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ラジオ出演で著者が言っていた。 XXママと呼ばれ、チャイルドシートを自転車につけている女性が、私はママである前に一人の人間なんだ、と主張する人物ではなく、自分は母親という性能そのものなのだ、という人物を描きたかったと。そこがこの小説の特色だと思い、興味深いなと関心を持った。SFと...
ラジオ出演で著者が言っていた。 XXママと呼ばれ、チャイルドシートを自転車につけている女性が、私はママである前に一人の人間なんだ、と主張する人物ではなく、自分は母親という性能そのものなのだ、という人物を描きたかったと。そこがこの小説の特色だと思い、興味深いなと関心を持った。SFといってもいいと思う。リアルさゆえに、これまで読んだディストピア小説のどれよりも気持ち悪く怖い
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推子のデフォルト 【読んだきっかけ】 本谷有希子さんがゲスト出演されたアシタノカレッジ/武田砂鉄 さんのラジオ番組にて 「ママチャリって乗ってるだけで子どもを乗せていなくてもその人をママにさせる」 と話していらっしゃって、たしかに!と思ったのがきっかけ。 ─名前のある一人の人間なのに、ママチャリをこぐ人はただ「ママという性能そのもの」になるのだ 【心に残った要素】 ─みんなきんいつに! ─きんいつなおにいさんおねえさんになろう! 個性豊か、自分らしく、と求められることに違和感を覚えたことすらないけれど、いざ反対の言葉を聞くと、個性を育てることが本当に正しいことなのかな?って不安になった。 好き嫌いが分断を生む? ─違いはすべての不幸の元よ。始めから違いがなければ戦争も起こらないし、差別も生まれない。人生の勝ち負けも存在しない。だから全員がシアワセになる。 ─大人の約二倍の体感速度で生きている ─平均寿命の更新 によって ─時間を倍長く感じる上死なない体を、死なない体を与えられてしまった息子の老後を想像して絶望し、こんな時代に産んでしまったことを後悔 したというママ友の話。 実際、大人の10分が子どもには60分に感じるらしい(子どもは大人の1/6の体感速度)。つまり作中の設定と比較すると12倍!?想像するだけで脅威の時間感覚です、、 ─おいしいまずい、を判断する味覚は将来的に不要である え、それは悲しい。絶対反対笑 p.37-夢離れ べーちゃんの夢工事ラムレスを読んでいる身としては心がギュッとなる。4,5歳になると徐々に夢を見なくなる、スリープモードになるのだと言う。 本来脳が整理されるための時間なら、夢を見なくてもいいはず。…なんだけど夢は見てたいなあ ─言葉をポジティブに変えるだけで人生が上向きになる。 疲れた、ではなく、今日もよく頑張ったと自分に声をかける。お疲れ様です、が禁止だった会社があったなと思い出しました笑(退職済) 【ここが好き!】 子どもは無邪気に遊び回ってなんぼ!保育園児が洗濯の必要がないほどきれいなままの洋服だったらやっぱりヤダな…とか、 ─夏の蛍のようにしつこいあの人 様々なことが発達し、常識がかわっていくということが表現をかえてゆく。言語も発達し変化する。深い。。 読み始めはこの世界観や設定にワクワクしてたんだけど、結末のシーンに向けて段々と胸がザワザワしてきて、人間らしさとは、自然の摂理とは、って考えている自分が居ました。シアワセってなんだろう。 ───────────────────── マイイベント 【心に残った要素】 ─奴らには不幸もシェアしなきゃいけない義務があるんだよ ─犠牲になって然るべき人間だけが、犠牲をシェアするんだよ もし息子くんがこの日も自宅にいたとしたら展開は変わっていたのかな? 【ここが好き!】 終始モヤモヤする感じなんだけど、本谷さんの結末に向かうところのスピード感と、読み切った時にさらに感じるモヤモヤ感があって 短編小説なのに大作を読んだようなある意味すごく体力と気力を必要とするところ。 セブンルールで本谷さんが怪談話の好きなところを「オチがない」「なんか理解できないことの空気だけが残るの」と仰っていて、まさに! 本谷さんらしさってこういう感性に詰まっているんだなって気がして納得でした。
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中編2編 1編は近未来の管理社会。体にチップを埋め込むのが普通の世の中になってネットに繋がらない人こそ依存症にと呼ばれと、現在の向かうところを暗示しているようで不気味。もう1編はまた違った味わいのホラー。台風で川が増水するという時にマンションの最上階と1階の家族による悲喜劇。どち...
中編2編 1編は近未来の管理社会。体にチップを埋め込むのが普通の世の中になってネットに繋がらない人こそ依存症にと呼ばれと、現在の向かうところを暗示しているようで不気味。もう1編はまた違った味わいのホラー。台風で川が増水するという時にマンションの最上階と1階の家族による悲喜劇。どちらも自分勝手で付き合いたくない人達ではあるが、その気持ちも多少は理解できて、どんどん悪化していく事態に背筋が寒くなった。
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「推子のデフォルト」と「マイイベント」の2篇を収録。 「推子のデフォルト」は、現在とは違う発展をした世界(ちょっとサイバーパンクっぽい)で起きる不気味な現象を描いた作品。 「マイイベント」は、50年に1度の大規模災害になるとされる台風の接近を前に、マンションの最上階と1階に住む一...
「推子のデフォルト」と「マイイベント」の2篇を収録。 「推子のデフォルト」は、現在とは違う発展をした世界(ちょっとサイバーパンクっぽい)で起きる不気味な現象を描いた作品。 「マイイベント」は、50年に1度の大規模災害になるとされる台風の接近を前に、マンションの最上階と1階に住む一家の関係をスリリングに描いた作品。 どちらの作品も“イヤなやつ”が主人公で読んでいて不快になったが、こんな人達は周りにいくらでもいるなと思う。どう感じるかは人それぞれだろうが。
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図書館より拝借。ひさびさにほんたにちゃんブラックワールドにつかりました。氾濫する川のようにどっぷりと⁈2作ともしっかり今の時代に合っている作品となっています。
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いつ起きてもおかしくない。いや、もうすでに起きているのかもしれない暗闇が描かれています!面白かったです!
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タイトルから連作短編集とか二篇が関連性あるものだと勝手に思っていたのでちょっと置いてけぼり。最初の気持ち悪い近未来な話のが好き‼︎ 起こり得そうな近未来‼︎コセーとかドクソーテキとか!ええ愛とか、気持ち悪くなるくらい追求されてて好きでした。 人間の嫌なところつめこみました!な作品...
タイトルから連作短編集とか二篇が関連性あるものだと勝手に思っていたのでちょっと置いてけぼり。最初の気持ち悪い近未来な話のが好き‼︎ 起こり得そうな近未来‼︎コセーとかドクソーテキとか!ええ愛とか、気持ち悪くなるくらい追求されてて好きでした。 人間の嫌なところつめこみました!な作品たち、好き
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家畜とは「人口環境下に置かれ」、「食料が自動的に供給され」、「自然の脅威から守られ」、「繁殖を管理され」、「死をコントロールされる」ものです 不断の努力
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人の嫌なところを抉り出したような小説。面白かった。 『推子のデフォルト』では、人間が膨大なコンテンツを一日中頭に入れて、考える事を放棄している。未来の話だから、少しネット依存が誇張されているきらいはあるが、全ての物事を倍速で、流し見で消費する現代の風刺というか、ブラックコメディ...
人の嫌なところを抉り出したような小説。面白かった。 『推子のデフォルト』では、人間が膨大なコンテンツを一日中頭に入れて、考える事を放棄している。未来の話だから、少しネット依存が誇張されているきらいはあるが、全ての物事を倍速で、流し見で消費する現代の風刺というか、ブラックコメディというか。スマホ脳よりスマホを自制させる効果があった。 『マイイベント』では嫌な夫婦と、嫌な夫婦のドタバタブラックコメディ?主人公夫婦はとにかく選民思想に溢れた競争主義社会の勝者で、相手夫婦も普通に遠慮がない。全員どこか嫌なところがある。しかし嫌なだけではなくて、普通の人であるような所も多分にある。だからより一層リアルに嫌な人に感じる。
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体に電子機器を埋め込み等質な子供を育てる推子のデフォルト マンションの最上階に住み低層階をバカにするマイイベントの2編。 どちらもぞくぞくして共感しちゃう自分は二度と読みたくない
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