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蜂の物語 の商品レビュー

4.3

13件のお客様レビュー

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2024/09/02

初めは、話というか世界観に付いていくのがやっとだったけれど 気がつけばフローラを取り巻く、蜜蜂の世界にどっぷりと浸かってしまっていた。 こんなに無我夢中でページをめくったのは久しぶりかもしれない。 女王が絶対の縦社会というか、管理された巣の中で生きるフローラ。 最下層生まれ...

初めは、話というか世界観に付いていくのがやっとだったけれど 気がつけばフローラを取り巻く、蜜蜂の世界にどっぷりと浸かってしまっていた。 こんなに無我夢中でページをめくったのは久しぶりかもしれない。 女王が絶対の縦社会というか、管理された巣の中で生きるフローラ。 最下層生まれのフローラへの当たりは強く、扱いも酷い。 巣の中で起こる蜜蜂の"族"同志の対立であったり 巣の中だけではない、外の世界の他の生き物達の襲撃、 そして、移り行く季節さえも蜜蜂たちは翻弄されていく。 そんな中でフローラは蜜蜂としての使命を 力の限り果たしていく。 久しぶりに物語にのめり込んだ気がする。 私の感想を読んだ方はぜひ、読んでみてほしい。

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2023/03/17

蜂の一生を物語に変えてしまった一冊です。不思議な読書体験。 ページを開くたびにずっと不思議な世界に浸れますが、意外と感情に起伏なく読み終え。

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2023/03/01

ディストピア小説的な要素がしんどくなるかもと思ったのですがそんなこともなく。 むしろ蜂のドキュンタリーを読んだような、生態がリアルに感じられて、勉強になりました(笑) 蜂の巣の規律の中で、個ではなく、集団の中の種として生きなくてはならず、ひとつの意識体としても動いているはずなの...

ディストピア小説的な要素がしんどくなるかもと思ったのですがそんなこともなく。 むしろ蜂のドキュンタリーを読んだような、生態がリアルに感じられて、勉強になりました(笑) 蜂の巣の規律の中で、個ではなく、集団の中の種として生きなくてはならず、ひとつの意識体としても動いているはずなのに。 特殊生はあってはならないことなのに、それを認められて身分不相応な経験を重ねることで、母性や恋愛感情を獲得していく七一七。 最下層の蜂種として、全ての他の種達に命令されても従うしかなかったのに。 様々な出会いを通して多くの経験を積み、充実した人生を歩めたであろう七一七の生き方に共鳴しまくりでした。 それにしても、蜂への観察力とリスペクト、すごいです^_^

Posted byブクログ

2024/07/03

小学生の時、国語の教科書で読んだ「みつばちのダンス」を今でも覚えている。9歳くらいの子供にとって、ダンスで花蜜の在処を教えるという蜜蜂の話しの何が衝撃だったかというと、群れで暮らす生き物が、言葉ではないコミュニケーション手段を持っている、という事だった。それも、ダンスで地図を教え...

小学生の時、国語の教科書で読んだ「みつばちのダンス」を今でも覚えている。9歳くらいの子供にとって、ダンスで花蜜の在処を教えるという蜜蜂の話しの何が衝撃だったかというと、群れで暮らす生き物が、言葉ではないコミュニケーション手段を持っている、という事だった。それも、ダンスで地図を教えるなんて。人間のジェスチャーであの角を曲がって2番目の信号を…とか一度に伝えるの無理って思い、蜜蜂はすごいなぁ、と純粋に感心して、その感動が、ファーブル昆虫記や、地球科学系の本を読むきっかけになっていった。さすが教科書。先達の意図した通りにわたしは学習していったんだね〜。専門家にはならなかったけど。子供の学習に「意図された道筋」まさにこれが蜜蜂ダンスだったんじゃないか(笑)  それから数十年過ぎてもまだ道が続いていたみたい。そんなわけで、ラリーン・ポールの「蜂の物語」は存在を知ってからずっと読んでみたかった。一匹の蜂の生涯を描いた物語。「受け入れ、従い、仕えよ」巣の最下層のフローラ族として生まれたフローラ717は不恰好な姿だったため粛正されそうになるが、会話ができた事から、女王に仕える美しい先輩蜂に助けられて導かれる。  美しくも厳しい王国の中で暮らす擬人化された蜂たちの感覚や感情を追いながらの読書は良い時間だった。女王や上位の蜂たちの圧倒的な権力と美しさ。雄蜂たちの傲慢さと色気、スズメバチとの戦闘、花蜜を集める飛行蜂の清廉さ。粛正や病気と死と慈悲。若く何も知らないフローラと一緒に女王の国の秘密を体験し、外役蜂として空を飛ぶフローラの優しさや勇敢さに声援を送り、厳しい冬とその結末の目撃者になった。  人間と同じ世界に生きている事が描かれているのも良かった。人間は農薬や病気をもたらすけれど、庭に植えた花が彼女らを助ける事もあるんだ。  匂いやダンス、フェロモン、集合意識、ヒエラルキーとか蜂の生態ってSFだよなぁッて思い、改めて楽しいね! 擬人化するとディストピアに思えるけれど、蜂の生き物としての仕組みだと思うと、生命の継続の物語は美しく神秘的だった。うん、居ないと信じてる創造主の存在を思ってしまうほどに。  それから、蜜を集める場面の、花からのアプローチの描写がとてもエロティックで好きだな。恥ずかしげな花っていいね。  春になるとうちの庭のモッコクに沢山蜜蜂が訪れて、いつも楽しく観察していたけど、今年はフローラを想い、花も蜂もちょっと違った目で見られるかな。  

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2022/09/20

ディストピアモチーフと漏れ聞いていたので、蜂みたいな社会を形成している人の話なのかと勘違いしていたが、完全に昆虫の蜂の話だった。ハダカデバネズミや蜂といった真社会性の生物のことを知らないほうがかえって楽しめるかもしれない。主人蜂が産んだ卵をオスだと最初勘違いしていたのはなぜ…?こ...

ディストピアモチーフと漏れ聞いていたので、蜂みたいな社会を形成している人の話なのかと勘違いしていたが、完全に昆虫の蜂の話だった。ハダカデバネズミや蜂といった真社会性の生物のことを知らないほうがかえって楽しめるかもしれない。主人蜂が産んだ卵をオスだと最初勘違いしていたのはなぜ…?ここは新約聖書味を出すため? 追記→『ミツバチと文明』によると、女王バチがいなくなったときに働きバチが産む卵はすべてオスになる…勉強になりました。

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2022/03/26

人間にような視点で描かれる蜂社会に引き込まれる 長く地球を生き抜いた蜂が後発の人間に危機に晒されるとこは辛い

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2022/02/20

表紙が素敵で手に取った一冊。 蜂の世界を擬人化し話。どうなるか続きが気になりすぎて、一息に読んだ作品。 フローラの秘密がばれないかハラハラしすぎた。 心を読まれるとか、集合意識とか、女王の愛など、蜂ならではのフェロモンの世界もすごいなーと思った。 『侍女の物語』になぞらえたとのこ...

表紙が素敵で手に取った一冊。 蜂の世界を擬人化し話。どうなるか続きが気になりすぎて、一息に読んだ作品。 フローラの秘密がばれないかハラハラしすぎた。 心を読まれるとか、集合意識とか、女王の愛など、蜂ならではのフェロモンの世界もすごいなーと思った。 『侍女の物語』になぞらえたとのことで、『侍女の物語』も気になる。

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2021/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公のフローラ717は或る巣箱の中で生まれた蜜蜂。フローラ族(フローラ=植物。花の種類も特定されていない、蜜蜂の世界では最下層の一族)は仲間の死骸の廃棄や巣の掃除を担当する「衛星蜂」の中の一匹。並よりはるかに身体が大きい規格外として生まれ、奇形を排除する警察蜂によって「排除」されるところを巫女を務めるシスター・サルビアに救われる。 そして、「実験」として、特別に育児室で働けるという破格の待遇を受けるが、シスター・サルビアからはサルビア族と対立する育児蜂のオニナベナ族の蜂たちの動静を報告するように命令される。 フローラ717には拒否する選択がなかった。 「受け入れ、したがい、仕えよ」 蜜蜂の世界は完全な階層社会、管理され、女王蜂と巣のために働き、働けなくなったもの、従わないものは排除される完全な管理社会だったのだ。 ここから先はこの小説の結末なども含んだ内容になります。 解説によれば一部創作もあるが基本的には蜂の生態を元にして、それを宗教的な規律で統制される社会として書かれているそうだ。 怪しげな企てを秘めた巫女、対立し合う族、蜜蜂同士がフェロモンを発して感情をあらわしたり、触覚同士を接触させて相手の意識を読み取ったり、記憶を共有する能力、スズメバチという外敵との戦いなどなど蜜蜂社会をベースとしたSFチックな冒険譚とも読める。 一方で巣を支えるのは全て雌の蜂であり、その雌蜂の間の支配関係、対立が描かれ、雄蜂は生殖行為以外では貢献しないが雌蜂に対して暴力的に振る舞うなど、一種のディストピア小説とも読める。ただ、蜜蜂の生態をベースにしているので、ディストピアが崩される事はない。 物語はフローラが衛星蜂であるにも関わらず産んでしまった卵から孵化した娘が、新しい女王蜂となり、新しい巣を得て、フローラはそれを見届けて、安堵して寿命を終えるのだが、新しい巣とは新しいディストピアの誕生を意味している。 蜂の生物としての遺伝子が変わらない限り、上下の立場の逆転はあっても基本構造は変わらないという皮肉にも見える。 最後におまけ。 蜜蜂の冒険譚といえば昭和40年代生まれにはタツノコプロのアニメ「昆虫物語 みなしごハッチ」をなんとなく思い出させる。当時20%以上の視聴率を得て大ヒットし、2年近く放送された子ども向けのアニメた。 ハッチは「みなしご」、つまり捨てられた子であり、自分の母親である女王蜂を探して一人旅をするので、管理社会に生きる話ではない。しかし、母親は女王蜂であり、階級闘争がある点や、スズメバチや蜂を捕食する相手との戦いがある点などは蜂の生態を元にしているので似ている。作者はどこかで日本アニメの名作として「みなしごハッチ」を見てないだろうかと思ってしまう。

Posted byブクログ

2021/10/09

養蜂場の蜂の生態を調べて読みました。 蜂の世界は、人間社会のように階級社会であり、人間社会よりもかなり厳しいことが分かった。 ディストピア文学と帯にあり、まさに弱肉強食。 コロニーの中で生きる蜂たちの力強さ、階級社会に負けない主人公の蜂の下克上ストーリーでもある。 雀蜂や蜘蛛、鼠...

養蜂場の蜂の生態を調べて読みました。 蜂の世界は、人間社会のように階級社会であり、人間社会よりもかなり厳しいことが分かった。 ディストピア文学と帯にあり、まさに弱肉強食。 コロニーの中で生きる蜂たちの力強さ、階級社会に負けない主人公の蜂の下克上ストーリーでもある。 雀蜂や蜘蛛、鼠などに襲撃されながら、蜜蜂を誇りに思い、またどう春夏秋冬を乗り越えていくかも醍醐味であった。

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2021/10/04

蜂の物語だった。 とある養蜂家の蜂箱が舞台。人間の世界の事情は最初と最後に顔を出すだけ。 主人公は蜂世界のヒエラルキーの最下層である衛生蜂、族名はフローラ(植物)、番号は七一七。 カースト上級のシスター・サルビアの気まぐれにより、殺されるところを、生きのびる。 〇思いがけない...

蜂の物語だった。 とある養蜂家の蜂箱が舞台。人間の世界の事情は最初と最後に顔を出すだけ。 主人公は蜂世界のヒエラルキーの最下層である衛生蜂、族名はフローラ(植物)、番号は七一七。 カースト上級のシスター・サルビアの気まぐれにより、殺されるところを、生きのびる。 〇思いがけない蜂の世界の物語に冒頭から引きずり込まれる。蜂の世界の権力構造や陰謀と秘密、分業と女王。 花や蜜の香り、羽音に満ちていた。 〇死の雨は酸性雨とかだよなあ。蜂が方向を失う現象なども物語の中に取り入れていた。 〇スズメバチを蒸し焼きにするの、ニホンミツバチだけかと思ってたら、世界共通だったんですね。 〇擬人化というより、蜂の物語をヒトの言葉に翻訳したみたいな本

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