無用。」と宣告される。 鈴之助は、同じ立場の義父だけでなく、鬱屈を抱える義妹たち、奉公人に優しく誠実に接するうちに信頼されるようになるが、問題は昨年の墨堤の花見の仕出しで妨害した同業者で、今年も魚河岸を巻き込んだ嫌がらせをしてきたのだが、その原因を探ると同業者の若旦那の逢見屋への憎悪だった。 仲睦まじく暮らすうちに若女将が懐妊したが、男の子が生まれることを恐れるようになり、逢見屋が抱える真相に気づいている鈴之助は悩むことになる。 もっと事件になるかと思った終幕は、割とすんなり収まるが、女将が20年ぶりに会った我が子に語る心情に読者は涙させられる。 直木賞の『心淋し川』より、こういうちょっと切なくて暖かな人情話のほうが好き。

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2021/09/11

『涙もろい人は情が深く、顔に出さない者は薄情けだと思われがちだが、本当は違う。情をどう表に出すかはそれぞれで』   仕出し屋のご飯美味しそう。

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2021/09/06

男が跡継ぎが当たり前の江戸で、代々、女主人を戴く仕出し屋、逢見屋。 3代目女将に婿入りした鈴乃助の奮闘が始まる! 女主人を戴くというのが面白かった。 連作だが、不穏ないざこざ等を通して見えてくる逢見屋の謎も良かった。

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2021/09/02

楊枝屋の四男坊(鈴之助)が、老舗の仕出し屋『逢見屋』に婿入りした途端、隠居を申し付けられる。『逢見屋』は、女性が采配をふるい「主人」であった。でもそこで腐ることなく、その懐の大きさで人の心の中に入っていく。「あー、この人ちょっと嫌な感じ」と思う人も、根は悪くないし、人情味にあふれ...

楊枝屋の四男坊(鈴之助)が、老舗の仕出し屋『逢見屋』に婿入りした途端、隠居を申し付けられる。『逢見屋』は、女性が采配をふるい「主人」であった。でもそこで腐ることなく、その懐の大きさで人の心の中に入っていく。「あー、この人ちょっと嫌な感じ」と思う人も、根は悪くないし、人情味にあふれている。現実の社会もそうなのかな?この時代、女が表に出ることは、ほとんど無いことで、それを貫いてきたことは、かなりの覚悟が必要だったと思う。それぞれいろいろな葛藤を抱え、その心情が機微に描かれ、「うん、いい話だった」です。

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2021/08/29

殺伐としたミステリーが続いた後だけに、人情噺にホンワカ癒された。同じ問題抱えていても、心がささくれ立った現代では、成立しがたいのだろうか?「夫婦でも親子でも、気持ちの掛け違いは実に容易く起こり得る。誰よりも近くにいて、共に暮らすからこそ、諍いの種は、無尽蔵にそこら中に落ちて尽きる...

殺伐としたミステリーが続いた後だけに、人情噺にホンワカ癒された。同じ問題抱えていても、心がささくれ立った現代では、成立しがたいのだろうか?「夫婦でも親子でも、気持ちの掛け違いは実に容易く起こり得る。誰よりも近くにいて、共に暮らすからこそ、諍いの種は、無尽蔵にそこら中に落ちて尽きることがない。それを毎日、丹念に拾っていくのが、家族を続けていくための秘訣かもしれない。不精を通せば草ぼうぼうの荒れた景色となり、安寧の場所とはなり得ない。あるいは表向きばかりを取り繕って、見て見ぬふりを続けるうちにすこぶる風通しが悪くなり、床下が腐り落ちてしまうこともままあろう」鋭すぎる人間観察。感服です、西條さん。殻に閉じこもらないで気持ちをぶつけて生きていかねば。

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2021/08/15

世間の「あたりまえ」にあえて立ち向かい、「女系」を貫こうとする相見屋の女主人たちの厳しい覚悟を見る。そこの歪みも初めだからこそであり、この時代の「あたりまえ」の反動ゆえの呪縛ともいえる。鈴之助の柔軟な対応力と妻への思いやりが好もしい。

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2021/08/14

文句なしの作品。 さすが、西條奈加の作品はどれを読んでも間違いない。 楊枝屋の四男が、「仕出し屋の跡とり娘」の婿にと望まれる。 たまたま、出先で千瀬のうばの「おすが」が足を挫いた場面に出くわす。 鈴之助は、力もないのにおぶって医師のところまで送る。 それが縁で付き合いが始まっ...

文句なしの作品。 さすが、西條奈加の作品はどれを読んでも間違いない。 楊枝屋の四男が、「仕出し屋の跡とり娘」の婿にと望まれる。 たまたま、出先で千瀬のうばの「おすが」が足を挫いた場面に出くわす。 鈴之助は、力もないのにおぶって医師のところまで送る。 それが縁で付き合いが始まった。 千瀬の両親は仲が冷えている。 そんな両親を見て育ったので、心から愛する夫を迎えたかったのだった。 ところが家に入ってみると、婿とは名ばかり。 店を牛耳じるのは女3代。 婿は子種のみが必要で、店のことに口を出すなと言われる。 千瀬が鈴之助を好いたのには理由が。 優しく嫌味なく一気に懐に入り込める人柄である。 嘘がなく誠実なところが大好きである。 おしゃまな二人の小姑もいるなか、次第に奉公人や客の信頼を勝ち取る鈴之助。 姉妹には大女将も、力をみとめるように。 西條奈加さんの作品は、笑いも涙も盛り込んだ 実に気持ちの良い読後感! 大好きな作家で、必ず読むようにしている。

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2021/08/06

人情味溢れるお話に心が洗われました。その時代に生きた人々の台詞が粋で、じんわり染みてきます。柔軟性のある鈴之助としっかり者のお千瀬、素敵な夫婦です。

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