水たまりで息をする の商品レビュー
「風呂には入らないことにした」 という夫! もう、始めから強烈なインパクト。 高瀬隼子さんの「犬のかたちをしているもの」がとても印象的だったので、 芥川賞をとれると良いなぁと、密かに応援していた。 候補に選ばれただけでもすごいと思うけど。 水道水が痛いという夫の心は病んでいると思...
「風呂には入らないことにした」 という夫! もう、始めから強烈なインパクト。 高瀬隼子さんの「犬のかたちをしているもの」がとても印象的だったので、 芥川賞をとれると良いなぁと、密かに応援していた。 候補に選ばれただけでもすごいと思うけど。 水道水が痛いという夫の心は病んでいると思うけど、 なぜ衣津実はもっと初期の段階で対処しないのか? 川の水は大丈夫ならば、温泉は? 温泉ならお風呂に入れるのでは? という問題ではなく、 心の病気ということを受けいらたらよいのに。 終わり方は衝撃的! 生きているのか? 雨とダムの放流による濁流に飲まれてしまったのか? とても心配。
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第165回芥川賞候補作品。 残念ながら受賞には至りませんでしたが、(今回はどの作品が獲ってもおかしくない程、全候補作評判が高かったですね)デビュー作に続いて読みやすく、楽しめました。 “夫が風呂に入っていない”という一文から始まります。 夫が風呂に入らなくなったというあらすじを知った時に、もう面白いに決まってると思ってました。 小説を読みながら、顔を背けたくなるような臭いがしました。何度も。自分が妻だったらどうするだろうか。臭いのきつくなった夫を心配し、支えたい、そばにいたいと思えるか。 「夫婦は血が繋がっていないから、書類一枚で他人になれる。夫婦は家族であろうという意思なしには、家族でいられない。」妻の愛、この人と家族でいたいという意思が、義母へのセリフや、夫に対する気遣い方、寄り添い方からも感じ取れました。 ラストは読者が考える形です。 私は、夫はもう…と思いました。 また、時間を置いて再読してみたいです。 高瀬さんには、これからも沢山作品を書いて頂きたいです。
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いよいよ明日は第165回芥川賞の発表日! 僕の推しの高瀬隼子さんのこの作品がノミネートされている! 興奮して今夜は眠れないかもしれない… ノミネートされていることをニュースで見た瞬間、Amazonでこの本の発売を知り、ソッコーで予約。一昨日、玄関にさりげなく置き配されてました。...
いよいよ明日は第165回芥川賞の発表日! 僕の推しの高瀬隼子さんのこの作品がノミネートされている! 興奮して今夜は眠れないかもしれない… ノミネートされていることをニュースで見た瞬間、Amazonでこの本の発売を知り、ソッコーで予約。一昨日、玄関にさりげなく置き配されてました。 梱包をむしりとり、一心不乱で読みましたよ! で、感想。 構造はデビュー作の「犬のかたちをしているもの」に似ている。 夫(彼氏)とペットが同等な感じ、とか。 前作は犬みたいな彼氏。今作は魚みたいな夫。 そして、両作ともおだやかな幸せを脅かすハプニングが起こること、とか。 高瀬さんはすでに自分のスタイルを持っているなぁ、と。僕はその型にかなりハマってます。 つぼ、というか。好き。 それにしても、風呂に入らなくなったオット。 奥さん、どうですか! 普通すぐ捨てるでしょ! 捨てるべきだと思います。 しかし、主人公の衣津実がとった行動は… ひとことで言えば、 愛なんだな、 と思った。 なお、結末は読者に委ねられています。 すぐ解釈できないので、時間おいて再読しようと思います。
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