奈良へ の商品レビュー
まさにとんでもない傑作。 東京、奈良、ファンタジーの世界を舞台にした群像劇なのだが、次々に登場する人物が、解説の町田康曰く、作者の分身ならぬ「分魂」となり物語が語り継がれフィクションと現実の境界も飛び越えられる。 笑いの要素も自然とそこにあり一気に読み終えた。
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☆3.5 初めて読んだ時は昂奮した 初めて読んだ時はすげーって昂奮したが、思ひ返してもどこがそんなによかったのかわからない。町田康の「きれぎれ」を読んだ時みたいだ。
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絵はガロ系、つげ義春を彷彿とさせる。ストーリーは、一言では表せない。仏教の輪廻転生を想起させる場面がある。過去・現在・未来。夢か幻か。読後、脱力感に襲われる。
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とてもシュールな話だなと感じました。男性の葛藤を幾つかの世界や視点に分けて描かれている、のでしょうか。俺はこんな風に生きてて良いのか。どうすればいいのか。もがきにもがいた先で、折り合いをつけて前に進む。うっすらと希望を見つけた。そんな風なお話に感じました。表現が突飛で、私には物語...
とてもシュールな話だなと感じました。男性の葛藤を幾つかの世界や視点に分けて描かれている、のでしょうか。俺はこんな風に生きてて良いのか。どうすればいいのか。もがきにもがいた先で、折り合いをつけて前に進む。うっすらと希望を見つけた。そんな風なお話に感じました。表現が突飛で、私には物語に入り込めず……汗。奈良県民としては「ああ、あそこの風景だ!」「午後の空いた電車の中の気だるい雰囲気分かるわぁ」「正味な……とか言う言う(笑)」「そうそう、この百済観音の無表情怖いのよな(笑)」など、空気感を楽しみながら読めました。一番の衝撃は、せんとくん(らしきキャラ)が傷ついた鹿の首に縄をつけて引きずっている場面。一番恐怖でした(^_^;)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
古都・奈良を舞台に、勝者の側に回ることができない、いわば「冴えない」人々を通して、無常観や人間の弱さ、人間世界の虚しさを描き出す。 地味で悲しい(しかしどこか一瞬だけ美しさを持つ)世界の描写が続く中で、作中作として、まさかの異世界転移モノが挿入されたときは目を疑った。そしてその異世界においてさえ、相変わらずの人間の弱さ、醜さが徐々に徐々に零れ出してくる構成に目を見張る。
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沁みったれた現代のつげ義春的などん底青春譚かと思いきや、凄い方向にカーブしていって目が離せなくなって、あっと言う間に読み切ってしまった。 すごい。すごい! 空の思想。
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2021.8.6 割り切れないことを割り切れないというままで表現しているのが良いと思う。 久しぶりにこういうタイプの作品に出会いました。
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この著者の作品は初めて読みました。 書店で装丁が気になったのと、町田康さんが解説されていたことがきっかけです。 自虐的とも言える辛辣なセリフがあり、思わずクスッと笑いました。 あぁこの著者は生きづらそうだなぁと想像しながら、共感する部分も多かったです。 全体的に独特のリズムが...
この著者の作品は初めて読みました。 書店で装丁が気になったのと、町田康さんが解説されていたことがきっかけです。 自虐的とも言える辛辣なセリフがあり、思わずクスッと笑いました。 あぁこの著者は生きづらそうだなぁと想像しながら、共感する部分も多かったです。 全体的に独特のリズムがあり、テンポよく読めます。作中作の漫画、ドリームランドの章に差し掛かると、リラックスして読んでいた筈が、いつの間にか死生観、善悪、不条理な社会についての思いを巡らす事になっていました。 あとがきの中で、つげ義春さんや中島らもさんの影響は受けていると語られていて、とても符に落ちました。 次回作も楽しみにしています。
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すきなコマがいくつも見つかった。ガッハッハという笑いではないが、じんわりくる笑い、そこに少しだけ痛みをともなう笑いが、自分にはしみた。
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