水よ踊れ の商品レビュー
小説として論外
まず、50ページも読めば、作者が何をテーマに何を書こうとしているかが、もう読めてしまう。それはまだよし。
読者に見抜かれようが、有無を言わせぬ技量で引き込んでくれれば楽しめるが、それもない。
テーマと設定と主人公の行動に、齟齬が目立つ。310P、天安門広場の事件で、戦...
まず、50ページも読めば、作者が何をテーマに何を書こうとしているかが、もう読めてしまう。それはまだよし。
読者に見抜かれようが、有無を言わせぬ技量で引き込んでくれれば楽しめるが、それもない。
テーマと設定と主人公の行動に、齟齬が目立つ。310P、天安門広場の事件で、戦車に立ちはだかる抗議者と主人公が重なる描写があるが、そもそもこの主人公は世間知らずな日本の普通の青年として描かれている。
だから香港の抜け目ない住人たちに何度も出し抜かれるわけだが、そんな人間が、命をかけて天安門広場で戦車に対峙する人間の矜持をいきなり共有できるわけがない。
主人公の人間的な成長を描くのかと思いきや、自分の描きたいストーリーに無理に筋と描写を合わせにいく、ご都合主義小説でした。
今、312Pで、読了するかどうか思案中です。
エガチャンネルで、平積みスペースめっちゃ取ってた作家だから期待してたんだけどなぁ。
感想は正直、「つまらん」です、はい。
haru
一度は読むのを諦めたんです…。あまりにも難しくて、私の頭ではついていけない気がして…よくわからない地名と、全く把握していなかった香港情勢…そして登場人物の名前も読みにくくってお手上げかな…とぉ…でも、岩井圭也さんの作品ですよぉ!と、いうことで、無理やり読んだら…読み切れました!...
一度は読むのを諦めたんです…。あまりにも難しくて、私の頭ではついていけない気がして…よくわからない地名と、全く把握していなかった香港情勢…そして登場人物の名前も読みにくくってお手上げかな…とぉ…でも、岩井圭也さんの作品ですよぉ!と、いうことで、無理やり読んだら…読み切れました! 中国返還前の香港…10代の頃に4年間を香港で過ごし帰国直前に恋人の不審な死に直面した和志。その死の真相を知りたいと、建築を学ぶ交換留学生として再び香港の地を踏むことになった…。そこで出会うことになった人たちが、結果的に和志を成長させていくことになる…。 この作品、エンディングに向かうにつれて読む手が止まらなくなりました。さすが岩井圭也さんの作品っ!!ただ、ちゃんと理解できて読めたかは自分でも怪しい…ということで、高評価とはしませんでしたが、読み応えのある作品でした。
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中国返還直前の香港 中国人の両親と共に日本に帰化した青年 彼は、10代の多感な4年間を香港で過ごしていた 好きだった少女の転落死は、日本に戻ってからも 香港への思いと共に彼の記憶に後悔を残す それらに決着をつけるため 交換留学生として 再び香港へと向かう 1997年香港主権移譲...
中国返還直前の香港 中国人の両親と共に日本に帰化した青年 彼は、10代の多感な4年間を香港で過ごしていた 好きだった少女の転落死は、日本に戻ってからも 香港への思いと共に彼の記憶に後悔を残す それらに決着をつけるため 交換留学生として 再び香港へと向かう 1997年香港主権移譲 イギリスから中国へ 主権が移るという圧倒的な不安感 その渦中の若者達の切迫感 揺れ動く都市 すっかり日本人気質となっていた青年が 香港のスラム街、そこに住まう人達と対峙しながら 貧困に苦しむアジアの状況を知る 生まれる国は選べなくても 生きる国は選べるのか 生きていく場所を作れるのか と難解な課題に人生を賭けていく 香港の生き物のような九龍城 スラム的だけど 人が生活して 中国の未完成的なゴーストタウン 資金は投入されたけれど人は住まない 本土回帰を 建築に重点をおいて そこから社会性まで描く 青年の創造しようとする新しい都市が 夢をみせてくれるラストでした
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大陸回帰前の香港の様子が息づかいと共に伝わってきた。香港人としてのアイデンティティ、今後も維持してほしい。
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舞台は中国回帰直前の1996年の香港 主人公は幼少期に過ごした香港に留学を機に再度訪れる大学生の男の子 目的は、かつて香港で交際していた少女の死の真相を探るため ただ、そこには様々な障壁がある 移民と貧困問題、裏社会や政治に蔓延る社会主義の闇、共産党と民主派の対立、日本への敵視...
舞台は中国回帰直前の1996年の香港 主人公は幼少期に過ごした香港に留学を機に再度訪れる大学生の男の子 目的は、かつて香港で交際していた少女の死の真相を探るため ただ、そこには様々な障壁がある 移民と貧困問題、裏社会や政治に蔓延る社会主義の闇、共産党と民主派の対立、日本への敵視 様々な問題、、 自分の生き方に迷い、葛藤する若い青年の物語は純粋に引き込まれる 貧困層の生活と、少年の恋心がリアルに描かれておりとても感情移入ができて面白かったし切ない。 表面的な問題に囚われず、相手の立場に立ち、信じることの大切さと尊さを考えさせられる(回帰直前の国籍問題の件) 香港が抱える様々な問題が浮き彫りとなり、非常にわかりやすく勉強になるため、香港を知りたい、歴史を学びたい方にはオススメしたい
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観光客の目にはとまらない香港の素顔を垣間見ることができた。都市計画という視点で香港を捉え、ミステリーに仕立てた著者の手腕に舌を巻いた。面白かったです。
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08月-20。3.0点。 香港返還前夜の1997年、建築を学ぶために留学していた主人公。数年前香港在住の際、好きになった女性がビルより転落死。留学の目的は、転落死の真相を探ること。。。 うーん。イマイチストーリーに乗れなかった。真相も意外にこじんまりと感じてしまった。
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乗ってくるまでが長かった。 香港語、香港情勢、建築の知識などが多く書かれており、読むことに体力が要った。 「周りは自分の意思に従って、リスクがあったとしても行動を起こしているが、自分は全然大した行動ができていない」というような主人公目線の描写があったが、彼は十分すぎるほど勇敢で...
乗ってくるまでが長かった。 香港語、香港情勢、建築の知識などが多く書かれており、読むことに体力が要った。 「周りは自分の意思に従って、リスクがあったとしても行動を起こしているが、自分は全然大した行動ができていない」というような主人公目線の描写があったが、彼は十分すぎるほど勇敢で、自分の正義に従った行動を起こせてるよ。って言ってあげたくなった。
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1996年の香港。 13歳から17歳まで香港で暮らしていた和志は、その時に知り合った彼女の死が忘れられず、大学での交換留学生として香港へ。 そこで、彼女の死の真相を調べる。 これは、政治が絡んだ事件だった。 すべて政治で決まる。 殺人事件をなかったことにするのも…。 とても複...
1996年の香港。 13歳から17歳まで香港で暮らしていた和志は、その時に知り合った彼女の死が忘れられず、大学での交換留学生として香港へ。 そこで、彼女の死の真相を調べる。 これは、政治が絡んだ事件だった。 すべて政治で決まる。 殺人事件をなかったことにするのも…。 とても複雑な流れではあったが、結末を知ると納得できる。 どの時代であっても、すべて政治で、ものごとは決まるというのも世の中の常なのかと思うとやりきれなさを感じた。 読みながら2003年1月に香港へ行ったことを思いだした。 香港のイメージといえば、狭い場所にやたらと高くて細長いビルが建ち並んでいる…窮屈で閉塞感を感じたように思う。 一方で、道を外れるとスラム街ともいえるようなところもあり、もう一度足を踏み入れようとは思えなかった。 今は、あの頃に比べて変化しているのだろうか。
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