消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神 の商品レビュー
ここ10年くらいミニマリストのインフルエンサーを見かけることが多くなったことから、気になって読んでみた。本書はミニマリズムが脱資本主義の突破口になり得る可能性を論じている。 周知の通り資本主義にはあらゆる側面から限界が近づいており、さらにその代替となるパラダイムは未だに存在しな...
ここ10年くらいミニマリストのインフルエンサーを見かけることが多くなったことから、気になって読んでみた。本書はミニマリズムが脱資本主義の突破口になり得る可能性を論じている。 周知の通り資本主義にはあらゆる側面から限界が近づいており、さらにその代替となるパラダイムは未だに存在しない。共産主義も、明治以前の封建主義も、自給自足の原始的な生活も今さら受け入れられないので、我々は甘んじて今日も汗水流して働くのである。(※私はニートですごめんなさい) そんな現代において、消費欲望を抑え最小限のモノ・サービスを利用するミニマリストたちは、資本主義の苦しみから逃れ、自分らしく生きている。 脱資本主義を実現するパラダイムが無い限り、資本主義にぶら下がるが精神は囚われず自由に生きるミニマリストが、少なくとも現代では一番賢い生き方と言えそうだ。 私も三年前までサラリーマンとして馬車馬のように働いていたが、今は好きなことを仕事にして(ほぼニートだが)、無理せず必要な分だけ稼ぎ、プライベートの時間を大事にすることで幸福度が上がった。 忙しくて辛さを抱えている社会人には、是非ご一読いただきたい。
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意欲作で楽しめたが、まだ「消費ミニマリズム」という概念が新しくて定義が確立されておらず、深堀りもされていないので、そういう前提条件の解説とかミニマリズム系界隈の書籍解説が多かった気がする。とくに新奇な話をしているわけではない。題名から察せられるくらいの普通の話を展開している。本書...
意欲作で楽しめたが、まだ「消費ミニマリズム」という概念が新しくて定義が確立されておらず、深堀りもされていないので、そういう前提条件の解説とかミニマリズム系界隈の書籍解説が多かった気がする。とくに新奇な話をしているわけではない。題名から察せられるくらいの普通の話を展開している。本書では消費ミニマリズムを反資本主義的立場に位置付けて論考している。 私見では、消費ミニマリズムは結局のところ貧乏を正当化(=金持ちになるという強迫観念からの脱却など、反資本主義というより資本主義からの逃避など)するツールなのかもしれない。まず格差の激しい欧米先進国からムーブメント、そして今、同じように格差が拡大して国の大多数が昔より貧乏になった日本で着実に根を下ろし始めているというわけだ。
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つながり: 『サスティナブル主義 5%の「考える消費」が社会を変える』 行き詰まりを見せる資本主義社会。その変革には「脱資本主義の精神」が必要であり、ミニマリズムにはそこへ通じる回路がある。その原理と展望を示した待望の書!
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爽やかな雰囲気漂う表紙と興味をそそるタイトルに惹かれ手に取った.悪い意味で「タイトル通り」の本である. 数々のミニマリストやそれと同じ精神性を持ち生活を営む人を多数取り上げながら,その姿勢,ミニマリズムが資本主義の束縛から逃れるチャンスであると解く. この本の特徴的なところは...
爽やかな雰囲気漂う表紙と興味をそそるタイトルに惹かれ手に取った.悪い意味で「タイトル通り」の本である. 数々のミニマリストやそれと同じ精神性を持ち生活を営む人を多数取り上げながら,その姿勢,ミニマリズムが資本主義の束縛から逃れるチャンスであると解く. この本の特徴的なところはミニマリズムを鳥瞰的に説いているところだ.ミニマリストや関連性が高い領域の活動家による著作を取り上げ,どういう内容でどういうメッセージがあるかを筆者が紹介する. 簡単に言えばミニマリスト本をひたすら紹介する本なのだ. ミニマリズムってなんだろうかとざっくり・客観性を持って把握するにはいい本だと思える. ただ,正直この取り組みは面白みに欠ける. ミニマリスト本の面白いところは書かれた内容がまさに著者の実践,身銭を切った体験から紡ぎ出されているという点で独自性や効果,一般読者が受ける衝撃が担保されているが,それら鳥瞰するこの本には自らが身銭を切るという姿勢を感じない. そのため導き出される結論やメッセージもせいぜいオリジナルと並ぶか,それを一般化して抽象的にした言い換えたものにしか聞こえない. この本の中で紹介されているミニマリスト本を何冊か読んだことがあり,それをできる範囲で実践し有効性を感じていた自分からしたら,資本主義(勤労と消費の無限回転)とは異なったオルタナティブな選択,位置づけとしてミニマリズムを強調されても「今更感」が拭えない. ======================= 鳥瞰的 ミニマリスト系の本を何冊か読んだことがある自分にとっては 「今更感」がある.その「今更感」を仰々しい表現で飾って出来上がったのがこの本かなあという印象. 世代的なものもあるかもしれないので昭和の価値観に染まったおじさんみたいな人には新鮮かもしれない. 感覚でわかっていることを上手く言葉にしてくれていとも言える。 資本主義社会における支配的な思想 「よく働き、よく消費しろ」 →息苦しい思いをしてまでこの文化に従う必要はあるのか? "ミニマリズムの実践が、欲望消費によって駆動される資本主義から降りる企てに接続られるように見える" 現象・理論・精神 日本語のときめき=英語訳でSpark joy(こんまり本) 記号の消費 物質消費から記号の消費 「電通戦略十訓」 「自分へのご褒美」っていつからあった風習? ビックリマンチョコが売っていたのはチョコでもシールでもなく物語 →と、コルクダブル性? 物質ではなく情報を消費する社会 勤労の美徳と他者の視線を敏感に感じ取りながら営まれる顕示的消費が次第に評価されなくなる 資本主義の倫理は禁欲から創造へシフト ウェーバーの時代は職業を通じた禁欲生活 現代は創造できるものが資本主義を発展
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ミニマリズムの生き方がいろいろ紹介されてて面白かった。また脱資本主義の解説も勉強になった。確かに勤勉に働くこと、貨幣で買えるものに価値を見出すことから見直す必要がある。 作るという行為の大事さもあったな
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[脱資本主義の精神]=資本主義を活性化させないための消費 ・ミニマリズム的な生活だけではだめ ・勤労倫理と快楽消費をやめる ・稼いだお金を「資本の支配力」を削ぐ方向へ ・資本が一部の人へ集まらないようにする消費 [具体的行動] ・余暇の時間を地域的なコミュニケーションに使う ...
[脱資本主義の精神]=資本主義を活性化させないための消費 ・ミニマリズム的な生活だけではだめ ・勤労倫理と快楽消費をやめる ・稼いだお金を「資本の支配力」を削ぐ方向へ ・資本が一部の人へ集まらないようにする消費 [具体的行動] ・余暇の時間を地域的なコミュニケーションに使う ・経済的自由主義(メルカリなどの資本が少ないビジネス) ・リベラルな福祉国家 ・ディープエコロジーの立場(自然の恵みだけで生活する) [ミニマリストの目的のひとつ] =自己実現 ・身の回りの不要なものを捨て、自分にとって本当に価値があるものを見つけ、それに時間と情熱を投資すること。
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