医学のつばさ の商品レビュー
沢山の癖の強い登場人物が絡んで、駆け抜けていった印象。 以下、雑感。 ・涼子の凍眠の意味は「アクアマリン…」では、このように語られていなかったのでは?読み落としかな。 ・アイスマンって何者?過去作で登場したことあった? ・4Sエージェンシー。懐かしい名前を久し振りに聞けた。 ・...
沢山の癖の強い登場人物が絡んで、駆け抜けていった印象。 以下、雑感。 ・涼子の凍眠の意味は「アクアマリン…」では、このように語られていなかったのでは?読み落としかな。 ・アイスマンって何者?過去作で登場したことあった? ・4Sエージェンシー。懐かしい名前を久し振りに聞けた。 ・白鳥は口ばかりで全然活躍していないよね。終盤、意外な暗躍が語られたけど。 ・マザーの切断チームといのち奪還チームがバラバラに動いて、予定外で出くわしたもんだから、手違いから暴走ということだな。 ・突拍子もない話だから、それこそいのちに羽が生えてサヨナラも在りかなと思っていた。予想外の終幕。この物語はまだ続くよね。 ・終盤、オンディーヌの復元に思いを馳せるカオルの頭に去来する紋白蝶の羽が静かに開閉するイメージ。アイスマンを予感していると思うけど、アイスマンはソルジャーにもオンディーヌにも拒否されたことになっている。さて。 ・「医学のひよこ」の感想になるけれど、カオル君の誕生にはまだ明かされていない秘密があるよね。 「医学のたまご」から続くジュブナイルという設定だろうけれど、桜宮サーガに触れていないと、ちょっと判らない登場人物やエピソードが多いと思う。 個人的には、楽しく読み終えた。満足。
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はい、『医学のひよこ』の続編にして、シリーズ完結編です。前作にはいちいち触れない。いつの間にやら相手はもっと強大になっているが、SFなんだから気にしない。少年たちがどう立ち向かうのか、見届けようではないか。 前作では一杯食わされた感がある白鳥だが、この程度でへこたれないし引き下がらないのは、固定ファンなら百も承知だろう。この打たれ強さが自分にもほしい。あんな人やこんな人、かつて「桜宮サーガ」を彩った数々の個性派たちに再登場願う。 一固定ファンとして、こんな人物まで再登場させるのかと苦笑した。こりゃ「桜宮サーガ」オールスターキャストの様相である。本編のみならず、あらゆるスピンアウト作品まで読んでいないと、ついていけないのではないか? 固定ファン以外が読むことは想定していないのかもしれないが、全体的な乗りとしては単純なアクション活劇というか、ジュブナイルというか。ある意味、安心して読めるエンタメ作品であり、拍子抜けしたのが正直なところである。 こんな斜め上の展開の末、何ですかそのオチは。そんな説明で納得してくれるのか??? ここまでリアリティ度外視でありながら、何だか小さくまとまったような。単純に楽しむのが吉なのだろうけど、海堂尊作品なのだよなあ。 『医学のたまご』は個人的に海堂尊作品の上位に入れたい作品だ。同じくタイトルに『医学の~』と入ったこれら2作品で、海堂尊が訴えたかったことは何なのだろう。おっさん読者は、終始釈然としないまま読み終えた。 失礼ながら、薫君は主人公の割に影が薄かったなあ。これら2作品で描かれたドタバタが、薫君の転機になったのかどうか知らないが、いずれ大人になった薫君を描いたりするのだろうか。
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自分を客観視できる未成年は,もはや大人だ.医学を土台とした物語世界から逸脱してしまった本作だけれど,主張点はよーく分かる.ジュブナイル的物語世界で描かれ緊張感に欠けるが,ジーン・ワルツ以降特殊な環境で育った薫君が,ようやく家族のスタート地点に立てたことが,何よりも嬉しいし,“一応...
自分を客観視できる未成年は,もはや大人だ.医学を土台とした物語世界から逸脱してしまった本作だけれど,主張点はよーく分かる.ジュブナイル的物語世界で描かれ緊張感に欠けるが,ジーン・ワルツ以降特殊な環境で育った薫君が,ようやく家族のスタート地点に立てたことが,何よりも嬉しいし,“一応,医学部を目指してみようかな,と思って”という台詞に,数奇な運命の下に生まれた薫君の未来に幸あれかし,と願わずにはいられない.
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